結婚してから自宅で料理を食べるようになった。
ピナちゃんは料理を作るのが好きだし、私もピナちゃんの作る料理を食べるのが好きだからである。
ピナちゃんは高価なジュエリーやブランド品は欲しがらないけれど、キッチン用品を見ると目を輝かせるので、ピナ山家のキッチン用品は少しずつ充実していった。
本当なら結婚と同時にキッチン用品を新調すれば良いのだろうが、まだ使える物を捨てるのももったいないので、私が一人暮らしを始めてから購入した安物の道具を使い続けていたが、その道具も結婚してから登板回数が激増しガタがきはじめて、壊れた物は買い替えるようにしていた。
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しかしダイソーで購入したキッチンの主役とも言える包丁は、時折切れ味が悪くなるものの、ディスクグラインダーで研磨する荒療治のお陰で、ネギもまともに切れない状態から何度も不死鳥のごとくよみがえり、鍋やフライパンが次々と世代交代をする中で、100円でありながら値段以上のパフォーマンスを維持し続けていた。
Amazon:ディスクグラインダー
だが先日、長年第一線で活躍していた包丁に突然の引退勧告が行われた。
「まだまだ自分は現役でやれるっす!」と言っている気もするが、ディスクグラインダーで研磨され過ぎて、切れ味こそ鋭いものの体はもうボロボロで、誰の目から見ても限界を迎えていた。
引退を決定づけたのは一本の電話だった。
電話をかけてきたのは日頃から何かと世話になっている、リサイクルショップを営む高校の同級生からで、この友人には私の欲しいものリストを渡していて、リストの商品が入荷されると連絡をしてくれるのだが、今回の電話はリストに書いていた”良い感じの新品の包丁”が入荷されたとの知らせだった。
ダイソーの包丁を引退に追いやったのは、”関の包丁 濃州正宗作”という、名前からして名刀の香りが漂う一品で、通常だと1,000円前後の価格で販売されている高級な包丁が、「どの種類でも100円でいいよ」と、「お前の所の仕入れ値はいくらなんだよ!」と思わず言いたくなる価格だったので、「全ていただこうかな」と使い分けが分からないけれど金持ちぶって4種類購入した。
包丁を受け取り家へ持って帰ってピナちゃんに見せると、「ハッラー!!カクイイ(゚Д゚≡゚д゚)」と興奮しておられるようであったので、古い包丁を処分しようと新聞紙で刃を包んでいると、「捨てるはカワイソデス(´・ω・`)」と長年共にした包丁に愛着が沸いているのか、処分することを渋るのである(驚)
使わない物を溜め込んでゴミ屋敷になってはいけないので、「捨てないなら新しい包丁は返品するけどいいの?」と伝えると「ゴミの日はいつデスカネ(`・ω・´)?」と、くるりと手のひらを返して、ピナちゃんは率先して刃に新聞を巻き付けはじめた(涙)
洒落た包丁を手に入れたピナちゃんは、切れ味を確かめるべく一心不乱に玉ねぎをみじん切りにした。
しばらくして、ふと手を止めて「今日はお鍋デスノニ。玉ねぎドウシマスカ(´・ω・`)?」と我に返り、鍋とハンバーグという異色の組み合わせの夕飯となったが、私は切った玉ねぎを乗せていたダイソーで買った”まな板”を見て思ったのである。
高級な包丁には洒落たまな板が必要なのではないだろうか?と。
つづく
実は”【DIY】まな板が高額だから洒落たまな板を自作した”のタイトルを付けて記事を書いていましたが、いつものように前置きが長くなりすぎてしまいましたので、明日続きを書こうと思います(涙)