私がマカオ旅行を楽しんでいる間、ピナちゃんは日本で留守番をしていた。
ピナちゃんが来日して初めて私と離れて過ごす1週間となり、何かトラブルがあった時は友人Kを頼るように伝え、Kにも妻に何か問題があれば力になって欲しいと頼んでいた。
私の気持ちを汲んでくれたKと奥様で妻の友人であるYちゃんは、1週間の間に時間があればピナちゃんを遊びに誘い、買い物をしたり食べ歩きに連れて行ってくれたようで大変感謝している。
私が帰国してピナちゃんが1週間の出来事を話してくれている中で、K夫妻の家へ招かれた時に気になる男性ができてしまった事を告げられた。
その男性はとにかく明るくピナちゃんの笑いのツボを抑えており、興奮気味に本当に面白い男の人なのだと説明してくるのである。
その男性はとにかく明るい安村と言うお笑い芸人の方で、Kが「すごく面白い日本のコメディアンだよ」と、録画していたテレビを見せてくれた事で夢中になってしまったのだ。
大変人気のある芸人さんのようでご存知の方は多いと思うが、一応知らない方の為に動画を載せておく。
この「安心してください。履いてますよ。」と言う、フィリピン人にも分かり易い芸風が、ピナちゃんのハートをがっちりとキャッチしてしまい、「太郎!太郎!安心して下サイ!履いてマスヨ(*´Д`*)」と真似をしては、お腹を抱えて笑い転げているのだ。
ピナちゃんが日本のお笑い芸人にはまり真似をするのは、日本エレキテル連合の「ダメよーダメダメ」というコント以来で、はまってから1週間は「ダミヨー ダミダミ(*´Д`*)」と所構わず言ってきて、あまりの可愛さに私を困らせていた。
さらに不味い事にこのコントは掛け合いである為、一緒に電車に乗っている時など耳元で「イイジャナイノー♪ イイジャナイノー(‘A`)」と小さな声で囁いてくるのである。
返事をして欲しいのは分かっていたが他の乗客もいる手前、ギリギリの所で笑いを堪えていたが、余りにも粘り強く言ってくるので吹き出してしまう前に終わらせようと小声で「ダメヨーダメダメ」と言うと、気を良くしたピナちゃんはさらに「イイジャナイノー イイジャナイノー(‘A`)」と追い討ちをかけてきて、東急東横線の中で咳き込みながら笑ってしまい、傍から見れば突然笑い始める危ない人のように思われた苦い過去がある。
再び芸人にはまったピナちゃんを見て「Kは何て事を教えてしまったんだ・・」と、また笑い苦しむ日々が始まるのかと思ったが、前回と違うのはピン芸人の為、自分で言って自分で笑う一人完結型なのである
((今回は飛び火してこないかもしれない))
そんな甘い考えは「太郎もトライにして下サイ(*;Д;*)」(※笑いすぎて泣いてる)と言う発言で脆くも崩れ去ったが、それ以前に家で全裸の私はパンツを履いていないので、「履いてますよ」のセリフに矛盾が生じるのである。
ピ「太郎!お願いシマス。トライにして下サイ(;Д; *)ハァハァ」
私「いや……でも俺パンツ履いてないから(困惑)」
ピ「プリーズ!! プリーズ(;Д; *)」
私「・・・・一回だけだよ(´・ω・`)」
安心してください。履いてませんよ(゚д゚)!!
(|| ゚Д゚)カハッ:∴
そんなに!?
笑いすぎて気管に空気が入ったのか、むせながら笑い転げるピナちゃんを見て、エレキテル連合の借りを返そうと
履いてませんよ(゚д゚)
履いてませんよ(゚д゚)
履いてませんよ(゚д゚)
と、怒涛の勢いで畳み掛けると笑い転げながら「もうストップにして下サイ(;Д; *)」と懇願されたので、今後仕返しされた時の事を考え許してあげたが、その日は私と目が合うだけで「履いてませんよ」と言われる気がしたピナちゃんは吹き出してしまい、ゴリラ顔を見られて笑われているようで少々複雑な思いをしたのである。