フィリピン人妻の失敗

私は悪いことをしてしまいマシタ…(´;ω;`)

うどんの入った袋をぶら下げて、フィリピン人妻のピナちゃんはしょんぼりした様子でオフィスに入ってきた。

 

ピナちゃんはフィリピン人だけど電話で出前の注文ができる。

そればかりか、いっちょ前にUberのアプリも知らない間にインストールして使いこなしていた。

しかし、Uberや出前はお店で注文するより高いと気が付いてからは、待ち時間を削減するため予めお店に電話で注文をして取りに行くようになったのだ。

 

この日も近所のうどん屋に持ち帰りの電話を入れて、ウキウキで取りに行ったピナちゃんだったが、帰ってきた時には冒頭のしょんぼりピーナになっていたのである。

この数十分の間に何をやらかしたんだい…

トッピングのエビ天を買い占めたり、善意でゴキブリを捕獲して騒ぎになったのだろうか?

 

どんな極悪非道な行いをしたのかピナちゃんに尋ねてみると・・・

 

お店を間違えてた(血涙)

 

うどん屋で「こんにちは。予約したピナ山デス(‘A`)」と慣れた様子で店主へ話しかけたようだが、「えっ?今日予約してた?」と言われて厨房がちょっとした騒ぎになったらしい。

 

『何かがおかしいデスネ…(‘A`)』と異変に勘付いたピナちゃんは、「急いで作るから待っててね」と謝る店主に「私はここにお電話シマシタ( ´・ω・)」とスマホの着信履歴を見せた。

 

店主「これ別の店舗だね(笑)」

ピ「アイッ(‘A`)⁉」

そう、このうどん屋はチェーン展開しているのだ。

電話注文しようと店名をスマホの地図アプリで検索したピナちゃんは、GPSの位置情報が狂っていたのか無意識でスワイプしたのか定かではないが、同名の他の店舗へ電話をしたのである。

 

大変な事をしてしまったと謝り倒すも、店主は「気にしなくていいよ」と間違えて注文を入れた店舗に連絡をしてくれて、間違えた分の料金は請求されずピナちゃんは家へ帰ってきた。

 

一生懸命作ってくれマシタノニ…( ´・ω・)チュルリ

うどんを食べながらも反省の色を示すピナちゃんは、電話をして直接謝りたいけど忙しくしてたら邪魔になるかもしれないと迷っているようだった。

「次からはお電話する前に気をつけマス(‘A`)」と改善計画を発表し、一応この騒ぎは収束したかに見えたが…

 

数時間後、人一倍心配性なフィリピーナは間違えたうどん屋まで謝罪に行くと言い出した(汗)

 

お出かけ用の服を着て準備万端のピナちゃんは、うどん屋までの乗り継ぎを教えてくれと言うのだけど、私も日頃バスや電車に乗らないし調べるのも面倒なのである。

そもそも、6月なのに「猛暑だ!節電だ!」とニュースで騒いでいた日で、この炎天下の中に動揺している方向音痴のフィリピーナを解き放つのは悪い予感しかしない。

 

私「うどん屋には今からじゃなくて晩御飯を食べに行こうよ」

ピ「お昼ご飯もうどんなのに大丈夫デスカ(‘A`)?」

私「今日は暑いから夜もうどんが食べたいんだ」

ピ「そうなの(・∀・)」

ピナちゃんは「ちょうど良かったぜ(‘A`)!」といった表情を浮かべ、お詫びに渡す饅頭を買ってくると言うので引き留め、夕方になると近くに同じ店があるのに遠方のうどん屋へ向かった(涙)

 

店長さんらしき人物にピナちゃんは昼の出来事を謝罪し、間違えて注文したお金を支払おうとすると、「代金は結構ですよ。わざわざお越しくださってありがとうございます」と恐縮された。

私が店主なら「廃棄にも金がかかるんやで!」と難癖付けて多めに請求しそうだけど、何て心優しい方だろうか。

この商売人の鏡のような店主の気持ちに報いるため、そして、夫としては妻の失態を帳消しに…むしろプラスにしてやろうと、鼻からうどんが出そうなくらいお代わりをして店を後にした。

 

帰りの車でお腹一杯になり眠っておられるピナちゃんを横目に、日本人と電話をするのが苦手だったのに普通に注文できるようになるなんて成長したものだと感心しながらも、間違えて注文したのが激辛カレーじゃなくて良かったと胸を撫でおろしたのである(笑)

 

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