スーパーへ買い物に行ったフィリピン人妻ピナちゃんが「キュートデス(・∀・)」と、用途を知らず穴の開いた痔の方がお使いになるクッションを買ってきた。
人一倍デリケートな尻を持つ私は、二枚重ねの柔らかいトイレットペーパーを使用する等、尻に気を使っているので痔ではないし、クッションみたいな尻をしているピナちゃんも痔ではない。
それなのに見た目に惹かれて、痔用のクッションを購入したのである。
痔のクッションが家にあると、誰かを家に招いた時に、見た目で判断されて私が痔だと思われるだろう。
「ピナちゃんが買ってきたんだ!俺は仮性包茎だけど痔じゃない!」と言い訳をしても、私の尻を案じてピナちゃんが買ってくれたのだと思われそうで、疑惑を払拭する自信がない。
もし本当に私が痔であるなら問題はないし、むしろ良い買い物だと言える。
「どうも痔主の地主です」なんて不動産ジョークでも飛ばして、穴あきクッションを愛用するのだけど、痔でもないのに「車の運転代ろうか?」なんて気遣われるのは嫌なのだ。
だけど、ピナちゃんが久しぶりに購入した私物である。
「それは尻にディスアドバンテージを抱える人が使うクッションだよ」と穴あきクッションを説明して、ケチをつける感じになるのは気が引ける。
できるなら「良い買い物をした」と思ってもらいつつ、本来の使用方法を知ってほしい。
そんな事を考えながら「洒落たクッションを買ったね!」と様子を見ていると、一向にクッションを尻に敷く気配が見られないのである。
手首に通してグルグル回してみたり、頭を突っ込んでマフラーにしたり、穴あきクッションが気に入っている事は伝わってくる。
しかし、「尻を守る」という本来の仕事とはかけ離れた使い方をされている。
このピリピン人は穴あきクッションを何だと思っているのだろうか?
そんな疑問は、その日の夜に解明された。
筋トレを終えてリビングへ戻ると、ポンデライオンのようになり歌って踊るピナちゃんを発見したのである(笑)
ポンデピーナを見て私は察した。
穴あきクッションを昼寝に取り入れることで、うつ伏せで眠る時に呼吸がしやすくなり、ライフワークである昼寝の品質向上を目的とした買い物だったのではないかと。
しかし予想は外れていた。
私に気が付いて照れ臭そうにしているピナちゃんに「昼寝用の枕にするの?」と聞くと、「違いマス。コリは太郎のデス(‘A`)」と言うのである。
「前にマッサージ行った時に顔の所、穴が開いてマシタ(・∀・)」
数年前にピナちゃんは月に一度マッサージに通っていたのだけど、施術するベッド?の顔の部分に穴が開いていたのを覚えていた。
スーパーで穴あきクッションを見つけたピナちゃんは「コリダ(‘A`)!!」と閃き、毎晩行われる私へのマッサージに取り入れ、お客様満足度を向上させたかったのである。
就寝前
ピ「どうデスカ?楽デスカ(`・ω・´)」シュピピピピ※マッサージ音
私「すごく楽だよ!」
ピ「オォーイ(*´Д`*)」※ご満悦
本当はクッションで首は締まるし、穴が大きすぎて顔が布団にめり込んでいるのだけど、ピナちゃんの好意を無駄にはできないので筋トレだと思って耐えている(笑)
私が仕事から帰ると毎晩ピナちゃんはマッサージをしてくれる。お礼に私もマッサージをしてあげようと、何度か挑戦したのだがくすぐったいらしく、1分と継続する事ができなかった。そこで私は考えた、プロなら上手い事マッサージするのではないだろうか[…]