ピーナッツ号(自転車)の盗難届を出してきました

  • 2016年9月30日
  • 日常
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この記事は名探偵太郎の事件簿-ピーナッツ号盗難事件の続きです。

皆さまから”盗難届は出しておいた方がよい”というアドバイスを頂き、盗まれた自転車が犯罪に使われると色々大変な事になるとピナちゃんを説得し、警察署へ盗難届を出しに行ってきた。

 

フィリピンでは警察官の汚職が日本とは比べ物にならないくらい多く、コネやお金のない者は被害を訴えてもまともに捜査をしてくれない事もあり、友人のフィリピーナもそうだが、ピナちゃんも警察官に良いイメージを持っていない。

ただフィリピンの警察は予算に限りがあり予算を超える捜査費用(ガソリン代等)は警察官の実費になると、以前JAC活動記で読んだ事があるので、捜査がしたくてもできない環境も汚職に繋がっているのだろう。

 

緊張した面持ちのピナちゃんと警察署内へ入ると、10名くらいの警察官が電話を囲むようにして近隣からの通報を受け慌ただしくしていたが、一人の警察官が私たちの姿に気が付き「どうしましたか?」と声をかけてくれた。

「自転車を盗まれたので盗難届を出しにきました」と伝えた所、忙しそうにしていた数名の警察官も私達に近づいてきて、一人は盗まれたスーパーの場所を地図で確認し、残りの3名の警察官は盗難にあった日時や状況を聞いてくれて、忙しそうな所に連絡もせず訪れた私達に人手を割いてくれて何だか申し訳ない気持ちになった。

 

自転車防犯登録カードとピーナッツ号(自転車)の写真を渡し警察官が確認している間に、他の警察官が私たちの関係や自転車の名義、仕事などを聞いてきた。

警「お二人は夫婦ですか?」

私「はい。そうです。」

警「失礼ですが奥様は外国人ですか?」

私「はい。フィリピン人です。」

警「在留カードはお持ちですか?」

私「ピナちゃん今日エイリアンカード持ってる?」

・・・(‘A`)カチーン

ピナちゃんは警察官4名に囲まれ、慣れない状況に緊張して固まっていた(笑)

 

私「ピナちゃん?」

ピ「ハ・・ハイ!! 持ってマス(‘д` ;)」ドウゾ

警「奥様はお仕事はされていますか?」

ピ「ハ・・ハイ!! 太郎のヘルプしてマス(‘д` ;)」

警「旦那さんは自営業ですか?」

私「はい。不動産等の投資をしています。」

警「奥様は何か役職がありますか?」

私「いえ、ありません。」

警「奥様に給料は払っていますか?」

私「アイスクリーム払いです(//・ω・//)」

警「えっ(゚д゚;)!?」

仕事を手伝ってもお金を受け取らないピナちゃんへの斬新な給与形態に驚いたようである。

 

盗難届は名義人が自ら書いた方がよいらしく、ピーナッツ号の持ち主であるピナちゃんが書く必要があるのだが、フィリピーナに日本語が書けるのだろうか?と心配そうな顔をして警察官が「奥様は日本語を書けますか?」とピナちゃんに訪ねていたが、ピナちゃんは公文で勉学に励んでおられるので、フィリピーナでありながら簡単な漢字は完ぺきに書けるのである。

それだけではなく名前はもちろんだが住所や料理本に出てくる漢字は、公文で習っていない難しい漢字でも読めるし、ある程度書く事もできるのである。

 

「ハイ!! ダイジョブデス(`・ω・´)」と、警察官が怖くないと分かり緊張がほぐれたピナちゃんは、「日ごろ成果を見せてやるぜ」といったキリリとした表情で返事をしていたが、残念ながら住宅ローンの関係で住民票を購入した物件に移しているので、盗難届に記入する住所はピナちゃんが書ける住所ではなかった(涙)

「ここに書いてある住所を書いてね」と保険証を渡すと、ピナちゃんは日付・名前・住所を苦戦しながらも書ききった。

さすがである。

 

そしてピナちゃんはこの日最大の山場を迎える。ピナちゃんの前に立ちふさがったのは職業欄である。

警察官から”無職”と書くように言われるが、ピナちゃんは無職という言葉も知らないし、かろうじて”無”は「無くなるって意味の漢字だよ」と助け船を出すと、公文で習った漢字なので書く事はできたが、”職”は来日4年目のフィリピーナにはハードルが高い。

このレベルの漢字は難しいと察した警察官の方が、「これを見て書いてください」と紙に大きな字で”職”と書いてピナちゃんに手渡してくれたが、相変わらずペンは止まったままだった。

 

・・・(‘A`)

警「ゆっくりでいいから書いてみましょうか」

・・・(‘A`)

警「ち・・ちょっとこの漢字は難しいかな(汗)」

 

・・・書き順は何デスカ(´・ω・`)?

 

そこなの!?

 

私「書き順は後で教えてあげるから、今は何となく書いてね(汗)」

ピ「先生が書き順は正しいじゃないと駄目ダッテ(´・ω・`)」

このような状況に置かれていても書き順を大切にする公文の教えを守ろうとするとは、何と優秀な生徒だろうか・・・

 

合っているかは分からないが適当な書き順を教えて盗難届を無事に書き上げると、警察官から質問があった。

盗難された自転車を今の状態だといくらで買いますか?

えっ?何その質問。

 

本音で言えばピナちゃんの思い出の詰まった自転車なのでプライスレスである。

この質問の意図は犯人を捕まえた時に自転車が全損になっていた場合の賠償額なのだろうか?そうだとすれば減価償却を行う必要があるのだが、自転車の法定耐用年数が何年なのか不明である。

もしかすると防犯登録カードに書いてあるのかと思い確認すると、耐用年数は書かれていなかったが、自転車種別に普通車やスポーツ車の種別がされていて、ピーナッツ号は”軽快車”という謎のカテゴリに丸が付けられていた。

 

これはおそらく車でいうところの軽自動車である。

しかし自転車は車よりも長持ちする気がするので、耐用年数は軽自動車の2倍に設定し8年とした。

ピーナッツ号を購入してからすでに三年が経過しているので残りの償却期間は5年となる。

これが本当に賠償金額であれば減価償却は定率法よりも定額法で計算した方が有利になるので、せこい私は定額法で計算しようと警察官に聞いてみた。

 

私「計算方法は定額法で計算してもいいのでしょうか?」

警「難しく考えずに何となくでいいですよ。」

気持ちの問題だと!?

 

私の気持ち一つで価格を決めてよいのであれば、「ピーナッツ号は現在生産中止となっている大変希少価値の高い車体なので、プレミア価格が上乗せされて10万円だ」と言いたかったが、気の小さい私は「5,000円です(´・ω・`)」と告げ、盗難届が受理されたので警察署を後にしたのである(涙)

届けを出してから1週間が経過しても連絡はこないが、いつかひょっこりと返ってきてほしい。

 

ピーナッツ号盗難事件最初の記事

割引品を購入するためスーパーマーケットを巡回しているピナちゃんから電話があった。お値打ち品の発見報告だと思い電話に出ると、元気の無い声で「自転車はどこデスカ(´・ω・`)?」と、遠く離れた場所で仕事をしていて知っている分けがない私[…]

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