ご馳走だと思っていた物の正体

フィリピンで暮らしていた頃のピナちゃんは貧しい暮らしをしていて、豪華な食事を食べる機会があまりなかった。

そのため、出会った当時は現在のプリプリしているピナちゃんからは想像できないくらい痩せこけていて、小太りくらいが好みの私は何とか肉をつけてもらいたいと思っていた。

痩せてた頃のピナちゃん(涙)

そんな貧相な食生活を送っていたピナちゃんだが、学生時代はご馳走にありつける日が週に一度あったのだ。

 

メイドの仕事をしていた母親は、あるお金持ちの家の掃除を毎週決まった曜日に担当していた。

その日は学校が終わるとピナちゃんも手伝いに駆り出され、母親と一緒にメイドとして家事をしていたのだけど、キッチンの掃除をしていると家主が美味しそうな料理を作っているのを目撃したのである。

様々な食材が煮込まれている鍋から美味しそうな香りが漂い、いつもお腹を空かせていたピナちゃんは駄目だと知っていながら、誘惑に負けて一口盗み食いをした。

 

ピ「まいうー(*´Д`*)」

 

たくさん食べると見つかって怒られるから、もっと食べたい気持ちを押さえ込み、ピナちゃんは毎週決まって作られている料理を一口だけつまみ食いをするのが楽しみになった。

中々の知能犯である。

 

盗み食いをしている後ろめたさからか、ピナちゃんは部屋の隅々まで掃除を頑張っていた。

そんな姿を見た家主の女性も「若いのにやるわね!」とピナちゃんを気に入ったのか、話しかけてくれるようになったが、気にかけてくれていると気が付いたピナちゃんは、こっそり食べることに心が痛み、楽しみにしていた盗み食いができなくなってしまった。

 

しかし、唯一の楽しみとなっている、あのご馳走を食べたいのである。

ピナちゃんは意を決して家主にお願いした。

 

ピ「あの・・・その料理を一口食べてもいいですか(´・ω・`)」

家「何言ってるの駄目よ。」

 

ピナちゃんの申し出は即座に断られた。

 

ピ「変なこと言ってごめんなさい(´;ω;`)」

家「そうじゃないのよ。あれは犬のエサなの。

((((;゚Д゚))))

ピナちゃんがご馳走だと思って食べていたのは、飼い犬に作っていた餌だったのである(血涙)

 

そんな悲しい話だが、現在のピナちゃんは人並みにお腹に肉もついて、味の違いが分かるフィリピン人として暮らしている。

先日、ゴリラ顔なのになぜかオジサンに可愛がられる傾向にある私は、持ち前の愛くるしさで三重県に住んでいる知り合いのオジサンに肉を催促し、しゃぶしゃぶ用の伊賀牛を送ってもらった。

 

 

これまでピナちゃんのお肉ランキングは神戸牛が不動の1位だったけれど、今回、数年ぶりに順位が入れ替わり、伊賀牛がフィリピン人の選ぶ牛肉ランキングの1位となった。

神戸牛の味を忘れた説も囁かれているけれど、犬のエサを食べていたピナちゃんは、レベルの高い和牛の味の違いが分かるまでに成長したのである。

手を叩いて「伊賀牛♪伊賀牛♪」と言うと、リズムに合わせて変な踊りを披露しながら近づいてくるほど気に入っている。

 

最後は伊賀牛のステマっぽくなってしまったけれど、誰に頼まれているわけでもないので、機会がありましたらピリピン人の選ぶ牛肉ランキングの頂点に君臨するもりつじと言うお肉屋さん?で売っている伊賀牛を食べてみてください。

 

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