常夏の国フィリピン育ちのピナちゃんは、母国の暑さに誇りを持っている。
毎年のように気温が上がり始めると「アコはフィリピン人だから平気ﾃﾞｽ(‘A`)」と、すぐにエアコンをつけようとする私にマウントをとるのだ。
日本人が軟弱だと思われるのは心外なので、「沖縄県民はこれくらいの気温ならコートを着てるぞ」と適当な話をでっちあげ一矢報いたつもりになっていたが、汗をかく私を見て「でも太郎は違いﾏｽ(‘A`)ｱｴｰ」と格下に見てくる。
「俺も全然暑くない。代謝がいいだけだから‥‥‥」
私はエアコンのリモコンを置き、ドヤリ倒すフィリピン人との暑さ対決に真っ向勝負を挑んだ。
しかし、窓から吹き込む僅かな風を感じ取ろうとソファでピクりとも動かず体温調整をする私に対して、絶対王者ピナちゃんは変な踊りを踊ったり、せかせかと掃除を始めたりしてポテンシャルの違いを見せつけてくる。
猛暑の中、このピリピン人は何で涼し気な顔で動き回れるのだろうか（汗）
我慢が苦手な軟弱ボディでは30分もしないうちに耐えきれなくなって、早々に白旗をあげようか葛藤していると、ダンボールの切れ端を持ったピナちゃんが近づいてきた。
「あおぎまｼｮｳｶ(‘A`)?」
汗を垂らして耐える姿を見かねたのか、ダンボールをうちわ代わりにして扇いでくれるというのだ。
対戦相手に情けをかけられるとは、なんたる屈辱‥‥‥
真剣勝負に水を差す愚行に声を荒げた。
「うん！お願い！」
風があると体感温度が全く違う。
『この勝負もらったぜ！』と息を吹き返したけれど、それは巧妙に仕組まれた罠であった。
ピ「10分20円ﾃﾞｽ(｀･ω･´)」ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ
⁉
私「金が必要なのかい？」
ピ「マシーンですｶﾗ(｀･ω･´)どうしますか？」ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ
砂漠で倒れている者に水をチラつかせて金を巻き上げるような鬼の所業だが、省エネ基準を満たした10分20円という絶妙な価格設定のマシーンに心が揺らぐ。
私は1時間コースをお願いした（血涙）
ピ「強いのレベルだと10分50円ﾃﾞｽ(｀･ω･´)」
Made in ピリピンだと侮っていたけれど、この便利家電は風力コントロール機能まで搭載されている最新型であった（驚）
羽を最大4枚まで増やすことで自在に風の強さを調節できる。その代わりに当然ながら消費電力は上がり、羽が一枚増えるごとに10円高くなる。
「強で1時間お願い！」と300円を支払い、マシーンは風力Maxモードでパタパタと稼働を始めたが、1枚も4枚も大して風の強さは変わらなかった（涙）
さらに10分くらいで「手が疲りﾏｼﾀ(´･ω･｀)」と、マシーンが緊急停止をして動かなくなり気が付いた。
あっ！これぼったくりだ（涙）
やはり家電は日本製に限る。
ピナちゃんが掃除の続きを始めたので、風を奪われた私は「ちょっと仕事してくる」と伝え、服を着て1階のオフィスへと逃亡したのだが、パンツを履くときに暑さで風呂上りのようにグッタリしたチ〇コが、『ご主人‥‥‥もう限界です』と言っている気がした。
私は全然問題なかったが、チ〇コが熱中症にでもなったら大変なことになる。
オフィスへ入るとすぐにエアコンをつけて涼み、快適な環境で仕事をするふりをして工具の手入れをしていると、こっそり後をつけてきたピナちゃんにエアコンの使用を目撃されてしまった。
ふてこい顔でエアコンを指さし「ｱｴｰ(‘A`)」と勝ち誇るピリピン人に、返金しなくてもいい事を条件に頼み込み、この戦いはドローにしてもらった。
連日猛暑日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか？
今年は室内での熱中症も多いようなので、ピリピン人のように暑さ耐性のない我々日本人は、エアコンをフル稼働させつつ塩を舐めたりしながら猛暑を乗り切りましょう。
我が家のフィリピン人料理長は暑さに比例して元気になり、近頃は夏にぴったりのアンコを使ったスイーツ作りに精を出しております。
もしよろしければ、喜びますので時々YouTubeを覗いてあげてください。
※ピナちゃんはブログの存在を知らないため、YouTubeにコメントをして頂ける場合は「料理長」と呼んであげてください。
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