仕事をしていると、フィリピン人妻ピナちゃんから一通のメールが届いた。
朝から嬉しそうにゴソゴソしていると思ったら、ハーゲンダッツの抹茶アイスを再現しようと試作品を作っていたのである。
日頃は値段の高いハーゲンダッツにピナちゃんは手を出さないが、私と一緒に買い物をする時にこっそりカゴに入れるので味は知っている。
本当は色々な味を食べたいのだろうけど、私がバニラ味しか食べないのを知っているピナちゃんはいつもバニラ味をカゴに仕込む。
数日前、買い物に出かけた時、いつものようにコソコソと買い物カゴにハーゲンダッツ(バニラ)を入れたピナちゃんに、「たまには他の味を買ってみたら?」と聞くと『お前のためにバニラにしてやってたのにイイノカイ(‘A`)?』という顔をして、コソーっと抹茶味と入れ替えた(笑)
その日から少し食べては冷凍庫に戻してハーゲンダッツの抹茶味を堪能していたようだが、残り少なくなって危機感を持ったピナちゃんは閃いたのだろう。
「自分で作って量を増やしましょうね(‘A`)」と。
新しく購入せずに作るという選択をするところが面白い。
だが、ピナちゃんが興味を持ち試作品が完成した日は、私が最も緊張感を持って挑むイベントが発生するのである。
そのイベントとは‥‥‥試食会!
試食会では芸能人格付けチェックのように市販品と手作り品が並べられ、どちらが美味しいか私が審査をしないといけないのだ。
市販品を選ぶとピナちゃんがしょんぼりしてしまうため、夫として間違うわけにはいかないのである(滝汗)
妻がチキンストックを使ったオニオンスープの試作を3種類作り、天才料理人に味見を依頼してきた。
しかし私はドリンクバーのオニオンスープしか知らないから、腹がチャポチャポになるほど飲んだけれど、力及ばずどれも美味しく感じて決めきれない😭 pic.twitter.com/4cIYzi4Mqc
— ピナ山太郎 (@pinayamataro) October 16, 2020
帰宅すると「目をつぶってクダサイ(‘A`)」とピナちゃんに誘導されて席についた。
やはり試食会は開催されるようだ。
「どうぞ(・∀・)!!」と言われ目を開くと、目の前には3つの小皿に抹茶アイスが並べられていた。
「どれが一番美味しいか教えてクダサイ(・∀・)」
1つはハーゲンダッツ、2つは作り方を変えた手作り抹茶アイスで、そのうち1つはピナちゃんの中では失敗したようである。
何としても成功手作りアイスを当てなければならない。
審査員は不正を働いてでも当ててやろうと抹茶アイスを凝視するが、色や質感にほぼ違いがないため見た目では判断しかねる(汗)
左から順に口へ運び、目を閉じて味覚を研ぎ澄ませる。
むむむ・・・
むむ・・・
む!!
似たような味だね(血涙)
そもそもハーゲンダッツを再現させようと味を寄せてきてるから、違いは僅かなのだろう。
それ以前の問題で、抹茶アイスを好んで食べない私には、味の優劣をつけるほどの確かな基準がない。
こうなると賭け出るしかない。
1/3の確率であれば十分に勝算はある。
私「それでは結果を発表します!」
ピ「オオイ(・∀・)」ドキドキ
私「一番美味しいのは‥‥‥」
ピ「アーーーーイ(*´Д`*)」ドキドキ
ピ「アーーーーイ(*´Д`*)」ドキドキ
ピ「アーーーーイ(*´Д`*)」ドキドキ
私「真ん中!!」
(’A`|||)ショボーン
私「ですが‥‥‥!!」
(゚д゚;)⁉
私「俺が一番美味しいと思ったのは‥‥‥」
(゚д゚;)ドキドキ
(゚д゚;)ドキドキ
私「右!!((頼む!!))」
オッオーイ(*´Д`*)
正解は右だったようで「コリは私が作りマシタ(*´Д`*)」と上機嫌なピナちゃんに、「ハーゲンダッツからスカウトが来るぞ!」とヨイショしながら胸を撫でおろした。
勢いに乗ったピナちゃんは、ハーゲンダッツをベースに独自の味を追求しようと改良を加えている。
試食会にはせめて味の異なる改良後の抹茶アイスを出して欲しいところである。
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