私は子供の頃、両親の仕事の関係で祖父母の家に兄と預けられていた時期があった。
自然に囲まれた祖父母の家は、私の性に合っていたようで楽しい毎日を過ごすことができた。
楽しめたのはもちろん、愛情を注いでくれた祖父母がいたからだ。
そんな祖父母も私が大人になったのと同じだけ歳を取り、近頃は体力も低下して色々と身の回りの事が思い通りに出来なくなり、家族のサポートが必要になっている。
幼い頃に世話になったし散々迷惑もかけてきた私は「祖父母孝行のチャンスやで！」と、遠距離に住み中々顔を出せない両親や姉の分も、祖父母が淋しい思いをしないように兄と世話を焼いている。
私達兄弟が祖父母を気に掛けるのは当然なのだけど、フィリピン人妻のピナちゃんも実の家族のように、私達兄弟以上に良くしてくれる。
それは結婚を周囲に反対される中で味方になってくれた祖母や、受け入れてもらうまでに時間はかかったけれど可愛がってくれる祖父が好きだからである。
今日はピナちゃんを連れて、私の祖父母の所へ遊びにいった。私達の住む家から車で2時間程の、少し離れた所へ住んでいる為に小旅行のような気分である。 あいにく祖父は友人と温泉旅行へ行っているため家を空けているが、[…]
ピナちゃんは祖父母が体調を崩せば家や病院へ見舞いに行き、祖母が痩せると祖母の好きな料理を作り持って行く。
それだけではない。
祖父母の家の掃除や洗濯、リハビリが必要と聞けば楽しそうに一緒にリハビリを行う。
体力が低下している祖母は体を動かすことを嫌っていたけど、楽しそうにリハビリを手伝うピナちゃんの姿を見て、今では毎日のリハビリを心待ちにするようになった。
いつか近所の公園まで散歩ができるようになりたい！https://t.co/nDKp920Nw3 pic.twitter.com/ZrE1xJSALS
— ピナ山太郎 (@pinayamataro) 2019年6月12日
傍らから見ていると頑張り過ぎていて心配になる。
「無理をしなくてもいいからね」と伝えるけれど、「喜んでもらえて嬉しいﾃﾞｽ(*´Д｀*)」と気にも留めていない様子である（汗）
それどころか、どうすれば祖父母が喜ぶのかを考えるのが楽しいようなのだ。
漢字が読めるようになった事で、日本のネットショップを使いこなすようになったピナちゃんは、時々ネットで買い物をする。
今日も注文した荷物がポストへ届いていた。
上機嫌なピナちゃんが開封して見せてくれたのは、祖父母へプレゼントする靴下だった。
先日、祖父母の家へ行った時にお小遣いを貰っていたので、お返しにそのお金で二人にプレゼントを購入したのだろう。
ピエール瀧が長年に渡りコカインを使用していたと連日ニュースで報道され、他に取り上げるべきニュースがあるのではないか？とも思うが、薬物の使用でこれほどまでに大騒ぎしている日本は平和だなと感じている。個人的にはピエール瀧よりもコカインを[…]
「今からコリを持って行きﾏｽ(‘A`)」と靴下を両手に持ったまま踊りながら言ってきた。
今日はピナちゃんが前々から目を付けていた喫茶店のアイスを食べに行く予定だったのに、プレゼントが届いたことで急遽予定が変更されたようだ（汗）
手土産にケーキを買い、浮かれるピリピン人を連れて祖父母の家へと向かった。
到着して家へ入ると昼寝の時間だったようで、祖父母はぐっすりと眠っていた。
ピナちゃんは祖母の布団の横へ静かに座り、寝顔を覗き込む。
しばらく寝顔を見ていたピナちゃんだったが、「手を握っても大丈夫ﾃﾞｽｶ(‘A`)?」と小声で聞いてきた。
無言で頷くとピナちゃんは起こさないように、そっと祖母の手を取り「シワシワﾃﾞｽ(‘A`)」と小声で失礼な事を言いながら手の甲をさすっていた（笑）
しかし眠りが浅かったのか、祖母は目を覚ましてしまった（汗）
目の前にピナちゃんの姿を確認した祖母は、「あらーまた来てくれたの」と、横になったまま嬉しそうにピナちゃんを抱き寄せた。
二人のお茶を用意して戻ってくると、ピナちゃんは背中にプレゼントの靴下を隠して、渡すタイミングを計っているようだったが、ピナちゃんが来て嬉しい祖母の話が終わらず、完全に渡すタイミングを逸していた（笑）
私「ばあちゃん！ピナちゃんからプレゼントがあるんだって！」
ば「あら何かしら？」
ピ「コリﾃﾞｽ(*´Д｀*)!!ﾄﾞﾔｱ」
靴下を手渡すと、祖母は「わあ嬉しい。ありがとう」と喜んだ。
その姿を見たピナちゃんも「ｴｯｴｯｴｯ(*´Д｀*)」とご満悦なのである。
それから「これはMade in Japanﾃﾞｽ(‘A`)」とか「ここが広くて楽ﾃﾞｽ(‘A`)」と、一生懸命に靴下についてピナちゃんは説明をしはじめた。
ピナちゃんは祖母に靴下をはかせ「ﾄﾞﾃﾞｽｶ(｀･ω･´)?」と履き心地を尋ねると、祖母は「すごく楽!!まぁ良くピナちゃんは気が付くねぇ」と絶賛していた。
その理由が、祖母は「靴下をはくと足がむくむ」と言っていたらしく、それを覚えていたピナちゃんは足がむくまないように、ゴムの緩い靴下を探し出したようなのだ（驚）
なんて出来るフィリピーナだろうか……
ピ「他に何か欲しい物とか、してほしいことありﾏｽｶ(*´Д｀*)?」
ば「この靴下だけで、もう十分嬉しいよ」
ピ「私はもっとおばあちゃんをハッピーにしたいﾃﾞｽ(*´Д｀*)」
ば「それじゃーお願いしてもいいかい？」
ピ「ﾊｲ(*´Д｀*)!!」
ば「ばあちゃんが一番嬉しいのは、ピナちゃんと太郎が元気で仲良くしてる姿を見ることなんだよ。何も持ってこなくていいから、これからも二人で遊びにきて顔を見せてくれるかい？」
ピ「ｲｲﾃﾞｽﾖ(*´Д｀*)!!」
隣で二人の会話を聞いていて、一番の祖父母孝行は祖母の言葉のように、時々顔を出して元気な姿を見せることなのかな？と妙に納得したのである。
これからも時間がある時には、元気な姿を見せに行こうと思った。
この記事は100年使える鍋？を買うの続きです。ジオの片手鍋が届いたら祖父母の家へ行くことをピナちゃんに伝えていたので、片手鍋が届いた翌朝目を覚ますと、ピナちゃんは祖母から教えてもらった冬瓜汁と炊き込みご飯を作りタッパーに詰めていた。[…]
暑さからか祖母は食欲がなくなり痩せてきている。何か悪い病気なのかと思い病院へ連れて行き検査をしたが、特段問題はないようで安心した。しかし孫としては心配なので何かと理由をつけては、祖母の好きなケーキや食べ物を持って家へ遊びに行き、[…]
