涙の味がした初めてのイタリアンレストラン

ピナちゃんが短期滞在ビザで来日した時に、色々な事を経験してもらおうと私は張り切って計画を立てていた。

遊園地・歴史遺産・ドライブ・温泉。どれもピナちゃんに今まで縁のなかった体験だ。
喜んでもらおうと張り切る私の思いとは裏腹に、イタリアンレストランで食事をしようとした時に、私が考えもしなかった事態となった。

レストランに入るだけで、ガチガチに緊張しているピナちゃん。
英語のメニューを見ても、料理の名前が分からない。
何を頼んで良いのか分からないピナちゃんに、私は定番のメニューを適当に頼んだ。

キレイに盛り付けられた料理が次々にテーブルへ運ばれてくる。
いつもレストランの外から眺めていただけだった場所にピナちゃんは座っている。

(゚д゚)ハァハァ・・これは夢ですか?

少し興奮気味にピナちゃんは言った。

温かいうちに食べてもらおうと料理を勧めても、何故かピナちゃんは料理に手をつけない。
何で食べないの?と聞くと、ポロリと涙を流して言った。

ピ「食べ方が分からないです(´;ω;`)」

食べ方が分からない?パスタや肉料理はフィリピンにもあるはずだけど・・・

ピ「手で食べてもいいですか(´;ω;`)?」

思い返してみると、フィリピンでは手とスプーンを使って食べてる所しか見た事がなかった。

ナイフとフォークは使えないの?と聞くと。
ピ「フォークは大丈夫です。でもナイフを使った事がありません(´;ω;`)」と泣き始めた。

日本人なら当たり前のように使えるナイフやフォークも、ピナちゃんにはハードルが高かったのだ。

しかも張り切って高級イタリアンを選んだばかりに、周りの客は優雅に食事をしている。

こんな事ならファミレスで慣らすべきだったと思ったが後の祭りだ。
「ゆっくり時間をかけて覚えていけばいいよ。」と話をして、その日は私が肉を切り分けてピナちゃんは覚束ない動きで食事を済ませた。

終始ピナちゃんは謝っていた。
ピ「太郎に恥ずかしい思いをさせてごめんなさい(´;ω;`)」

ピナちゃんが謝る事ではない。完全に私のチョイスが間違えていた。

ピナちゃんに合わせて私も手掴みで料理を食べようかとも思ったが、私達の事情で周りの客が楽しく食事をしている雰囲気を壊すのは良くないので止めておいた。

喜んでもらおうと思って高級イタリアンを選んだが、外国人とお付き合いするには相手の環境を考慮する必要があると痛感した日だった。

レストランを後にして歩きながら話をした。

ピ「太郎、今日はごめんなさい。上手に食べれませんでした。」

私「気にしなくていいよ。ピナちゃんテーブルマナーの勉強してみる?」

ピ「(*´Д`*)スルデス! タノシミナマントー!(楽しみだな~)

フィリピン人は立ち直りが早い。とたんに元気になった。
良く分からない動きで(踊ってる?)喜びを表現している。

帰り道にある本屋でテーブルマナーの本を買い、ピナちゃんの特訓が始まった。
ついでに左利きだったのを右利きに直した。

特訓のかいあって今ではとても優雅に食事ができるようになっている。
魚の食べるパーツの順番、味噌汁を取る時の作法、割り箸の割り方、日本人以上である。

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