失われ行く日本の伝統

明けましておめでとうございます。
またしても投稿する時期を逃してしまった感がありますが、本年もよろしくお願い致します。

日本の正月は穏やかな時間の流れを感じる。
四六時中、仕事や家事、勉強に励む日本人が束の間の休息をとっているからだろうか。

一方でフィリピンの正月は銃弾と爆竹が飛び交いとても激しい。
銃弾の流れ弾に当たったり、年々火力を増す爆竹により手を吹き飛ばされたり、死傷者が毎年出る勢いである。 

そんな日本では考えられない新年の迎えかたをするフィリピンで、小心者のピナちゃんは家の外に出る事ができなかったので、安心して外出できる日本の正月が好きなようだ。
 

私は外見とは裏腹に意外と綺麗好きであり、風呂が好きである。
年越しソバを食べた後は風呂へ入り、毎年カウントダウンは入浴しながら行う。

カウントダウンの10秒前から1秒ごとに腰を左右に振り、リトルボーイをペチッ!ペチッ!と太ももに打ち付ける事で、新年を迎える気持ちを高めるのである。

今年も例年通り、風呂に持ち込んだ時計の秒針に合わせてカウントダウンを行った。

10!ペチッ

9!ペチッ

8!ペチッ

7!ペチッ

6!ペチッ

アーイ(*´Д`*)

えっ!何?ちょっとやめて

リトルボーイが右へ左へ振り回されるのが面白かったのか、先ほどまで浴槽の中で大人しくしていたピナちゃんが、手を伸ばしてリトルボーイを捕まえようとしてくるのである。

突然の事であったが、元々短く捕まえにくいのとペチペチする速度に強弱をつける事で何とか交わしきったが、気が付けばカウントダウンは終了していた。私が子孫に語り継ごうと、ここ数年紡いできた伝統が途絶えた瞬間であった。

風呂から上がり、おせちを食べているとピナちゃんが雑煮を作ってくれた。
来日したてのピナちゃんは「この食べ物は毎年死者が出る危険な食べ物だ」と、お餅について話したことを真に受けて、しばらくは怖がって食べようとしなかったが、私がいつまで経っても死なない事から安心したのか、いつの間にか食べるようになっていた。

おせちと雑煮で腹も膨れたところで初詣に行こうという事になり、近所の人が少なそうな神社へピーナッツ号(自転車)で出かけた。
歩いていける距離なのだが、どうしてもピーナッツ号で行きたい理由がピナちゃんにはあったのだ。

鏡餅やしめ飾りを購入した時に、ついでにピーナッツ号の前カゴ部分につけるしめ飾りも購入し、付けてあげた所、「カクイイ.。゚+.(・∀・)゚+.゚(訳:カッコイイ)」と、えらく気に入ってしまったからである。
pina200
私が幼い頃はしめ飾りを付けている車をよく見かけていたが、いつの間にか見かけなくなった。
カウントダウンに合わせてペチペチする伝統と同じく途絶えたと思われた車へのしめ飾りだが、密かに受け継がれているのである。

ちょっと投稿する時期が遅くなったので、正月の話はこの辺りで終わっておこうと思います。
皆様の一年が実り多き年になるようお祈り申し上げます。