ピナちゃんがフィリピンへ3泊4日の里帰りをしていた。
「もう少しのんびりして日本へ戻れば?」と伝えたが、「一人はカワイソデス(´・ω・`)」と言い、頑なに短期での里帰りを希望するので、このような強行スケジュールとなってしまった。
私は一人暮らしが長かったので一人で過ごす事に何の問題もないが、ピナちゃんの瞳に映る私は銀幕のスターのようなイケメンなので、留守の間に他の女性が寄ってくるかもしれないという心配があったのかもしれない。
ブログを読まれている方はご存知だとは思うが、実際の私はバナナの似合うゴリラ顔である(涙)
今回のファミリーへのお土産は、チョコレートを中心に大部分は食べ物で構成されている。
その中でも今回の珍品は出発数日前にバブイ君(叔父さんの息子)の人生相談をSkypeで行っていた所、先日銀行主催のゴルフコンペの取りきり戦でまぐれで優勝した時のトロフィーが画面に映りこみ、なぜか気に入ってしまったのでバブイ君の名前を書いたペナントを付け足したトロフィーだろう。
歴代優勝者達もまさか自分達の名前の書かれたトロフィーが海を渡り、フィリピンに展示されるとは思っていないだろう。
クリスマスや誕生日などのイベントごとにピナちゃんの家族へ贈り物をしている。贈り物と言っても決して高価な物ではなくて、ダイソーやスーパーでお金のかからない物を選んで送っているのだが、物価の違うフィリピンに住む家族にとって、日頃は手にす[…]
今回の渡比の工程で私達はある偉業を成し遂げようとしていた。
その偉業とは近頃バスや電車を華麗に乗りこなせるようになったピナちゃんのさらなる成長を願い、【空港まで一人で行けるようになったら、凄腕フィリピーナなんじゃないの!】のスローガンのもと、一人で空港へ行く事を計画していたのである。
この前人未到の偉業を成し遂げる為、数日間に渡りルートの確認やチケットの購入方法を勉強していたのだが、出発当日に最寄り駅まで車で送るととても不安そうな顔をしているのである。
ピ「迷子なるかもシレナイ(´・ω・`)」
私・・・・・・
ピ「エアポートで何スルデスカ(´・ω・`)?」
私・・・・・・
ピ「やっぱり一緒行キマショ(´・ω・`)?」
私「今さら何言ってんの?甘ったれんじゃねぇ(*`Д’)」
と思うわけもなく「ちょ、ちょっと待っててね」と大急ぎで駐車場へ車を停めに向かった。
ただし、これではピナちゃんの特訓にならないので一緒に空港まで付き添うが、この日の私は日本語が片言のフィリピン人設定である。
搭乗時刻に遅れるような大きな間違い以外は指摘しないので、全てピナちゃんが一人で判断して空港までいかなければならない。
なぜなら私は来日3ヶ月のフィリピーノだからである。
一緒に空港まで行ける事になったピナちゃんは途端に頼もしくなり、右も左も分からないフィリピーノ太郎に切符を買ってくれる姿を見ては「ベテランナー」と来日間もない思考で考えていた。
空港までの道中、乗り継ぎ駅が合っているか不安になったピナちゃんは、私に道順が書いてある手作りのメモを見せて確認してきた。
ピ「見てクダサイ。降りるはココデスカ(´・ω・`)?」
私「アヨコ(‘A`)」(訳:嫌です。)
ピ「何でΣ(゚д゚;)?」
私「アコ、フィリピーノヨ!! ジャパン、ファーストタイム ポ(‘A`)」(訳:私はフィリピン人ですよ。日本は初めてです。)
私「イカウがチョイスにシテ(‘A`)」(訳:あなたが決めてください。)
ピ「見てクダサイ。ココデスカ(`・ω・´)」グイー※尻をツネリながら
私「オ・・オポ(´;ω;`)」(訳:はい。そうです。)
10単語くらいしか知らないタガログ語を武器にノリノリでピノイプレイを楽しむ私に対して、暴力により乗り継ぎ駅を聞き出したピナちゃんは無事に空港へと辿りつきチェックインを済ませた。
時間に余裕があったので天丼で腹ごしらえをした後、ベンチに座ってフィリピンに着いたら空港のwifiを使ってまずは連絡をする事などを話していると、搭乗時刻が近づくにつれてピナちゃんは次第に元気が無くなってしまい、出国ゲートへ送り出そうとした時に泣きはじめたのである。
ピ「フィリピン行くのやめたいデス。・゚(゚`Д)゙」
((ええ!?))
ピ「太郎いない寂しいデス(´;ω;`)ウオーン」
私「いや・・チケット買っちゃったし、ファミリーも空港で待ってるよ(汗)」
ピ「オオーン。゚(゚´Д`゚)゜。」
たった数日の里帰りをまるで今生の別れのように泣いてすがるピナちゃんだったが半ば強引に送り出し、寂しがりやのピナちゃんがマニラでやっていけるのか心配しながらも、自宅へ戻りニノイアキノ空港からの連絡を待っていた。
ピリリリリ♪
私「もしもし、ピナちゃん!無事につい
ピ「イエヘーイ♪ 着きマシター(*´Д`*)オオーイ♪」
!?
先ほどの悲しそうな別れは何だったのだろうか?
電話の声からは寂しさを微塵も感じることができない、楽しげなピナちゃんがいた(笑)
しかし、この時ピナちゃんは知らなかった。
かつてラスト侍と恐れられた男が再び自由を手に入れて野に放たれたことを・・・
※ピナちゃんがマッサージをしようとプレッシャーをかけてきていますので、コメントへの返信は後日行います。