宝石のプレゼントに戸惑うフィリピーナ

暑さからか祖母は食欲がなくなり痩せてきている。
何か悪い病気なのかと思い病院へ連れて行き検査をしたが、特段問題はないようで安心した。

しかし孫としては心配なので何かと理由をつけては、祖母の好きなケーキや食べ物を持って家へ遊びに行き、丸々と太ってもらおうと画策している。

 


ピナちゃんも公文の無い日は弁当を作って一緒についてきてくれて、会うたびに痩せている祖母を見ると心配なようで、私に「おばあちゃんと一緒に住みマショ。テイケアシマショ(´・ω・`)」と、家族を大切にするフィリピーナらしい優しい提案をしてくれるが、祖母に話すと「若い者に迷惑はかけたくないから」と、いつも断られてしまい同居の目処はたっていないが、孫夫婦からの提案に顔はとても嬉しそうである。
本日も仕事へ行く前にピナちゃんと一緒に祖母の家へ行くことにした。
ピザが食べたいと先日遊びに行った時に言っていたので、持ち帰りは半額になる近所のピザ屋へ寄り、10時頃には祖母の家に到着する予定であったが、ピザ屋が11時オープンだと知り断念してスーパーのパン屋でピザパンを購入して向かった。

 

私「婆ちゃんがピザパン食べてくれたらいいね。」

ピ「エイッ( ・Д・)!!」訳:任せてください。

祖母は食欲が無くなっているが、ピナちゃんが美味しそうに食べるとつられて食が進むのである。

 

テーブルにピザパンやピザパンの気分では無くなっていた時の保険で購入した、お惣菜詰め合わせセットを並べて食べようとしたのだが、祖母は見ているだけで食べ物に手を出そうとしなかった。

私「婆ちゃん食べてみてよ。美味しいよ。」

ば「じゃぁちょっと食べようかね」

そう言って一口だけ食べるのだが、一向に二口目へと進まないのでどうしようかと考えていると、ピナちゃんがピザパンの耳?(味の無い外側部分)を指さしながら話しかけた。

ピ「お婆ちゃん。私はココが好きデス(*´Д`*)」

ば「ここは味がないでしょ?具がある所を食べないと(笑)」

ピ「美味しいデスヨ。お婆ちゃん一緒に食ベマショ(*´Д`*)ハヤクハヤク」

 

具が乗っている部分は祖母、端はピナちゃんが食べるというシェアプランを打診され、祖母は戸惑いながらもピナちゃんが目をキラキラさせてパンの耳を待っているので食べ始めた(使命感)

その後も公文でテストに合格して次のレベルに進んだ話や、覚えたての難しい漢字を披露していると、ピナちゃんの成長ぶりに嬉しくなった祖母は上機嫌になり、パクパクとお惣菜にも手を伸ばしはじめ気が付けば購入した食べ物を3人で完食していた(驚)

成長しているとはいってもフィリピン育ちのピナちゃんは、知っている単語や言い回しは少ないはずなのに、限られた言葉だけでスッと相手の心に寄り添う事ができる人柄には驚くばかりである。

 

食事を食べ終わり縁側で珈琲を飲みながら部屋の様子をうかがうと、祖母とピナちゃんは楽しそうに話をして盛り上がっており、元気そうな祖母の顔を見ると部屋に入って話の腰を折るわけにはいかず、淋しく庭の草むしりをしていた(涙)

ほどなくして心配そうな顔をしたピナちゃんが「太郎来てクダサイ(´・ω・`)」と、草むしりに飽きて隣の家の犬にエサをチラつかせて二足歩行を教えていた私を呼びに来た。

 

私「何かあったの?」

ピ「お婆ちゃんがジュエリーくれるダッテ(´・ω・`)」

家に戻ると祖母は指輪やネックレスの入った箱を用意していて、その中からピナちゃんに一つプレゼントしたいようであったが、高そうな物なのでピナちゃんは怖気づいてしまい私に助けを求めにきたのである。

私「一つもらったら?」

ピ「Σ(゚д゚;)アイッ!?」

ば「そうだよ。ピナちゃんに貰ってほしいの」 

ピ「ダ・・ダイジョブデス。お婆ちゃんといるだけハッピーダカラ(゚д゚;)」 

ば「これなんか似合うんじゃない(´∀`*)?」

 

祖母は言い出したら聞かない性格なので、赤い石がついたネックレスをピナちゃんの胸にかざして着けた感じを確かめていると、こんなに高そうな物はダメだと思ったのか、宝石と一緒に収納されていた木の枝を指さした。

 

ピ「コリにシマス(´・ω・`)」訳:この木の枝をください。

ば「あ・・・それは駄目なの(´・ω・`)もっとキレイな物を選んで」

私「宝石が良くて何で木の枝がだめなの?(笑)」

ば「これは太郎がくれた物でしょ!忘れたの?」 

!?

どういった状況で木の枝をプレゼントするんだろうか?ばぁちゃんボケ始めたのかい?と心配になったが、祖母から木の枝の思い出話をされているうちに、脳裏に過去の情景が浮かび、確かに幼き日の太郎少年がプレゼントしたものだと思い出した。

 

あれは小学生の頃である。
ドラゴンクエストというゲームが流行っていて、私はゲーム機を持っていなかったので友達の家でドラゴンクエストを友人がプレイするのを見ていたのだが、その時に友人が「いかづちの杖」というゲームに出現する武器?の説明をジャパネットの通販のように熱く説明してくれて、そんなに凄い杖があるのかと子供心に衝撃を受けたのである。

数日後、祖母の誕生日会があり、姉も兄も可愛い弟に相談もせずお小遣いからプレゼントを購入していて、すでにお小遣いを使い果たしていた私は、誕生日会を手ぶらで向かえる事に危機感を持ち、いかづちの杖を探しに山を探索する事にしたのだった。

今と変わらず当時も頭の悪かった私は、山へ入るとすぐに良い感じに乾燥して手頃なサイズの木の枝を見つけて、これがいかづちの杖か・・・と、その辺に落ちている木の枝をいかづちの杖だと思い込み、もったいない気もしてプレゼントするか悩んだが、木の枝に紐を通して祖母にプレゼントしたのである。

 

こんなガラクタを祖母が大切に持っていてくれた事に照れくさくなったが、いかづちの杖をピナちゃんのコーディネートに組み込む事は阻止しなくてはいけないので他の物をお勧めして、ピナちゃんは祖母から小ぶりな石のついたネックレスを貰った。

オオォイ(´∀`*)訳:似合うかい?

 

ホクホクした顔で嬉しそうに何度も見せてきて、先ほど家でも服を買ったらおまけで貰えたジュエリーボックスに、祖母からもらったネックレスを入れて嬉しそうにみせてきている(笑)

このジュエリーボックスは結婚指輪・ネックレス・時計しか入っていなかったので、ピナちゃんのジュエリーコレクションが新たに増えて嬉しそうである。