昨年、フィリピンがロックダウンをしていた頃、ピナちゃんとフィリピンの田舎で暮らすママとの間に険悪な雰囲気が流れ始めていた。
事の発端はフィリピンの互助制度である。
この互助制度の何が問題なのかというと、ママは「コロナで生活が大変。もう生活費が足りない」と嘘をついて金の無心をしてきては、互助会(複数)の積立金に回していたのだ。
コロナが原因で失業でもしたのなら生活に困窮したと言うのも理解できる。
だけどママは元々仕事をしてないし、むしろ必要な物品をストックしておけるように仕送りを増額していたので、コロナで生活が大変になることはない。
ママは私達に互助会のことを隠してお金の無心をすることで、時々ボーナスのようにまとまった金を受け取れる資産運用のつもりなのだろう。
そんな事をしなくてもクリスマスや誕生日には多めの送金をするのだけど、ママとしてはそれは当然貰いながら、さらに娘を騙してでも互助会を利用して多くのお金が欲しいのである。
この互助会でお金ちょろまかし問題は過去にも数回あって、ピナちゃんは「まとまったお金が必要な時は言ってくれれば送金するから隠さないで」とママに伝えるのだけど、毎回「もうやらない」と返事はするものの隠れて続けるのだ。
そして、互助会のお金を持ち逃げされたり、互助会とは別に「出資すると1年後には全額回収でき、その後も高配当が受け取れる。」といった詐欺に引っかかるとピナちゃんに泣きついて発覚する。
そんな信用できない互助会に参加したり詐欺に騙されるの?と思うかもしれないけれど、フィリピンでは金融リテラシーが日本の学生レベルの人達が多い。
マルチのセミナーなんかも日本とは比べ物にならないくらい活発なのである。
そもそもママからすれば湧いて出たようなお金なので、いかにして送金させるかが大切なのだろう。
ピナちゃんの性格なら何をしても自分が見捨てられることはないだろうと高を括り、何度注意をされても繰り返すのだ。
再び互助会の利用が発覚
フィリピンで行われた昨年のロックダウン中、ママから「食べ物の価格が急激に値上がりしている」との理由で追加の送金要請が行われ、そりゃ大変だ!と追加で送金をしたが、ピナちゃんはママの近所に住む親戚と連絡を取る中で物価の変動がないことを知ってしまった。
コリはまたやってマスネ(‘A`)…
ピナちゃんがママを問い詰めると、「やってるわよ!それの何が悪いの!」とママは開き直り、さらに「私のお金を何に使ってもいいでしょ。それとも全ての使い道をピナに説明しないといけないの?私は母親よ!」と逆切れしてきたのである(血涙)
その後も「今まで積み立てたお金は全部無くなった。あなたのせいよ!」と嫌味ったらしく連絡してきてピナちゃんの心を掻き乱す。
ピナちゃんはママへの対応に疲れ切った様子なので「太郎がお金をくれないって俺のせいにして相手にするなよ」と伝え、これまで10年近く一歩引いて見ていた私が分析したママの性格を伝えた。
ある意味ママはお金を無心するプロなのだ。
時には高圧的に、時には泣き落とし、時には周囲に迷惑をかけ、ありとあらゆる手を使ってピナちゃんから少しでも多くのお金を回収しようとする。
これはもう詐欺師やヤクザの手口である。
親の立場を利用して「子は親に尽くすもの」との考えを植え付けたり、ピナちゃんの優しさにつけこみ不幸な自分を演じたり、送金しないと叔父さんにお金を借りると第三者に迷惑をかける事を匂わせたりするのだ。
実母だからピナちゃんが心配する気持ちは当然だけど、そろそろピナちゃんが気持ちを強く持たないとママとお金の問題は一生ついてまわるぞと話した。
日本と比べればフィリピンの田舎の生活費なんてたかが知れていて、正直なところ仕送りする金額なんて鼻クソみたいなものである。
だけど、それは私が仕送りをする場合で、未だにフィリピンの金銭感覚を持っているピナちゃんからすれば大金だし、私の負担にならないようピナちゃんは自分の家賃収入から仕送りをするようになったので、ママの過剰な要求に毎回心を痛めるのである。
何よりもピナちゃんは、これまで当たり前だと思っていた事が間違っているのではないかと気が付きはじめていたのだ。
ピナちゃんが以前ポツリと漏らした言葉があった。
ママは私をお金の木だと思ってるかもしれマセン。時々でいいからお水をくれるといいデスノニ(・∀・)
この時は冗談みたいに言っていたけど、日本で暮らす中でこれまでの価値観に違和感を感じはじめたのだろう。
いびつな形であっても繋がっていた親子関係を断ち切る可能性がある話をするか迷いはしたが、私としてはピナちゃんの心の平穏が最優先なのだ。
ピナちゃんがこんな下らない問題で悩むくらいなら、割り切って私が送金すればいいし、それが嫌ならピナちゃんをコントロールできないとママに分からせる必要があることを伝えたのである。
ピナちゃんは「鋼の心デス(‘A`)‼」と私の口癖を真似て、ちょっと頑張ってみるようなので、どうなるか見守ろうと思っていたが、後日、この決断がピナちゃんファミリーを巻き込んでの大問題へと発展した(血涙)
つづく