この記事はフィリピンから妻の親友が来日の続きです。
ピナちゃんの親友であるカトリーナ・旦那・義父の三名が日本へ到着した日、ピナちゃんは仕事中の私に頼ることなく空港へ迎えにいき、秘密基地(空きマンション)へ案内して、周辺の観光スポットを説明したり、最寄のスーパーやコンビニを教え、中々優秀な添乗員ぶりを発揮していた。
カトリーナ達は飛行機に疲れたので少し昼寝がしたいらしく、夕食を一緒に食べに行く約束をして別れたとピナちゃんから連絡があった。
久しぶりに親友と再会した事を嬉しそうに話すピナちゃんであるが、カトリーナ達が滞在する部屋は自宅から離れた繁華街にあるので、近くにある別の物件でピナちゃんは夜まで一人で待機しなければならず、とても不憫である(涙)
私はその日、品川で不動産屋と打ち合わせをしていたので、「ピナちゃんも暇なら来る?」と誘ってみたが、「(カトリーナ達が)起きたらすぐ行ってあげるデス(*´Д`*)お・も・て・な・し」と、いささか古い流行語が飛び出してくるほどカトリーナ達を気遣う様子が健気で、なるべく早く帰ってあげようと思い電車ではなく新幹線で帰ることを決意した。
仕事を早めに切り上げた私は、ピナちゃんとカトリーナ達に何かお土産を買おうと思い、品川駅構内の店を探索したが、同じ日本だというのに私が住んでいる地域と比べて見るもの全てが高く、当たり前のように千円を超える弁当ばかり売られていて物価の違いを痛感した。
この辺に住んでいる人達が他県へ出かけると、東南アジアの物価のように感じるのだろう。
それは日本へ旅行に来たカトリーナ達が実際に感じているであろう感覚で、フィリピンとは違う日本の物価に怯み欲しい物があっても躊躇するのではないかと思い、せめて私が品川に住むセレブレティ達が買っている食べ物をプレゼントしようと、日頃なら見向きもしないような洒落たケーキを断腸の思いで数点購入した。ついでに私とピナちゃん用にお手ごろ価格の天むすも購入した。
ピナちゃんと合流し天むすを食べながらカトリーナからの連絡を待つ事1時間、起床したカトリーナから連絡が入ったので、滞在しているマンションの下で待ち合わせをして夕食を食べに行く事になった。
マンションに着くとすでにカトリーナ達は外に出てまっており、初対面の私はあいさつをして「夜食にしてね」とお土産を渡すと、旦那さんもお土産を用意しており、その光景はフィリピン人とゴリラ顔の日本人が繁華街で如何わしい物々交換を行っているかのようであった。
カトリーナと旦那さんはラーメンを食べたいと言っていたので、私がここ数年行っているフィリピン人マーケティングの結果、フィリピン人は豚骨が好きだと言う答えにたどり着いた事もあり、お勧めの豚骨ラーメンの店へ連れて行こうとしたのだが義父の姿が見えないのである。
二人はレッツゴーと義父の存在が無かったかのようにラーメン屋へ行こうとするので、「お父さんはどうしたの?待たなくていいの?」と聞くと、先ほどコンビニで弁当を買って食べたので行かないとの事であった。
フリーダムすぎない?
ラーメンを注文して待つ間、日本暦の長いピナ先生によるラーメン講座が開かれていた。
講座内容は日本ではラーメンは音を立てて食べるのがスマートだといったディープな内容から、テーブルに置いてある漬物は無料だといった耳より情報まで網羅されている人気の講座である。
ピナ先生は「やってみろ」といった顔で口をタコのようにして、顔を上下させながら「スーッ!! スーッ(‘A`)!!」と、ドヤ顔でエアラーメンを食べるふりをしてみせると、フィリピン人二人も「スーッ!!スーッ(‘A`)!!」と、エアラーメンをすするふりをし始めた(汗)
この行動が楽しくなったのか3人は気でも狂ったかのようにエアラーメンをすすっているのだが、この奇妙な行動に気が付いた他のお客さんがチラチラと見てきて恥ずかしいのである(涙)
テーブル席のため私も仲間だという事は一目瞭然で穴があったら入りたい状況だった。
それでも音は遠慮気味に発せられており幾ばくかの配慮が見受けられ、絶好調のフィリピン人3名を注意するほどではない絶妙なラインなのでもどかしかった。
かくなるうえは無理だとは思うが他人のふりをしようと、他のお客さんのようにちょっと引き気味の顔で3人を見ていると、何を勘違いしたのか「さぁ、太郎も!」と、旦那さんが余計な気遣いをしてくれて、幼少の頃よりラーメンをすする文化に慣れ親しんでいて、練習する必要のない私も参加を余儀なくされたのである。
旦「太郎!やってみてくれ。」
私「俺もかい・・?」
旦「頼むよ!やってくれよ!」(懇願)
私「OK・・・(゚Д゚)スゥー!!!!」
旦「オゥ・・エクセレント(゚д゚;)」訳:素晴らしい
何がだよ(涙)
こうして羞恥プレイを受けさせられていると、注文していたラーメンが運ばれてきた。
日本のラーメンは来日したフィリピン人の多くが一度は病み付きになり、ラーメンばかり食べる時期があるほどフィリピン人の味覚とマッチしており、二人の反応を楽しみに眺めていると、先ほどの練習は何だったのかと思うほどチビチビと食べていた。
二人共猫舌なのである(涙)
そして二人を意識して良い所を見せようと思ったのか、勢いよく音を立ててラーメンを吸い込んだピナちゃんは咽て涙目になっており、あまりのカオスぶりに笑いを堪えるのが大変だった。
ラーメンを食べ終わり義父も待っているので、また明日会おうとカトリーナとピナちゃんは約束をして、マンションの前で別れたが、カトリーナ達に日本の洗礼を受けてもらおうと、別れ際に「日本のキャンディーだよ」と言って梅干を3つ渡しておいた。
【頂いたお土産】
フィリピン人の優しさに触れて、ありがたく食べていると、カトリーナ達が梅干により日本の洗礼を受けていた頃、私もフィリピンの洗礼を受ける事になる。
湿気にやられたのかカビが生えてる(涙)・・・・取って食べたけど。
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