この記事はフィリピーナのレストラン経営の続報です。シリーズを最初から読むにはこちら。
前回までのあらすじ
ピナちゃんの友人カトリーナは思いやりのない夫と別れ、生活費を捻出するため病気の実母と子供を抱えながらもレストランを開業した。
レストランは順調な滑り出しだったが、カトリーナの足に異常が出て長時間立てなくなり、レストラン経営に暗雲が立ち込めた。
カトリーナの足に異常が現れた事を先日のブログで書いた所、みなさまから病院へ行くよう助言をしていただいた。
医療費が高額なフィリピンにおいて、やはりカトリーナもお金の心配をしていて、できるなら自然に治るのを待ちたいようだった。
一人で親と子を養う覚悟を決めたからこそ、支出には神経を使うのだろう。
しかし、コメントで教えてもらった放置して進行すると下肢切断すらあり得るとの情報をピナちゃんに伝えると、心配になったピナちゃんが強く病院へ行くことを勧めてカトリーナも応じた。
すると・・・あっさり症状が改善した(安堵)
多少の出費はあったものの日に日に足の状態が良くなり、社長であるカトリーナが復帰したレストランはV字回復をするかに見えた。
だが、フィリピンはロックダウンに突入したのである(血涙)
ロックダウンで売上が減少
日本の緊急事態宣言と違って、様々な規制に強制力を持つフィリピンのロックダウンの影響で、カトリーナのレストラン周辺から人影が消えてしまった。
ちなみにロックダウンにも色々な種類があって、現在出されているロックダウンの正確な情報を私は理解していないのだけど、仕事をするなら外出は大丈夫だと聞いている。
ロックダウン施行後の来客は皆無となり、売り上げは大幅に減少した。
そんな情報がピナヤマ家へ舞い込み、私はフィリピン政府の代わりにカトリーナのレストランへ持続化給付金の追加支給を検討していた。
しかし前回のように無償援助ではない。
毎回、私の顔を見る度に「太郎って男前ね」と日本語で言ってもらう条件付きである。
だがロックダウンが長引き売上が立たない状態が長期的に続くとなると、石油王でもない私はつらいから何とかカトリーナには自立をしてもらいたいのだ。
ロックダウン中のフィリピンの町の様子を写真に収めて、AmazonのKDPで数冊写真集にして売ればフィリピンでの生活費くらいは賄えるかもしれない。
カトリーナとは色々と話をしないとな・・・
そんな考えを巡らせながら連絡を待っていると、テンション爆上げのカトリーナからピナちゃんに連絡が来た。
できる女に心配は無用だった
カ「私はやったわよ(*´Д`*)!」
ピ「どうしたの(`・ω・´)?」
カ「大きな販売先を確保できそうなの(・`ω・)b!」
私達の心配をよそに、できるフィリピン人カトリーナは自力で問題を解決しようとしていた(驚)
カトリーナはロックダウンが決まるとすぐに、メニューを複数用意してデリバリーへ力を入れた。
すると、デリバリーを注文した客から「オフィスの食堂で料理を作ってみる?」と提案があったのだ。
そこは百人以上の社員を抱える会社で食堂も完備されているのだけど、その食堂で社食を提供してみないか?との申し出である。
実際に決定するには面接や味の確認をする必要があったが、カトリーナはそのチャンスに飛びつき、先日、見事にテストをクリアして契約を結んだ。
しかも出店の条件がデパート等とは違い、キッチンは最初から完備されているし、家賃と光熱費も無料なため、大幅にイニシャルコストとランニングコストを削減した形で2号店が出せるのである。
昨年からカトリーナは試練の連続だったが、お釣りが来るほどの引きを見せた。
これは運が良かっただけではなく、カトリーナの諦めない行動力と経営センスが実を結んだのだろう。
2号店がオープンする5月までは1号店から会社へ配達をして、現在は安定した売上が確保できている。
必死になって現状を変えようともがく姿を見ていたから本当に嬉しい。
光が見えたカトリーナも当然喜んで、なぜか売上を毎日ピナちゃんに報告してくる(笑)
そんな新進気鋭の女社長カトリーナをおちょくりまわさない手はない。
連絡がある度にモト ボサツさんのブログに書かれていた、フィリピン人の自尊心をくすぐる敬称「Ma’am(マーム)」を連呼していると、「やめてよ(*´Д`*)」と言いながらも体をクネクネさせて照れる姿はキュートである(笑)