ピナ山家はセルフロックダウン中のため床屋へ行けず、私は俗に言う無造作ヘアとなっていた。
さらにマスクをして外出するのを良いことに、洒落た無精ヒゲをたくわえ、ビールを飲むたびに「一口目から旨さが違う」なんて口走り、気持ちはすっかり竹野内豊であった。
しかし現実とは残酷なもので、室内をフリチンで歩いている時、ふと鏡に目をやると、竹野内豊とは似ても似つかない髪を伸び散らかした原始人が映っていたのである(困惑)
現実を直視できない私は、『そんなわけはない』と気を取り直して筋トレルームへと向かったが、再び鏡を見るとダンベルが石器に見えてくる。
今にもマンモスと一戦交えそうな風貌を目の当たりにして、『筋トレしてる場合じゃないな‥‥‥』と現実を受け入れた。
自宅でセルフカットができれば良いのだろうけど、顔が商売道具の俳優業は髪型も重要である。
「私は上手に切れると思いマス(‘A`)」と謎の自信を見せるフィリピン人妻の言葉を遮り、床屋を営む友人に電話をかけた。
密になりそうな床屋において人との接触を避けるため、暇な時間を聞き出すと「お客さんいないから今から来いよ」と言うので床屋へ車を走らせた。
もしかすると、私は自分の評価に厳しいタイプで傍から見れば竹野内豊かもしれない。そんな淡い期待を胸に秘めて床屋のドアを開けたけれど、第一声は「敗戦兵みたいになってんな」であった(血涙)
客に対して何て失礼な物言いだろうか。竹野内豊をディスってんの?
「ジョニーデップみたいにしてくれ」と注文すると、「フッ」と鼻で笑って受け流され、白いマントを巻かれてバッサリと髪にハサミを入れてくる。
切り終わって鏡を見ると、いつものゴリラが鎮座していた。
私「どこがジョニーデップなんだよ!」
友「無理に決まってんだろ!こっちのが似合ってるよ!」
私「‥‥‥まぁ、悪くないね(//・ω・//)」
髭まで剃ってもらってサッパリした気分で自宅へ戻ると、私の帰宅を察知したピナちゃんが駐車場まで駆け下りてくる。
ピ「ポ・・・ポギ(゚д゚;)!!」訳:なんて男前なの!
ピ「ポギー(゚д゚;)!!」訳:男前過ぎて見惚れてしまうわ!
男前フィルターを装着しているピナちゃんは、私が散髪して帰ってくると毎度のことながら大騒ぎするのである。
こんなにもフィリピン人女性を虜にしてしまうとは、なんて罪作りなポギ(男前)なのだろう。
ピナちゃんは男前ぶりを後世に残そうと、iPhoneのカメラを向けて写真を撮ろうとしてくるが、素早くレンズを手でふさぎ「ごめんね。今日はプライベートだから。」と芸能人ぶって撮影を拒んだ。
しかしフィリピン人パパラッチは諦めない。
背後からこっそり近づいて写真を撮ろうとしたり、私が本を読んでいると遠くから狙ってくる。
だけど、その度に変な顔をしてベストショットを回避して、「事務所を通してください」と訳がわからない事を言うのである。
しばらくしてピナちゃんは私の隣に腰かけ、iPhoneを開いて今日の戦果を確認し始めた。
画面をフリックする度に変な顔をした写真が流れてくる。
ピ「コリにします(*´Д`*)セクシーデス!」
そう言うと、危ないお薬をやってそうな顔の写真をスマホの待ち受けに設定した(驚)
本当にそれでいいのかい?
策士策に溺れるとはこの事である。このまま射精直後みたいな顔の写真を待ち受けにされると、誰かに見られた時に誤解されかねない(汗)
私「もっと良い写真を撮ってはどうかな?」
ピ「いいのかい(・∀・)?」
私はキリリとした表情をしながら、メンズノンノのモデルのように視線を外してポーズをとり、フィリピン人カメラマンの気が済むまで写真を撮られた。
『全くポギ(男前)なのも困ったものだ』
撮影を終えて筋トレルームの鏡を見ると、そこにはポギ(男前)とは程遠いゴリラ顔のオッサンが映っていた(血涙)
先日の記事では大変ご心配をおかけいたしました。また多くの方からアドバイスや心温まる励ましの言葉を頂き大変嬉しく思います。ありがとうございます。 その後の妻の様子ですが、フィリピーナ特有の「悲しい事があっても[…]
先日ピナちゃんにお古のカメラをプレゼントした。投資物件を高く売却したり貸しやすくしたりするために、サイトに掲載する室内画像を少しでも広く見せようと、姑息にも高角レンズを装着して使用していた仕事用の一眼レフカメラである。[…]