無事に希望金利に近い所で住宅ローンの審査も通り決済も終わったので、先週からビル一棟全面リフォームを行うため様々な業者との打ち合わせが始まっている。
ピナちゃんは物件の改装で何か手伝えることはないかと言ってきたが、私やピナちゃんができるような作業はしばらく先の話で、今のところはリフォームプランを一緒に考えるくらいだったが、近頃は私が早朝から出かける事が多かったためピナちゃんと過ごせる時間が減っていて、二人の時間を作るため少しでもいいから私の仕事を手伝いたいとお願いされていた。
一年の大半は暇を持て余しているのに、こんな時期に限って色々と仕事や友人関係の相談事が重なり珍しく多忙なのである。
リフォーム会社に丸投げすれば全ての手配をリフォーム会社がしてくれて楽なのであるが、その対価として腰が抜けるような金額を請求をされてしまう。
その為、間取りや改装プランを自ら考え、施工してくれる職人も個人的に繋がっている業者を選定し、さらに風呂やキッチンはもちろん、タイルや壁紙も安い業者から仕入れて支給する事で費用を抑えている。
ただしこの方法だと金額はかなり抑える事ができるが、時間はかかるし管理が面倒なのである(涙)
ピナちゃんが心配するように私もこの忙しすぎる状態は改善しないといけないと考えながらも、まだピナちゃんが手伝える事はないだろうと当てにしていなかったが、改めて私の仕事内容を考えてみると実はたいしたことをしていなくて、ピナちゃんなら大半はできる事に気が付いた(涙)
こうしてピナちゃんは現場監督に任命されたのである。
現場監督の初仕事は、私が別の仕事をしている間に物件を訪れる土地家屋調査士やガス屋が来た時に鍵を開ける事だったが、私が物件へ行く必要がなくなり移動の時間が節約できてとても助かった。
私「ピナちゃん助かったよ。明日は解体業者の下見があるから俺が行くからね。」
ピ「私が行きマス(`・ω・´)」
私「どこを壊すか分からないでしょ?」
ピ「ダイジョブ(`・ω・´)」
どこからそんな自信が沸いてくるのだろうかと思っていると、ピナちゃんは建物の図面を広げて解体する壁を的確に指さした。
ピ「ここはエラナイ。ここはブロウケンしたらダミ。ここはエラナイ、エラナイ(‘A`)σピッ、ピッ」
(((;゚Д゚)))嘘でしょ?何で分かるの!?
ピ「太郎が教えてくれマシタデショ(´・ω・`)」
何度も二人で物件へ出向き「この壁はいらないけど、ここは残す」などと、ピナちゃんは理解できないかもしれないけれど二人の家なので説明はしておこうと、リフォーム後の図面を見せながら毎回話していたのを全て覚えていたのである(衝撃)
地図が読めないのに図面は理解するピナちゃんには驚かされるが、私の考えを良い意味で裏切るまさかの敏腕現場監督ぶりを見て、翌日の解体業者との打ち合わせをお任せすることにしたが、一つだけ心配な事があった。
この解体屋を経営しているのは私の小学校からの親友で、豪快で男前な性格に加えて面倒見も良く優しいので、互いに何か問題があった時は相談する間柄なのだが、職業柄か刑務所や鑑別所あがりの人達や、やんちゃくれの若者を雇用して束ねないといけないので、言葉使いはもちろん人相も悪すぎるのである。
さらに中高と柔道の重量級で活躍していた体は、解体作業でさらに鍛えられたのか30を過ぎても衰える事を知らず、街ですれ違っても知り合いでなければ見てはいけない人のような威圧感があるのだ(涙)
そんな男を前にして小心者のピナちゃんが会話できるのだろうか・・・
一応友人には「明日は現地に小心者の妻が行くので、怖がらせないようにヒヨコのワッペンでも服に付けてこい」と言ったが、「そんな物は持ってない」というので洒落た格好で来るように伝えた。
翌日の朝、現地で友人と落ち合ったピナちゃんから電話がかかってきたので電話に出ると、ピナちゃんはすでに友人と打ち解けているようであった。
怖がらせないように気を使ってくれたのか、奥さんが何年も前に購入してくれたが似合わないので着ていなかったという、ピタピタのギンガムチェックのシャツを着ていて、「顔は怖いけど優しいデス(*´Д`*)」とピナちゃんが言っていたので、友人は上手い事やってくれたのである。
打ち合わせが終わると友人が電話をしてきて、ピナちゃんから言われた解体箇所に間違いはないか確認をしてきたが完ぺきであった。
さらに「お前の奥さん変な日本語知りすぎだろ」と驚いていたので、何か変な事でも言ってしまったのかと詳細を確認すると、「ここには1616サイズのユニットバスを置きマス(‘A`)」と、日本人でも知らないような言葉を巧みに使っていた事が分かった(笑)
最近物件の近くにあるTOTOとLIXILのショールームに足繁く通っている成果が出たのである。
※ピナちゃんが部屋を覗いていますので、コメントへの返信は後日行います。