この記事は台風で家の屋根が吹き飛ばされたピナちゃんファミリーの続きです。
先日のフィリピンを襲った台風グレンダによって、屋根が飛ばされ非難していたピナちゃんの家族。
屋根くらい大丈夫!と気楽な感じで構えていたが、叔父さんが家の状態を確認に行くと屋根だけではなく、壁やドアにも被害が出ており、直すのにいくらか纏まったお金が必要な状況になっていた。
多くのフィリピン人はその日暮らしの生活をしている為、突発的な支出が発生すると貯金がないので支払う事ができない。
そんな時は誰かから借りるのだが、今回の台風のように周りも被害を受けている場合は、皆お金が必要となり借りる事が困難になるのだ。
ピナちゃん家族の大半も貯金という概念はなく、手元にあるお金は全て使い切ってしまう。
サリサリストア・トライシクルを所有する、ピナちゃん一家の稼ぎ頭である叔父さんだけは貯金の必要性を認識しているが、度々親族に助けを求められ貯金は出来ていない。
家の修繕にいくら必要なのかピナちゃんに聞くように言っても、停電が続いているのか、電話もSkypeも繋がらなかった。
私「大変みたいだからHelpしてあげよう」
ピ「(´・ω・`)ウーン・・・・」
私「全額ではなくて足りない分だけでもHelpしてあげない?」
ピ「(‘A`)ウーン・・・・」
ピナちゃんがHelpを悩むのは理由があった。
ピナちゃんは日本で生活するようになり、貯金する事の大切さやお金の仕組みを学びファイナンシャルリテラシーを少しずつ持ち始めた。
以前ピナちゃんは仕事をしない一部のフィリピンの親戚からお金の無心をされていた。
ピナちゃんは日本とフィリピンの文化の違いを説明し、太郎に迷惑をかけるのは嫌だし、日本人は自分で頑張って稼ぐのが当然だから援助は出来ないと断っていた。
次第にお金を貯める事ができなければ、永遠にお金の無い生活が続き、突発的なアクシデントがあった場合に困る事を学び、家族に貯金の大切さを教えていたが理解はされなかった。
逆に「ピナは日本人と結婚したくせにケチだ!」こんな罵声を浴びせられる事もあった。
母親には毎月2万円の仕送りをしているが、母からも何かと理由をつけては増額の打診は行われた。
その度にピナちゃんは「何で毎月少しずつ貯金をしないの(´;ω;`)?何で全部使うの(´;ω;`)?」と話をしては、「何でお金があるのに我慢しなければいけないのヽ(#`Д´)ノ!!」と、その考えを受け入れる事ができない母と喧嘩をしていた。
ピナちゃんは今回の台風被害でも家族が困っているのは助けたいが、助けてしまうと「何かあればピナちゃんに頼れば大丈夫」という考えを家族が持ち、フィリピンの家族が現状の生活を続け成長しない事を懸念していたのだ。
だが今回は、家族の頼みの綱である叔父さんも台風被害に合い、助ける者がいない。
さすがにピナちゃんの家族を穴の開いた家に住まわせるわけにはいかないので、田舎にいるママに電話をしてママがHELPした形にすれば、ピナちゃんが援助した事は分からないし、家族も受け取り方が違うのではないかと提案した。
ピ「後でママとお話してみマス(´・ω・`)ゴメンナサイネ・・」
そして先ほど帰宅すると・・・
。・゚・(ノД`)タロウ!!
喧嘩したのかな・・?
(´;ω;`)私ハッピーデス! ママが貯金してマシタ!!
!! (゚∇゚ ;)本当に?
(´;ω;`)ハイ! ママ考えチェンジシマシタ!!
長い間のピナちゃんの説得が実り、ママが貯金文化をアクセプトしていたのだ!
受け入れたどころか貯まっていく喜びを知り、貯金が楽しいと言っている。
そして今回の台風により、ピナちゃんの話が正しかった事を痛感しピナちゃんはとても感謝されたみたいだった。
フィリピンでは年長者は家族の中で絶対的な権力と発言権を持っている。
長女であるママの考えが変化したことで、今後ピナちゃんの家族に貯金文化が根付くかもしれない。
私もピナちゃんもそれを願っている。