最近ピナちゃんが中々家に帰ってこない。
私が仕事から早く帰宅しても家にいないのである。
原因はマイホームを購入するために住宅ローンを組んだ時に発行された、不動産購入申込書をうかつにもカバンに入れていて、食べ物は無いかとカバンをチェックしたピナちゃんが、用紙に記載されている金額を見てしまい、こんな金額は払えないと思ったようで窮地に陥ったピナ山家の家計を心配している。
問題なく払える金額だと説明したが、最近ボロ物件ばかり見ていて容赦ない指値を繰り返していたので相場観が狂い、ピナちゃんは物件価格をかなり低く見積もるようになっている。
今回のマイホーム物件も中々のボロ物件であるが、収益不動産のように容赦のない指値を入れなかった事に加えて場所が良いので土地値が高く、自宅周辺以外の土地勘がないピナちゃんには受け入れがたいのだろう。
用紙を見た翌日に、ピナちゃんは自分の預金通帳を持ってきて「これを使ってクダサイ(´・ω・`)」?と、なけなしの貯金を差し出そうとしてきた。
「このお金は将来困った時に使うから、ピナちゃんがキープしててね」と言うと納得したようだったが、私がお金を受け取らないなら支出を減らそうと考えたのか、近頃スーパーで半額の商品しか買わなくなったのである(涙)
そればかりか食費とは別に渡してあるお肉手当(※私が夜間に突然お腹が空いた時に焼いて食べる緊急用の肉代)も食費から賄うと言い始めた。
ピナちゃんの生活圏にはいくつかのスーパーがあるのだが、ピナちゃんは各スーパーの値引きが開始される時間を把握していて、お目当ての品物が値引きされるまで売り場の片隅で待機して、売り切れたり半額にならなかった場合は他のスーパーへ移動するので帰宅が遅くなってしまう。
移動する時間の価値を考えれば数百円のために無理をして半額商品を購入する必要はないが、家計を支えようと頑張っているピナちゃんに言い出すことができず、遅くなった日はスーパーまで迎えに行くことになる。
先日も土用の丑の日にウナギを買おうとピナちゃんは近所のスーパーに出かけたが、予算の兼ね合いからか「今回はウナギ辞めマス(´・ω・`)」と、とても悲しそうな声で電話をかけてきたので頼み込んで買ってもらった。
土用の丑の日を楽しみにしているピナちゃんが、ウナギを諦めようとするほどの覚悟を持って節約に取り組んだり、スーパーで合流した時に売り切れそうな食材を心配そうに見守っている姿を見ると、そろそろローンの仕組みについてじっくりと話す必要性を感じながらも、凄腕主婦のような行動をするピナちゃんが誇らしくもある。