注:深夜の変なテンションで書いたばかりに、いつも以上に長くなってしまいました。二回に分けようかとも思いまいましたが思い切って投下します(汗)
コメントでピナ山家で大ブームを巻き起こしている”ソムリエプレイ”が気になると言って頂けたので、このブームが皆様のご家庭にも広がる事を期待してソムリエプレイの詳細をご紹介したい。
ソムリエプレイはある一冊の漫画から始まった。
EbookJapanという漫画をタブレットやスマホで読めるサイトがあるのだけれど、このサイトは定期的に無料で読める漫画が入れ替わる素敵なシステムが採用されている。
その日も無料の漫画をチェックしていると、ワインの漫画が無料で掲載されていた。
ワインだけではなくお酒全般に言えることなのだが、30代も半ばになるのに全く酒に関しての知識がない私は、そろそろ大人の嗜みとして、ある程度はお酒について知っておいた方が良いのではないか?と考えていた時に、ピナ山家のブームの火付け役となる運命の漫画に出合ってしまった。
その本は”神の雫”という漫画で、幼いころからワインの英才教育を受けていた有名なワイン評論家の息子と、ソムリエの見習いの女性が中心となり話は進むのだが、ワインに関するウンチクすごいのである。もう止まらないのである。
外部Link:神の雫
その世界観は日頃から頂き物のワインしか飲まないし、フランス料理店などに行かない私には知らないことだらけで大変興味深い内容となっていた。
もしかするとエレガントな方々の集いでは当然の行動なのかもしれないが、庶民の私からすると登場人物の振舞いが現実離れした映画の世界のようだった。
話の冒頭で主人公が店員を「ソムリエール!」と呼ぶ。
ソムリエールである。
海外ならまだしも日本でそんな呼び方がスマートにできるのは、相当な知識と雰囲気のある方達だけではないだろうか。
美味しい料理を食べた後に「シェフを呼んでくれるかな?」とサラリと言えて、シェフと小粋な会話を楽しめる人達である。
それとも私が知らないだけでフランス料理屋ではごく当たり前の行動なのか、その辺りがよく分からないので、余計に気になり憧れに近い感情を抱いているのか格好良く見えてしまう。
確かにソムリエなのでソムリエールと呼ぶことは間違いではないのだけれど、とてもじゃないが知識も雰囲気もない私にはそんな洒落た呼び方は照れ臭くてできない。「すみません」とか「店員さん」と呼んでしまう。
そもそもソムリエールなんて声をかけてくる客は、ある程度のワインの知識があると当然ソムリエサイドも考えるだろうから、今の私の知識では例え勇気を出してソムリエールと呼んだとしても、後のテイスティングで知識の無さが露見してしまい、「こいつにはコンビニのワインで十分だ」と思われてしまうのも残念である。
いや経験豊富なソムリエールなら、そのような客にもそつなく対応をしてくれるのだろうけど、この漫画を読んだばかりに、求める所はソムリエールとの洗練されたやりとりと不相応に高くなっている。
日頃は恥も外聞もなく皮が余っているだとかセックス白帯だとか言っているのに、ことソムリエールに関して臆病なのは、働き始めて給料をもらった時に母親を連れていったレストランでの出来事が、未だに尾を引いているのかもしれない。
当時は今以上に高級な店で外食なんてできなかったが、一度くらいは母親に贅沢をさせてやろうと奮発して高級レストランへでかけた。本当は父親も連れて行きたかったが金が足りなかった(涙)
そこで私は人生で初めてソムリエと対峙した。
ワインなんて飲んだことがないくせに、母親に良い所を見せようと格好をつけて注文したばかりにソムリエールがワインを持って来たのである。
ソムリエはテイスティングがどうのこうのと言っていた。
今でこそテイスティングと聞けば、味見だったりワインの状態を確かめることだと分かるが、当時は初めて聞いたテイスティングと言う謎のワードに「日本語で喋れや」と思ったものだ。
