ピナ山ヒルズの1階に移転をした東南アジアの田舎を連想させる、手作り感満載の事務所で保険代理店の担当者と契約更新の話をしていると、夕飯の食材を買いに出かけていたピナちゃんから電話があった。
電話の向こうから聞こえる声は明らかに様子がおかしく、何かが起こったのだと悟った。
「ピナちゃんどうしたの?何があったの?」と問いかけても、呼吸も荒く声にならない声で何があったのかは理解ができなかったが、辛うじて聞き取れたのは私と少し話をしたいとの事だった。
只ならぬ様子からも何があったのか知りたかったので、「何があったのか」と質問を繰り返すばかりなのだが、ピナちゃんは「エッエッエッ(*;Д;*)ハヒー!!ハヒー!!」と笑うのを堪えきれず大爆笑しているのである(笑)
いったいどんな面白事件が起こったの?
途切れ途切れに話を聞いていても、相変わらずプフーッっと吹き出したり、笑いすぎて涙を流しているのが容易に想像できる状況で聞き取りは困難を極めたが、次第に話の内容が掴めてきた。
ピナちゃんがあんなにも笑っているのは、買い物中に愛する夫のある特技を思い出してしまったのである。
これを特技と言っても良いのかは分からないが、私は腰を上手い事動かすことでチ〇コをプロペラのように回せる。
それも手頃な短さが影響しているからなのか、そこそこ優秀な回転性能を誇り卵サイズ位の物に取り付ければ飛んでいくのではないかと思う速度が出る。
とは言え、これまでこの特技を実際に披露する機会も目にする機会もなく、もしかすると皆できて当然の技で特技とは呼べないのかもしれないが、中学生の時にはすでに習得していてプロペラ歴は30代にしてベテランの域に達しており、競技人口の少なさからも県大会レベルであれば入賞はできると思う。
昨夜、風呂から出ると先に風呂から出ていたピナちゃんが、音楽をかけて楽しそうに変な踊りを踊りながらキッチンを雑巾で磨いていて、何だか楽しそうであったため私の体も反応してしまい、つい音楽に合わせて私もプロペラを回してしまった。
リズムに乗りクルクルと円を描き高速回転するリトルボーイは、ピナちゃんの笑いのツボに入り、笑いすぎて涙を流し床に倒れこみ悶絶して「ヤミテヨー!!もうヤミテヨー(*;Д;*)ハヒー」とお願いしてきたが、ここぞとばかりに調子に乗ってプロペラを回し、飛行機が離陸準備をするかのようにジワリジワリとピナちゃんに近づくと、これ以上笑っては危ないと思ったのか、無謀にも勢いよく回転するプロペラに手を突っ込み回転を止めようとしてきた(驚)
スパっと指が切れたらどうするんだ!と思ったが、そんな硬度はないので呆気なく回転を止められ、そればかりか捻り上げられたので「ごめん。もう回さないから(懇願)」と謝罪して許してもらった(汗)
ピナちゃんはそんな事を運悪く買い物中に思い出してしまい、思い出し笑いでは済まないレベルで笑いが込み上げてきて、周囲の買い物客からすれば突然一人で笑い始める危ないフィリピーナだと思うだろう。
そう危惧したピナちゃんは、夫との会話を楽しむ途中で笑ってしまった事にしようと、笑いが収まるまで電話で話をしていてほしいとお願いしてきたのである。
しかし昨夜リトルボーイを捻り上げられ危険にさらしたばかりだが、懲りない私ははいっ!タケコプタ~(´Д`)(ドラえもん風)とピナちゃんの好きなドラえもんの声真似をしてプロペラを連想させると、「(|| ゚Д゚)カハッ」とピナちゃんが再び笑い始めたのを確認して電話を切った。
代理店の担当者から「ドラえもんに全く似てないですね」と言われたのは心外であるが、私の心は「やってやったぜ!」という、ピナちゃんから笑いを取った達成感とも充実感ともとれる気持ちで一杯であった。
その後、帰ってきたピナちゃんに尻をつねられた(涙)