昨日、友人から「太郎の好きそうな家が売りに出てたぞ」と家の外観画像付でメッセージが送られてきたので、物件画像に目をやると‥‥‥
ボロボロやないか!!
友人の中で私のイメージはどうなってるのだろうか。
誤解を解くため「俺はキレイな家が好き」と返信して、すぐに物件の元付け不動産業者を調べてコンタクトをとった。
電話に出た女性に「物件を見に行きたい」と友人に教えてもらった物件情報を伝えると、「担当者が外出中なので鍵を預けますから自由に見てください」との事だった。
このパターンはあれである。
外観の画像を見てある程度の覚悟はしていたけれど、初対面の客に鍵を預けて物件を自由に見てこいなんてのは‥‥‥
極上のボロ物件の予感しかしない!!
植物の手入れをしていたピナちゃんに、「ちょっと家を見てくる」と声をかけて出かけようとすると、「アエイ(‘A`)!!(訳:連れていってくれよ!)」と水やりの途中なのに「終わった」と言い張るので、物件調査へ付いてきてもらうことにした。
すぐに身支度を整えると言うので、車で待っていたが一向に出てこないため一度部屋へ戻ると、しっかりと植物への水やりも済ませていた(笑)
策士である。
物件へ潜入
不動産屋へ寄り鍵を預かって目的のボロ戸建て物件へとたどり着くと、予感的中というか想像通りで、なかなかの朽ち果て具合である。
しかし室内はリフォーム済みでピカピカかもしれない。
そんな有りえない状況を想像しつつ、希望を持って玄関の鍵を開けようとすると、鍵すらかかっていなかった(涙)
室内へ入ると天井が反り返っていたり、床がブヨブヨしているくらいで、想像していたよりも部屋の品質は保たれていた。
隣で「悪くないデスネ(‘A`)」と言う、選定基準が緩すぎるピナちゃんの言葉は聞かなかった事にして、隠れている問題個所を探すため隅々まで調べることにした。
謎の階段を発見
トイレはフィリピンスタイル
しばらく部屋を見て回ったが致命的な欠陥は見当たらない。
これは掘り出し物になるかもしれないと考えていると、不動産業者から「担当者が帰ってきたので現地に向かわせます」と連絡が入った。
担当者が来るまでに、建物の様子をもう少し確認しようと外へ出た。
他人がいてはシンデレラを虐める姉のように細かい所までチェックするのが恥ずかしいからだ。
密集して家が建っている地域で、家の裏に回るにはカニ歩きでギリギリで通れるくらいの通路を通る必要がある。
服が汚れるのを気にして、ピナちゃんには表をチェックするよう指令を出し、私は単独で家の裏へ回り込んだ。
あかん‥‥‥
基礎がやられている。
それだけではなくて壁には太いクラック(ヒビ割れ)が走っているばかりか、至る所が欠け落ちていた(汗)
外壁にも手を入れるとなるとリフォーム費用が跳ね上がってしまうではないか。
これはリフォーム費用を織り込んだ、強烈な指値(値引き)をする必要がある。
問題個所の写真を一通り撮って玄関へ戻ると、不動産屋の担当者が到着していた。
名刺交換を済ませた後、問題個所を指摘して指値が通りそうなのかを確認すると、「売りに出したばかりなので価格交渉は難しい」と言っていたが、私の希望額を伝えると売主に確認の電話を入れてくれた。
お宝を見つけて興奮するピナちゃん
不動産屋と売主の電話が終わるのを待っていると、家の正面をパトロールしていたピナちゃんが慌てた様子で帰還してきた。
ピナちゃんは目を大きく見開き、私の服を引っ張りながらコソコソと話しかけた。
ピ「す、すごい物を見つけマシタ(゚д゚;)」コソコソ
私「何を見つけたの?」
ピ「ウニデス(゚д゚;)」コソコソ
私「えっ?」
ピ「ウニ!!お寿司のウニデス( ゚Д゚)!!」コソコソ
突然このピリピーナは何を言っているのだろうか。
私「寿司屋があったの?後で食べに行くかい?」
ピ「違いマス!!この家はウニが落ちてマス(゚д゚;)スグイ」
私「ピナちゃん‥‥‥なに言ってるの(笑)」
ピナちゃんの言っている意味が分からず困惑していると、ピナちゃんは「きてクダサイ(´・ω・`)」と言って、グイグイ私の手を引いて庭へ向かい地面を指さした。
!?
ピ「ウニがたくさん落ちてマス(*´Д`*)オオーイ」
ピナちゃん‥‥‥
それは栗だよ!!
ピナちゃんは栗の実しか見た事がなかった(汗)
夫を疑うピナちゃん
「それは栗だ」と伝えてもピナちゃんは信じない。
ピナちゃんの知っている栗はモンブランの上に乗っている栗や、新幹線に乗る時に買う”甘栗むいちゃいました”なのである。
「クリがこんなにトゲトゲしてるわけねーだろ(‘A`)!」と言う顔をして、ピナちゃんはウニ(栗)を拾い上げた。
チクッ!!
アウッ(´;ω;`)!!
栗の木を見るように言うと、ピナちゃんは頭上を見上げた。
その木には幾つものウニ(栗)が実っている。
ピ「ウニじゃないデスカ‥‥‥栗デスカ‥‥‥(´・ω・`)」
ピナちゃんは寿司屋で高い値段の付いているウニではなく、栗だった事を知り落ち込んだ(笑)
私「元気だしなよ(笑)」
ピ「お寿司屋さんに売れると思いマシタノニ(´・ω・`)」
売る気だったのかい(驚)
ウニ(栗)を一つもらったピナちゃん
今回の物件は残念ながら指値(値引き)を断られたので、不動産屋に「売れ残って売主の気が変わったら連絡をして」と伝えて現地を後にした。
しかしピナちゃんが栗の真の姿を知る収穫があったので、良しとしたのである。