この記事はフィリピン人にプロポーズをするために婚約指輪を買った話の続きです。
フィリピーナの恋人ピナちゃんにプロポーズをするため、無事に婚約指輪は入手できたものの、中々「結婚しよう」と言い出せずにいた。
誰に言われたわけでもなく勝手にハードルを上げているのだけど、片膝をついてパカリと指輪のケースを開けるのが恥ずかしいのだ。
やはりプロポーズとなると、それなりのムードのある場所が望ましいと考えていたので、どうしても他人の目に留まってしまう。
公衆の面前でのパカリはベッカムばりの男前ならば絵面も良いのだろうが、ゴリラ顔がそのようなキザな振る舞いをしてしまうと、美人飼育員に餌をもらっていると誤解をされそうだ。
そもそもプロポーズをするにしても言語の問題がある。
恋人が外国人だと、どちらの国の言語でプロポーズするべきなのか迷うのだ。
フィリピン人と間違えられることがあるとは言っても、生粋の日本人である私が「Will you marry me?(結婚してください)」なんて言うのは、顔から火が出そうなほど恥ずかしい。
そうは言ってもプロポーズはピナちゃんにとって思い出深いものにしたかったので、「これは羞恥プレイだ!俺は恥ずかしさが快感の変態なんだ!」と自分に言い聞かせ、英語でパカリをする決心をした。
いつでも勝負をかけられるように、一人の時にパカリの素振りを何度もしたし、常にカバンに婚約指輪を潜ませプロポーズのタイミングを計っていた。
しかしピナちゃんはお気に入りのスーパーと駐車場にばかり行きたがり、私が考えているような洒落た雰囲気の場所へ行く機会がないのである。
この時、すでに観光ビザを延長していて、ピナちゃんが日本に滞在できる日数は残り僅かとなっていた(汗)
このままでは駄目だと一計を案じ、私は日本の首都東京への旅行を企画した。
東京の洒落たレストランでプロポーズをしようと覚悟を決めたのだ。
雰囲気の良い洒落たレストランを調べて近くのホテルをとり、昼間は周辺をパトロールして時間を潰し、日も暮れてディナータイムが始まった頃、ドキドキしながらレストランへ向かった。
階段で店の有る地下へ降りると、それはもう私には似つかわしくない洗練された空間が広がっていた。
私「ピナちゃん!今日はここでディナーを食べよう!」
ピ「‥‥‥クワイ(´・ω・`)」訳:怖い
えぇ‥‥‥
ピナちゃんはレストランの圧倒的な雰囲気にしり込みしたのである(涙)
完全に計画が狂ってしまった。
仕方がなく二人が好きな天丼てんやでディナーをすませてホテルへと戻った。
ピナちゃんの残りの滞在日数や婚姻の手続きの時間を考えると、すぐにでも婚姻の了解を得ない事には手遅れになりそうだ。
都会の喧騒に疲れたのか、熟睡中のピナちゃんの寝顔を見ながらそんな事を考えていると、寝ている間に婚約指輪をこっそりつけると起きた時に驚くのではないか?と思い浮かんだ。
そして驚いたタイミングで、渾身の「Will you marry me?」ではないだろうか!
‥‥‥ちょっと婚約指輪をつけてみようかな。
カバンから婚約指輪を取り出し、起こさないように細心の注意を払いながら、ピナちゃんの指に指輪をはめた。
後はピナちゃんが目を覚まして、指輪に気が付くのを何食わぬ顔をして待つだけであったが、朝まで無駄に時間があるので様々な考えが頭をよぎる。
これだとパカリができないし手ぶらでプロポーズする事になるな。
花でも買って隠しておけば良かったな。
全然考えてなかったけど、断られたらどうすんの?
そして、いつの間にか‥‥‥
寝てた(滝汗)
目を覚ましたピナちゃんが指輪に気が付いて、「アイ‥アイ‥(´・ω・`)」と困惑している声で目を覚ましたのだ。
寝起きのボーっとした頭でも「これはやらかしたな」と理解した。
ピナちゃんは困惑した表情を浮かべて私を見ている。
これは何か言わないと‥‥‥
おい!結婚するぞ!
((((;゚Д゚))))
‥‥‥‥
‥‥‥‥
‥‥‥‥
ア、アコは太郎と結婚するデスカ(゚д゚)??
そうだよ!
本当にいいのカイ(゚д゚)?
もちろん。俺と結婚してくれるかい?
オオーン(ノω・、)
勢いよく飛び掛かられてなぜか鼻を噛まれた(驚)
その後、突然プロポーズをされて、驚いて泣いているピナちゃんを見ていると気が変わった。
私「ちょっと指輪を返してくれる?」
!?
ピ「気持ちが変わったのコトデスカ(´;ω;`)?」
私「いや、そうじゃなくて、一回返してくれる?」
ピ「結婚やめるデスカ(´;ω;`)」
何か誤解をしているようだが、しょんぼりとして指輪を私に手渡してきたので指輪をケースにおさめた。
パカリ
Will you marry me?
オオーン(ノω・、)
ピナちゃんはこの日2度目の号泣をして、私は2度目の鼻を噛まれる被害にあった(笑)