母を見ても私と同様にソムリエールの言葉を理解できず、慣れない席で困惑しているようだったので「お…置いておいて下さい」と対応するのが精一杯だった。
背伸びをして場違いな所に来てしまったのが、とても恥ずかしかったのを覚えている。
あの時”神の雫”を発行されていないけれど読んでいれば、小粋な会話をソムリエと交わせたのかもしれない。
しかし改めてソムリエと洗練されたワイン談義をする自分を、ソムリエ側の立場になって想像すると、何だかカチンとくる。
ソムリエールも人である。
お客様に喜んでもらおうとお勧めのワインを提供し、テイスティングをお願いすると「おっ、この初夏の森になる果実のように甘美なフレーバーはブルゴーニュ産だね」等とドヤ顔でゴリラが話しかけてきたら、さすがのソムリエールもイラッとするだろう。
ソムリエサイドの気持ちを考えたばかりに、また同じような場面を向かえた時には、「大丈夫です」と一言伝えるのが私の限界だと気が付いた。
だが不相応だと分かっていても、誰しも一度くらいは「ソムリエール!」と格好良く呼んでみたいと思うのではないだろうか。
私は思い切り漫画の影響を受けてしまったので、正直呼んでみたい!
そこで、ある夜はわざとらしく頂き物のワインを食卓に並べて、思い切って「ソムリエール!」とピナちゃんを呼んでみたのである。
「こいつ急にどうしたんだ(゚д゚;)?」といった表情のピナちゃんであったが、そこは空気の読めるピリピーナなので、ソムリエぶって腕にタオルをかけて「ワインはコリでよろしいデスカ(‘A`)?」と聞いてきたので「20年物かい?」と適当な事を言うと、ピナちゃんは静かにうなずきグラスへワインを注いでくれた。
そして二人は調子に乗った。
ワイングラスを照明にかざして見つめ「サファイアのような色合い…これはまるでジュエリーのようだ」と呟き、少し香りを嗅いで「この鼻の奥に広がる香りは…造り手はプッチョリーノチョコビッチだね(適当)」と知ったかぶりをして、キリリとした視線をピナちゃんに送ると、あまりの似合わなさに吹き出してしまうのである(笑)
食卓にワインが登場するたびに漫画から得たうろ覚えの知識を披露し、その適当な知識や振舞いをピナちゃんも覚え始め、ワインを知っている人からすると失笑ものだが、ワインを全く知らない人が見ると「中々のワイン通やね」と思ってもらえるくらいには成長してしまった。
私「ソムリエール!!」
ピ「エラッシャマセ。本日はお決まりデスカ(`・ω・´)」
私「ソムリエール!あなたのお勧めのワインを頂こうかな」
ピ「ワカリマシタ。少々お待ちクダサイ(‘A`)」
ピ「コリをどうぞ(‘A`)」
クンクン、ゴクリ
私「なるほど確かに良いワインだ。このブドウの品種は明らかにブルゴーニュ地方のワインだね?」
ピ「いえソリは少し違います(‘A`)」
!?
私「お…おぉ…なるほど、第一アロマでは分からなかったが…これはコンティだ!ロマネ村のロマネコンティだね?」
ピ「いえソリも少し違います(‘A`)」
!?
私「ソムリエール!このワインは何かな?」
料理酒デス(´Д`*) エッエッエッ
文章にしてみると何かが違うなと思う気もしますが、実際にやってみると面白過ぎるので、もし機会がございましたらお試し下さい。
ちなみに私がソムリエールの教科書としている神の雫は1巻しか読んでいませんが、ウンチクの組み立て方や使い所を学ぶには十分過ぎる程の内容となっていますので、無料のタイミングを狙って一度目を通してみてください。
ワインが飲みたくなるばかりか、驚くほど「ソムリエール!」と呼びたい衝動に駆られてしまうと思います(・`ω・)b
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