食料危機を回避するスラム街のソウルフード

今週のピナ山家は食糧危機に陥っていた。

その原因は週のはじめに奮発して高い肉を買ってしまった為に、ピナちゃんの運用している一週間の食費が週の後半で資金ショートを起こす可能性が高まったのである。

 

ピナちゃんは先週の繰越金で賄おうと考えていたが今週はバレンタインデーも控えており、通常の週よりも支出が膨らむ事を計算していなかった。

僅かな繰越金を使用しても株式会社ピナチクリンの経営破綻を回避する事は難しい状況に追い込まれていたのだ。

 

ピナちゃんは困った顔をしてヒヨコのがま口財布を覗き込みながら、何度も電卓をはじき資金繰りを考えているようであったが、週1万5千円の食費のうち1万円を初日の月曜日に使ってしまっては、食べ盛りの私の影響もあり、さすがに無理ではなかろうか?

日本人であれば「武士は食わねど高楊枝」という言葉もあるくらいで、食事を取れない時でも見栄を張って何事も無いように生活する事もできるが、フィリピン人のピナちゃんは一食抜くだけで見る見るうちに元気が無くなってしまうので、必ず料理は作らないといけないのである。

 

そこで㈱ピナチクリンのメインバンクである太郎銀行が経営を支えるために融資(外食)を申し出たのだが、先週デジタルカメラを買ってもらったピナちゃんは、これ以上お金を使わせるのは悪いと思ったのか融資を断ってきた。

ピナちゃんは変な所で意地を張るのである。

 

しかしピナちゃんが意地を張るのには理由があった。

この状況を回避する自信があるからである。

ピナ山家はこれまで幾度も食糧危機に陥りながらも、ピナちゃんの経営手腕により危機を回避してきた実績があるからだ。

 

それは年中お金が無い生活を強いられるスラム街暮らしで身に付けた、スラム街のソウルフードとも言える料理のお陰である。

来日したピナちゃんが唯一レシピを知っており作る事ができたこの料理は、炒めた茄子を潰してご飯に乗せるだけの簡単な物だがボリュームもあり低コストで作れるので、これまでも食糧危機の度に食卓に登場していた。

金玉を潰したような見た目から、我が家では「金玉なすび」と呼ばれているこの料理は、日本人の私向けに卵を加えてくれており、その見た目からは想像できない美味しさで、ポン酢や醤油をかけて食べるのが私のお気に入りである。

 

フィリピン料理-金玉なすび

金玉なすび

この「金玉なすび」や「そば」といった低コスト料理達の連日の活躍により、今回の食糧危機も無事に脱出したピナ山家であったが、切り詰めすぎたのか逆に少し食費が余ってしまったので、スラム街では滅多に食べる事ができない「金玉なすびデラックス」という、「金玉なすび」の上位互換に当たる料理を本日の昼にチョコレートと一緒に食べてきた。

 

フィリピン料理-金玉なすびデラックス

金玉なすびデラックス

金玉なすびデラックスは卵・茄子の他に様々な野菜やひき肉が混ぜ込まれた贅沢な一品だが、私はノーマルタイプの方が好きである。

皆様のご家庭でも食糧危機に直面したさいには、是非お試しいただきたい。

 

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