日本にもピナちゃんが怖がり近づこうとしない町がある。
一歩外へ出れば道端でドラッグに励まれたり、強盗で汗を流されたりしている住人のいる、フィリピンのスラムで育ったピナちゃんが、平和な日本で何を怖がるのだろうか?と不思議に思われるかもしれない。
しかもその街は治安が悪いわけでも嫌な思いをしたわけでもない。
それなのに何故ピナちゃんは怖がるのかというと、単にビビッているのである。
その街の正体は銀座
高級ブランド品店や高級レストランが軒を連ね、バルブの時代は銀座の土地の値段でアメリカ全土が買えると言われたほど、お金持ちの方々に愛される街である。
以前そんな話を銀座へ一緒に出掛けた時に話すと、マカティ(フィリピンの銀座)も苦手なピナちゃんは、銀座の街に圧倒されてしまい「私はここにいてダイジョブデスカ(´・ω・`)?」と、場違いな感じがしているのかソワソワしてしまう。
ピナちゃんがソワソワするのには理由がある。
フィリピンに住んでいた頃、デパートの宝石売り場や家具売り場にいるだけで、宝石を盗んだり家具を汚したりしたわけでもないのに、何かするだろうと疑われて追い出された経験があり、それがショックだったのか未だに一人でブランド品店には入れないし、ニトリなどの家具屋でもベッドに触れても大丈夫か私に確認をとってくる。
私も小さい頃にスーパーの中にある本屋でカセットテープの万引きを疑われて、無理やりポケットを調べられた事があり、それ以来その本屋の前を通る度に、尻を出したり威嚇したりして走って逃げていたので、子供ながらに悔しかったのだと思う。
ピナちゃんの場合は疑われたまま気持ちを消化することなく大人になったので、未だに苦手なのだろうか?と考えたりもするけれど、私も渋谷や新宿とはまた違う感じで銀座は落ち着かないので、私達はそういう性分なのかもしれない。
しかし昨日は銀座にある会社へ用事があって、出かけないといけなかった。
ピナちゃんに「ちょっと出かけてくる」と言うと、「どこに行きマスカ(‘A`)?」と聞いてきたので、「東京」と答えると、ものすごく付いてきたそうな顔でこちらを見ていたので、「一緒に行くかい?」と誘うと、「イクッ!!(*´Д`*)」と返事をしたかと思うと凄まじい速さで身支度を整えていた(笑)
電車に揺られながら、投資物件の決済日を目前に控えるピナちゃんの前祝と、内緒だけれど先日の絵本のお祝いをしようと思い、「せっかくだから物件購入のお祝いに外食しよう」と提案したところ「天ぷらが食べたい」との事だったので、洒落た天ぷら屋を調べながら銀座へ向かった。
「東京のどこに行きマスカ(`・ω・´)?」と聞いてくるピナちゃんに、素直に銀座へ行くと言ってしまうと怖気づく。
そこで目的地を把握されないように「ザギン(銀座)へ向かっている」と伝えると、「ザギンで天ぷら♪ザギンで天ぷら(*´Д`*)♪」と小声で歌いはじめ、昭和の業界人のようなピリピーナが誕生した。
そして銀座駅が近づく頃には、私が「ザギンで…」と言えば「天ぷらヽ(´Д`*)ノ 」と呼応するまでになり、山と言えば川のような合言葉みたいになっていた(笑)
しかし銀座駅へ電車が停まり席を立つと、ピナちゃんは「アイッ(‘A`)!?」と何かがおかしいことに気付いた。
「ザギンじゃアリマセン」と言ってくるピナちゃんに、「ザギンってのは銀座のことだよ」と真実を教えると、「銀座は危ないデス(´・ω・`)」と全然危なくはないのに言ってくるのである。
それでも用事もあるので地下から地上へ出て目的の会社へ向かったが、お堅い会社なので今回はピナちゃんを社内に同行させることは難しいため、「その辺で30分くらい時間を潰しておいて」と伝えると、「ここで待ってマス(`・ω・´)」と道の片隅に立ち尽くすのである(涙)
【テコでも動かないピリピーナ】
「大丈夫だからその辺のお店を見て周りなよ」と言っても、「ここでダイジョブ(´・ω・`)」とテコでも動きそうにないので、ピナちゃんが唯一銀座で落ち着ける場所へ連れて行った。
そのお店の名はルノアール。
チェーン展開している喫茶店で私達が住むエリアにも出店しており、煙草が吸えるので打ち合わせで利用する機会も多く、ピナちゃんも自分の縄張りのように思っていて安心できるお店なのである。
用事を済ませルノアールに放置プレイ中のピナちゃんを迎えに行き、天ぷらを食べに行こうかとなったのだが、まさか銀座で天ぷらを食べるとは思っていなかったピナちゃんは、私の財布を気にしてか外食を渋りはじめた(汗)
「金ならあるんやで」と、たいした金額は財布に入ってないくせに、悪代官のような説得を試みるも、ピナちゃんの意思は固く、先ほどまでの「ザギンで天ぷら」と浮かれて歌っていたのが嘘のように、外食反対派へと鞍替えしていた。
「アヨコアヨコ(´・ω・`)」と私の服を引っ張り先導し、地下鉄の駅へ連れて行こうとするピナちゃんだったが、すでに自分のいる場所を見失っており銀座で遭難しているような状態なので、あらぬ方向へと進んでいた(笑)
土地柄か道を歩けば洒落た飲食店が立ち並んでいて、お腹も空いているし適当に入ってしまおうかと思っていたが、私の行動を察したのかピナちゃんは私の服を離し、飲食店へ駆け込んだ。
そのお店は私が愛してやまない“天丼てんや”である。
てんやの出店していない地域の方に説明をすると、吉野家の天丼版のようなお店で、良心的な価格で美味しい天丼を食べることができるお店となっている。
銀座での食事は避けられないと判断し、機転の利くピナちゃんは”てんや”を見つけて「コリダ(‘A`)!!」と閃いたのだろう。
当初の目的である天ぷらもクリアしているので、切れ者のピリピーナである。
こうして無事に?ザギンで天ぷらを食べて、ピナちゃんの物件購入の前祝いと絵本のお祝いをすることができた。
最後にてんや豆知識として大量のトッピングを注文すると、潔く別皿で持ってくる店舗と、プライドなのか山のように盛り付けた天丼を持ってくる店舗があることをお伝えしたい。
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