この記事はピナ山家のクリスマス-前編の続きです。
クリスマスイブの朝、気持ち良く寝ていると腰に違和感を感じて目を覚ますと、ピナちゃんが仰向けで寝ている私の腰と布団の間に、何を思ったのか頭をグリグリと突っ込もうとしていた。
私「ちょ、ちょっと何してるの？（笑）」
ピ「・・・(ﾟдﾟ;)」
特に意味はないようである。
まだ10時位で仕事を休むつもりでいた私は二度寝をしようとした。
しかしピナちゃんがフルーツジュースを持ってきたり、冷え込むのでガウンを着るように促したり、耳元で「ﾒﾘｰｸﾘｽﾏｽ(*´Д｀*)」と囁いたり、とにかく私に起床してほしそうなので、ヨロヨロとリビングへ向かうと朝食が用意されていた。
前日の夜、Huluでプリズンブレイクを朝方まで見ていたというのにすごい体力である。
朝食を食べ終わると散歩に行こうと誘われて、外をブラブラと歩いただけなのだがピナちゃんはいつもの2割増しくらい上機嫌であった。
夕方までダラダラと一緒に過ごした後、ピナちゃんが夕食の準備に取り掛かるタイミングで、私はその間に予約をしているクリスマスケーキを受け取りに行く事にしたのだが、実はこの自然な流れの中ですでに今年のサプライズ計画は決行されていた。
私は何食わぬ顔で「ケーキ取ってくるね」とピナちゃんに伝え、ケーキ屋でケーキを受け取ると自宅へは帰らず途中で花を買いオフィスへと急いだ。
勘の鋭いピナちゃんにサプライズ計画を悟らせないため、プレゼントのコートとトナカイの衣装をこっそりとオフィスへ隠していたのである。
私の計画としては、家へ戻りドアの前でインターホンを鳴らしピナちゃんがドアを開ける。
すると目の前にはキュートなトナカイの衣装に身を包んだ私が、プレゼントと花とケーキを持って立っているという筋書きだが、この計画にはいくつか問題があった。
まずトナカイの衣装がフリーサイズであったため、私が着るとピタピタでキュートな感じが損なわれている事。
私の帰りを待ち侘びているピナちゃんは、駐車場やエレベーター前で待っている日があるので、オフィスから衣装を着て帰る必要がある事。それをご近所さんに目撃されると恥ずかしい事。
衣装の顔部分を顔出しタイプではなく覆面タイプの物を購入した為、山では猟師に熊と間違われて撃たれる可能性があり、市街地においては昨今の国際テロ情勢もあり公安に捕まりそうなのである。
ちなみにそのマスクがこれである。
私はリスクを最小限に抑えるため、マスクは自宅に着く直前に被る事にして、トナカイの衣装の上にダウンジャケットをはおり、車へプレゼント等を積み込み帰路についた。
自宅へ近づくと駐車場の手前でピナちゃんの待ち伏せを警戒しながらトナカイマスクを装着し、ダウンを脱ぎ捨て全身トナカイとなり駐車場へ向かった。
駐車場にピナちゃんはいないようなので、ご近所さんに出会わないようにコソコソとマンションへ入りエレベーターを待っていた。
エレベーターが1階へ降りてくるのを待っている時にホールにある鏡に目をやると、そこにはキュートなトナカイではなくマスクを被った変質者がうつっていて、もし若い女性が乗っていたら事案発生となってしまうのではないか？とか、お年寄りが乗っていたら驚いてポックリ逝ってしまうのではないかと考えてしまい、暑くもないのに変な汗が出たが幸いにも誰も乗っていなかったので胸を撫で下ろした。
こんなにも問題を抱えたサプライズプランを難なくこなしてしまう自分に身震いをしながら、玄関の覗き穴の死角に入りインターホンを鳴らしピナちゃんを待ち構えた。
ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ♪
ピ「ﾊｲ、誰ﾃﾞｽｶ?」
私「ピナちゃん帰ったよ。ドアを開けてくれる？」
ピ「ﾊｰｲ♪ ﾁｮﾄ待ってﾈ(*´Д｀*)」
いよいよサプライズ決行である。
ｶﾞﾁｬﾘ
ﾒﾘｰｸﾘｽ……
(((( ;ﾟдﾟ)))!?
(((( ;ﾟдﾟ)))!?
ドアを開くと、そこにはセクシーサンタの衣装に身を包んだピナちゃんがいた（驚）
まさかのサプライズ返しに顔を見合わせて固まり、同じ事を考えていたのが可笑しくて笑ってしまい、結局プレゼントを渡すのもグダグダになったのだが、コートと花を受け取ったピナちゃんはとても喜んでくれたので、サプライズ成功という事にしたのである。
お返しにピナちゃんからダンスと美味しい料理を振舞われて時間を忘れるほど楽しいパーティーだったが、料理と一緒にワインを飲んでしまったので、お酒の飲めないピナちゃんはポテリと眠りについてしまい、クリスマスを迎える前にパーティーは終了となったのである。
サンタのピナちゃん
サンタにまとわり付かれるトナカイ
関係ないけどライトアップされて神秘的な太郎サボテンガーデン
来年のクリスマスもピナちゃんに喜んでもらいたい。
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