以前勤めていた会社の取引先に、フィリピーナに騙された経験のある山田さん(仮名)という方がいた。
私を大変可愛がってくれて、食事やフィリピンパブへ連れていってくれた頼れるオジさんである。
私がフィリピンから日本へ帰ってきて、ピナちゃんとの交際の話をした日、「一度や二度フィリピンへ行ったくらいで、フィリピーナを分かった気になったら駄目だぞ!」と、フィリピンで危険な目にあう事もなく、ピナちゃんと出会い浮かれていた私に釘を刺してくれた。
山「お前は日本人だし、小金も持っている。顔もブサイクなわけでもないし若い。言葉は悪いがお前の恋人は本当にお前の事が好きなのか冷静になれよ。」
私「今まで出会ったフィリピーナとは全く違うので、大丈夫だと思います。」
山「太郎、俺は変な意味で言ってるんじゃないぞ、お前が心配だから言ってんだ。貧しいフィリピーナは今の生活を抜け出す為なら何だってする。俺だって結婚した時は騙されてる事なんて全く気が付かなかったからな。」
山田さんはフィリピンパブのタレントとして来日していたフィリピーナに惚れ、プロポーズをした。
自分の妻がフィリピンパブで働くのは我慢できないと、プロモーターと話を付けペナルティとして百万円近く払い、フィリピーナに夜の仕事を辞めさせ、帰国してからも毎日連絡を取り合っていた。
貧しい家庭のフィリピーナの為に毎月仕送りを送り、数ヵ月後フィリピンで結婚をし、夫婦となった二人は配偶者ビザを取得して日本で 暮らしはじめた。
連休が取れる度にフィリピンへ渡ると、家族総出でもてなしてくれる 。
日本では考えられない歓迎ぶりに気をよくしたのか、定年後はフィリピンに移住しようという計画も持ち上がっていた。
こんなにフィリピンに行くのなら、ホテル代もかかるので家を買おうという話が出てきた。
二人がいない時は家族が使えばいい。山田さんは家をフィリピーナ名義で買った。※日本人名義で土地は買えない。
この時、長期のローンを組んで買えばよかったのだが、順風満帆に見えた結婚生活に安心していたのか、コツコツと貯めていた金で一括で購入してしまったのだ。
家が完成するとフィリピーナの態度が次第に変わり、フィリピンパブで働くと言いはじめた。
山田さんは十分な仕送りをしている。しかしそれでは足りないとフィリピーナは言い始めたのだ。
この頃からフィリピーナは家族の誕生日がある。洗礼式があると理由をつけて一人でフィリピンへ行きはじめた。
もしかして浮気でもしているのか?と、不安な気持ちがよぎったが、妻に限ってそんな事はないと考えないようにしていた。
しかし、ある日状況は一変する。
山田さんは結婚する前からフィリピーナに熱を上げており、渡比を繰り返していた。
その為、フィリピンにおける日本人のコミュニティの輪に入っていたようなのだ。
結婚後は妻を交えての交流もあり、フィリピンに多数の友人がいた。
その友人の中の一人から連絡が入る。
友「今フィリピンに来てるの?」
山「いや、日本だよ。」
友「そっか、奥さんも日本だよな?」
山「いや妻は家族の誕生日だからフィリピンに帰ってるよ。」
友「……お前の奥さんだと思うけど、男と寄り添って歩いてたぞ。あれは出来てると思う。」
山「え……」
信じられなかっただろうが、数日後に真実を確かめる為に山田さんは会社を休みフィリピンへ向かった。
山田さんが購入したフィリピンの家へ向かうと、そこには妻と家族、そして知らない男が住んでいたのである。
激怒した山田さんは妻を問い詰めたが、開き直った妻や家族に追い返された。
その後、恋人だけではなく、妻と恋人の間に大きな子供がいる事も発覚した。
山田さんとの結婚は最初から家族ぐるみで騙すつもりだったのだ。
家は妻名義の為、山田さんが売却する事もできず、泣く泣く日本へ帰り、妻とはそれ以来連絡も取れなくなった。
この話を聞いた時は衝撃を受けたが、フィリピン人と結婚した日本人の話としては珍しい事ではない。
このような苦い経験をした山田さんからの言葉だけに、結婚も視野に入れて交際をしていた私は考えざるを得なかった。
だが私は今と変わらず当時もピナちゃんにベタ惚れであった。
例え騙されていたとしても、短い期間だがピナちゃんからは既に一生分の愛情と幸せを貰っている。
残りの人生はピナちゃんから貰った愛情と幸せを返そうと決め、結婚を決意したのである。
前置きが長くなったが、その時に山田さんからこれだけは見ておけと勧められた映画がある。
私の知らなかったフィリピンの現実にショックを受けた。
本日は山田さんお勧めの映画に加えて、結婚後に私が見て心に響いたフィリピンが描かれている映画や書籍を紹介したいと思っている次第である。
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映画に興味はあるけどアフィリエイトが嫌いな方はgoogleで検索してご覧になって下さい。
山田さんお勧めの映画
山田さんに言われた日にレンタルビデオ店をはしごして借りた作品で、フィリピンは私の考えるよりも過酷な状況だと認識させてくれた名作である。
フィリピン人と将来結婚を考えているなら一度は見ておいた方がよい。
太郎お勧めの映画
ピナちゃんと一緒に見た作品。
主人公一家がスラム街に身を寄せるシーンで、思わず「大変だな……」と声を漏らすと、「屋根あるからダイジョブデス(´・ω・`)」と、スラム育ちのたくましさを再認識した作品。
主人公に感情移入してしまい、見終わった後でピナちゃんが一人で生きていけるか本気で心配した。
太郎お勧めの漫画
岩男は以前に社長からもちかけられた「フィリピン人との国際結婚」のことを思い出し、約300万円を費やし、フィリピン人のアイリーンと半ば自暴自棄に結婚を決めることとなる。
当然、昔気質の母・ツルがそれを受け入れるわけもなく猛反対し、アイリーンに対し嫌悪と激しい怒りを示す。まともに口を聞かないばかりか暴力を振るい、猟銃を向けるなど殺意すら顕わにする。
岩男は何とかアイリーンから好かれようと模索したり、ツルからも守ろうとはするが、女性の扱いに疎いためか、なかなかうまくいかない。また、ことあるごとに嫌がるアイリーンに性的関係を迫り続け、2人の気持ちも通じ合わない。 Wikipediaより引用
国際結婚斡旋会社を通してフィリピーナと結婚した話で、人間の醜さやフィリピン人への差別などが描かれ一気読みしてしまった。
アイリーンの天真爛漫さがピナちゃんと重なり、読んでいくうちに胸が苦しくなった。
以上が私のお勧め作品である。
フィリピン人と結婚を考えている人はもちろんだが、何か面白い漫画やDVDないかな?と探している方にも見てもらい、私の妻の故郷であるフィリピンを知ってもらえれば幸いです。
買わなくてもレンタルDVDや漫画喫茶にもあるので、頭の片隅に置いていてもらいたい。
ちなみに山田さんは現在セブ在住のフィリピーナと付き合っている(滝汗)