牢獄のような日本での生活

  • 2015年4月23日
  • 日常
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日本に住むフィリピン人達の間には、独自のフィリピン人ネットワークが構築されている。

生まれ育った国を離れて異国で暮らすという特殊な環境の中で、同じ国籍を持つという事はそれだけで仲間意識が強くなるのだろう。

海外旅行中に日本人に会うと嬉しくなる気持ちも同様の理由からで、初めての海外旅行の飛行機の中で突然出入国シートを渡され、全く書き方が分からず心細い思いをしていた時に、近くに座っていた日本人に助けてもらった時は神様かと思ったほどである。

 

ピナちゃんは時々在日フィリピーナから悩み相談を受ける。

当初相談してくるのはピナちゃんと親しい間柄のフィリピーナからであったが、先日の記事で紹介したジェニーがSNSに「幸せな生活を送っている友達がいて私もそうなる事が目標だ」とピナちゃん自慢をしたり、教えてもらった料理の写真をアップロードした事がきっかけとなり、近頃は直接会った事がないジェニーの友人フィリピーナからもコンタクトが来るようになった。

主な相談内容は夫婦の問題か日本での生活についてで、まだ日本での生活について知らない事の方が多いピナちゃんであるが、相談されれば真面目な性格からか何とかしてあげようと、自分の分かる範囲で時には私にアドバイスを求めながらも相談に乗っていた。

 

相談を受ける中でピナちゃんが毎回決まって話をしていたのが「日本に住んでいるのだから、日本の文化や習慣を受け入れる努力をするべきだ」と言ったような事である。

これは漢字をはじめ日本語を学習する事を放棄してしまったり、家庭での料理はフィリピン料理が中心で日本の料理を作らないフィリピン人女性が多い為このようなアドバイスをしており、日本での生活をより豊かなものにするには、日本語や日本人のような生活習慣を身につける事は大切な事だとピナちゃんは知っているからだ。

 

日本で暮らす中で家庭や生活に問題を抱え、現状を打破しようとしているフィリピーナは素直にピナちゃんの教えを実行し、料理のレシピを共有したりピナちゃんお勧めの料理や漢字の本を購入して勉強をしており、ピナちゃんも関わった責任からか時折スーパーマーケットから送られてくる、レシピにある素材の名前が読めないなどのヘルプコールにも快く応対している。

ちなみに報告が本当であれば、この2ヶ月で4名のフィリピーナを公文へ送り込んでいる。すっかり公文の営業担当である(驚)

 

しかし中にはピナちゃんの考え方を快く思っていないフィリピーナもいて「日本人に媚びて生意気だ」と言った、心無い発言を会った事もないフィリピーナから浴びせられる事もあった。

中でもピナ山家の夫婦生活を揺るがしかねない問題へと発展しかけた言葉が、「あなたの生活は牢獄のようなものね!」発言であった。

 

これはピナちゃんの生活スケジュールを聞かれ、その大半が私に関する事であったのと、時々一緒に服を買いに行って選んでもらうのが楽しいと話した事で、「いつも夫と一緒で、夫がいないと服も買いに行けないなんて子供みたい。あなたの生活は牢獄のようなものね!」と言われてしまったのである。

ピナちゃんは私と過ごす時間を大切にしてくれているので出来る限り一緒にいてくれて、何をするにしても私の意見を尊重してくれるのだが、周りから見れば自分で物事を選択する事を許されない牢獄に入れられた囚人のような生活だと思われるのかもしれない。

ただ私も「ピナちゃんのやりたそうな事を予想して私がやりたいふりをして二人で楽しむ」という、ピナちゃんの性格を逆手に取った提案ばかりなので、ピナちゃんも楽しんでくれていると思う。多分……

 

そして昨日の朝、牢獄発言を気にしてか「今日は一人で服を買い物してきてマス(´・ω・`)」とピナちゃんが言ってきたのである。

ピナちゃんの服を一緒に選ぶのが好きな私は内心寂しくもあったが、来日当初の一人で買い物に行くとお年より向けのお店ばかり選んでいた頃と違い、日本で暮らす中で服に興味を持ち、たまには一人で私を気にする事なく買い物をしたいのだろうと思い、お小遣いを持たせて笑顔で見送った。

 

ピナちゃん専属コーディネーターを解雇された私であったが、一緒に買い物に行けない事を残念に思う反面、どんな服を買ってくるのか楽しみでもあった。

ピナちゃんのいない隙にHuluでウォーキングデットを見ていると(※ピナちゃんは怖い映画が見れない)、2時間もしないうちに帰ってきたのである……

 

私「早かったね?良い服が無かったの?」

ピ「・・・太郎と一緒じゃない楽しくないデス(´・ω・`)」

私「でも、たまには一人での買い物もリフレッシュになるんじゃない?」

ピ「ナリマセン(´・ω・`) 夫婦だからいつも一緒がいいディバ(´・ω・`)」

私「そうなんだ(笑)」※内心とても嬉しい。

 

再びピナちゃんの専属コーディネーターとして再雇用された私は胸を撫で下ろし、買ってきた服を「試着してみて」とお願いすると、自分の服ではなく私の服を買ってきてくれていたので、またまた嬉しくなった。

ただ着てみるとサイズが合わずピタピタで、それを見たピナちゃんは「オカマナマントー(´∀`*)(訳:オカマみたい)」と、自分が買って来た事を棚に上げて笑い転げていたので、クネクネとオカマっぽい動きでピナちゃんに近づき、笑い上戸のピナちゃんの腹筋を崩壊させて仕返しをしておいたのである。

 

今回の事で気の弱いピナちゃんは知らない人からのコンタクトを受けるのが嫌になり、Facebookを退会してしまったのだが、ピナちゃんを慕ってくれる数名のフィリピーナ達の生活がより良いものになる事を願っている。

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