ストーカーを捕獲しました。

※本日の記事はお店の業種などに多少のフェイクを入れております。

ピナちゃんが慕うジェシカという年上フィリピーナがいる。

ジェシカは私が信頼する数少ないフィリピン人女性の一人で、その人柄は穏やかで気立てが良く、嘘を付かないのでピナちゃんの良い見本となっている。

昼はホテルのベッドメイキングとスーパーのレジで働き、夜はフィリピンパブでアルバイトをしているが、最近では介護福祉士の資格を取るために寝る間を惜しんで勉強する努力家でもある。

 

そんな彼女が真夜中に元気の無い声で「相談したいことがあるんだけど」と電話をしてきたので、何か問題があったのだろうと思い話を聞くと、暴漢に襲われかけたようであった。

2週間ほど前からフィリピンパブの営業が終わり家へ帰っていると、後ろから男が付いてきていたので、気持ち悪く思ったジェシカは徒歩から自転車での通勤に切り替え毎日振り切っていたのだが、お客さんとのアフターで食事に行き、一度店に戻る為(お店の決まり)、暗い路地を歩いているとロープを持った男に追いかけられ襲われかけたようである。

 

暗いといっても路地を抜ければ人目もあるのだが、縛る気だったのだろうか?

幸いにも大声を出すと運良く近くを歩いていた人がいて、駆けつけてくれたお陰で暴漢は逃げていったのだが、お店のスタッフに言っても取り合ってもらえず、困りはてて私に連絡をしてきたのだ。

 

生活安全課へ相談するよう勧めたが、警察は信頼できないと言うジェシカに「日本の警察はフィリピンとは違うよ」と説明したが、昨今のストーカー殺人事件などを考えると警察の対応も少し心配になり、海外連続ドラマ24を風呂場に持ち込んだiPadで毎晩見ている私は、CTU日本支局の職員となり暴漢を捕まえる事にしたのである。

「ありがとう、ありがとう!」と、菅原文太のような男気にとても感謝している様子であったが、事前情報でジェシカから暴漢は痩せた中年の男性だと聞いたので「いける!」と思ったからである。私は弱そうな者にはめっぽう強いのである。

それに夜中であっても繁華街なので、仮に窮地に追いやられても私が悲鳴をあげれば誰か助けてくれるだろうと見越し、男気どころかこの上なく打算的に良い格好をしようとした提案であった。

 

翌日の夜、打ち合わせ通りアフターで指定の焼き肉屋へ出かけたジェシカは、道路を挟んだカフェバーに潜伏している私とピナちゃんに「本当に来てくれてる?」と連絡をしてきた。

しっかりと晩御飯は食べたが、ピナちゃんがお腹が空いたと言うので、1時間前には到着して二度目の夕食も済ませているというのに意外と信頼されていないようである(涙)

 

ピ「悪いの人いるデスカネ(‘A`)?」

私「どうだろうね?」

昨日の今日で、そんなに都合良く犯人は現れないだろうな・・と、窓から外の様子を伺っていると、いた(((( ;゚д゚)))

 

ピ「おかしい男の人いるデスヨΣ(゚д゚;)!」

焼き肉屋の前で仁王立ちをして店内を見つめるサラリーマン風の男性。犯人はこいつではなかろうか……

だが手ぶらでロープを持っていない。ロープは必須アイテムではないのだろうか?それとも只の酔っ払いで人違いだろうか・・・?

 

ピ「聞いてミマスカ(´・ω・`)?」

いや・・それは駄目だよ!

その男性は10分近く石のように固まり動かなかったが、その後ふらりと移動していった。

怪しすぎるじゃないか……

 

さらに数十分時間が経過した所で、ジェシカから「今から出るよ」と連絡が入った。

いよいよ作戦決行である。

 

ピナちゃんを店内に残しジェシカがお客さんと別れるのを見守って、店に戻るジェシカからかなりの距離をとって歩き始めた。

それは店までの最短ルートは複数ある為、犯人は待ち伏せスタイルではなく私と同様に尾行するはずなので、近くに私がいると姿を見せないと推測したからである。

 

ほどなくして店の影から先ほどの男性が姿を現しジェシカの様子を見ており、ジェシカが路地へ入ると男性が走り出したので私も慌てて後を追いかけた。

私の足音に気が付いたのか男性は立ち止まり何食わぬ顔で引き返してきたが、ジェシカの言う特徴と一致しており、先ほどからの挙動の怪しさを考えても恐らくこの男性がストーカーだろう。

 

人違いであれば土下座して謝ろうと思いながら、すれ違いざまに胸ぐらを掴み捕獲して、ジェシカを呼んで確認してもらうと予想通りストーカーであった。

自分の置かれた状況を理解したのか謝り続ける男性であったが、このまま返すわけにはいかないので、免許で住所を確認し、実家の電話番号を聞いてかけてもらい家族が出たのを確認してから警察に連れていったのである。

 

調書を取ったあと「裁判をするなら弁護士を紹介するよ」と伝えたが、人の良いジェシカは「もう関わらないなら許してあげようと思う」と言っていたので、近々示談が成立し不起訴になり釈放されるだろう。

多数の人が目にするブログなので詳細な情報は書かないが、男性は10年以上も前のジェシカのお客さんであった。

 

書いていて普段とは毛色の違う内容になってしまいましたので、最後は駆け足気味に大幅に内容を省略してしまいましたが、忘れた頃に暴挙に出る男性もいますので、女性の皆様はお気をつけください。

こっそり更新しておりましたがピナちゃんが起きてきたので、これまでのコメントへの返信は明日以降に致します。申し訳ありあません。

フィリピーナの心を掴む

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