サラリーが少ないから出来ないのではない。手元にお金があるのに使わないのが我慢できないのだ。
日本では「一銭を笑う者は一銭に泣く」という、誰もが知っていることわざがある。
少ないお金でも大切にしないといけませんよ。そんな意味だ。
しかしフィリピンでは
「Aanhin pa ang damo, kung patay na ang kabayo. - 死んだ馬には草はいらない」
必要な時に助けないと意味がないよ。という教えを、「死んだらお金は持っていけない」という解釈で理解しているフィリピン人が多い。
だから給料が入るとすぐに全額使い次の給与の支給日までは誰かに借りてしのぐ、フィリピン人は宵越しの金は持たない豪快な江戸っ子タイプが多い。
その豪快な国民性のため前借りを連発する事となり、フィリピンでは大半の会社が給料を月に2回に分けて支給するのである。
貯金をすることが最善だとは思わないけれど、決まった収入の中で資産を増やさない物への浪費は、計画的に行わなければ、延々とお金に困り続けることになる。
だけどフィリピン人は貯金がではないわけではない。
温暖な気候のフィリピンは外で眠っても襲われることはあっても凍死することもなく、また助け合いの精神が強いお国柄や周りもたいして貯金をしていないため、少々お金がなくても日本人とは危機感が異なるのである。
貯金できないのは幼い頃からの教育や環境のためで、お金の使い方や大切さを学べば、あったらあるだけ使うような事はなくなる。
ピナちゃんの事例
日本に住み始めた当初、ピナちゃんも計画的にお金を使う事ができなかった。
食費として1ヶ月6万円を渡すと、1週間後には「太郎、もうお金ナイデス。食べ物のお金クダサイ。」と平気な顔で言ってくる。
大量に買い込まれた食材は2人では食べきれず、当然腐らせる事になる。
私はピナちゃんに、1ヵ月分の食費として渡したのに何で1週間で使いきったのか質問し、計画的にお金を使う事の大切さを話した。
最初は1週単位で食費を渡すことで難易度を下げ、2週間・1ヶ月と徐々に伸ばしていった。
すると数ヵ月後には1ヶ月の食費を計画的に運用する事ができるようになった。
ピ「イェヘーイ(´∀`*)デキマシタ!」とても嬉しそうである(笑)
余ったお金は翌月に繰り越すのではなく、ピナちゃんが管理して貯金しておくよう話をした。
しかし翌日「イツモアリガトゴザイマス(*´Д`*)」と、余ったお金でゴルフのグローブを買ってくれたので、やはりどこかで江戸っ子魂が騒ぐのだろう。
現在、食費の剰余金はブタの貯金箱へ、私が買い物をして余った小銭はアヒルの貯金箱へと入れることで、ピナちゃんのフィナンシャルリテラシーの勉強は続いている。