この記事はフィリピン妻と過ごすクリスマスイブの続きです。
クリスマスイブにピナちゃんとのプレゼント交換?を無事終えてクリスマス当日を迎え、私がまだ眠りに着いている明け方ピナちゃんは早起きをして料理を作っていた。
クリスマスはピナちゃんと祖母の希望で、祖父母の家で一緒にクリスマスパーティーを開催する事になっていたからである。
ピナちゃんは私の祖母が好きで、いつも気にかけてくれるのでありがたい。
フィリピン人のお年寄りを大切にする気持ちは国籍が違えど関係はないようだ。
そんな優しいピナちゃんと祖父母の関係に一つだけ気がかりな事があった。
祖母はピナちゃんの事を実の孫のように可愛がってくれているが、祖父は未だに私とピナちゃんの結婚を受け入れきれていないからである。
兄弟の中でも比較的時間に余裕のある私達は、部屋の掃除や様子を見に祖父母の家を訪ねて行くのだが、祖父はあまり交流を深めようとしていないのは明らかであった。
祖母からの情報でピナちゃんの優しい人柄などは知っているはずだが、長く生きてきた中で固まった「外国人との結婚は認めない」という価値観はそう簡単に変える事ができないのかもしれない。
しかしピナちゃんが祖父母の家を訪れるのを拒むわけでもなく、以前の猛反対していた頃よりは受容しているのも見て取れるので、後一息なのではないか?クリスマスパーティーを機に受けいれてもらいたいな・・。と、密かに考えていたのである。
クリスマスパーティー用の食事の準備は予定通り昼前に完了し、料理をタッパーへ詰めて祖父母の家へと向かった。予定時刻よりも少し早く到着したが祖母は寒空の中、外へ出て二人の到着を待ってくれていた。
ピ「おばあちゃーん(*´Д`*)」
ば「ピナちゃーん(*´Д`*)」
先日会ったばかりだと言うのに、生き別れの家族が再開したかのようなハグをしている・・。
家へ入ると祖父は寝た振り?をして寝室に閉じこもっていたが、クリスマスのパーティーをしようと少し強引に食卓へと連れ出し、久しぶりのピナちゃんとの対面となったのである。
ピナちゃんの作った食事と先日予約していたクリスマスケーキを食卓へ並べると、祖母も料理を準備していたようで、とても4人では食べきる事のできないボリュームの料理で食卓が埋まった。
これは・・食べきれないかもわからんね・・・
そんな中、この圧倒的な物量の食事を食べきるのに私が頼りにしていたピナちゃんが小声で囁いた。
ピ「太郎・・緊張して食べるできないデス(´・ω・`)」((小声))
!?
ば「ばぁちゃん食欲がないから、パスタを少しとケーキだけもらうね」
!?
女性二人は一生懸命に料理を作り、味見を繰り返すうちに満腹になってしまったのだろうか・・?
せっかく作ってくれた料理を残すのは男として避けなければ!
私は祖父にアイコンタクトを送った。
私((じいちゃん、二人で頑張ろう!))
じ「ワシ、酒飲むから食事いらない。」
伝わってない(((( ;゚д゚)))
こうしてクリスマスパーティーは開会したが、祖父とピナちゃんは緊張からか口数も少ない。
祖母も二人の様子を心配して変な空気である。
ピナちゃんは緊張しつつも甲斐甲斐しく私の皿に料理を取り分けてくれる。私は食べながらも話題を振るのであるが誰も食いついてこない。
誰も食事に手をつけないので一向に料理は減らず、私のお腹も満腹中枢をビンビンと刺激され限界が近づきつつあり、少し食べるペースが落ちてきた頃、祖父がピナちゃんの作った手羽先に手を伸ばした。
どんな反応が返ってくるのかその場の誰もが息をのんで見守っていたが、ノーコメントであった。
私「じいちゃん、どお?」
じ「何が?」
私「ピナちゃんが作ってくれた手羽先だよ?美味しい?」
じ「おう」
素っ気無く答える祖父に、まだ受け入れるつもりはないのか・・と、がっかりした。
その後、限界まで食べたが結構な量が余ってしまったので、持って帰ろうとピナちゃんと台所でタッパーに詰めていると、祖母が手伝いにきてくれた時に祖父が怒鳴った。
じ「余計な事をするな!!」
Σ((゚Д゚ノ)ノビクゥ!!
びっくりして固まるピナちゃん。泣きそうである。
耳が悪い祖母には大きな声を出さないと、離れた所にいると聞こえないので祖父は大きな声を出したのだが、ピナちゃんがいるのに、祖父といえど先ほどからの態度は容認できない。
私「じいちゃん、ピナちゃんは俺の妻だからね。ピナちゃんを軽視したような態度をするなら帰るよ。」
じ「帰りたかったら帰れ!!」
酒も入り酔っ払い気味の祖父の言葉に、これ以上滞在しても関係を悪化させるかもしれないと、ピナちゃんに帰り支度をするように伝えた。
しょんぼりした顔の祖母に見送られ玄関で靴を履いていると、祖父が現れた。
じ「ピナちゃん!!」
ピ「Σ((゚Д゚))ハイィィィ!!」ビクビクー
じ「・・・またおいで。」
ピ「(‘A`)アイ?」
じ「今日は緊張して話ができなかった。今度ゆっくりと話をしよう。」
ピ「来るダイジョブデスカ(´・ω・`)?」
じ「当たり前だろ。家族なんだから。」
・゚・(ノД`;)・゚・
何というツンデレだろうか・・・年寄りのツンデレなど可愛くも何とも無いが、ピナちゃんを受け入れてくれた事が嬉しかった。
Σ(;д;)アイ!?
思い出したかのようにガサゴソとカバンを漁るピナちゃん。
ピ「おじいちゃん、おばあちゃん、コレ・・・(´・ω・`)」
そう言って二人に差し出したのは肩たたきチケット(自作)であった。
ば「ありがとう(´∀`*)」
祖父は仏頂面だがチケットを見ながらニヤケルのを我慢しているのが丸分かりである。
じ「正月に来てもいいからな(//゚Д゚//)!!」
こうしてどうなる事かと思ったクリスマスパーティーは無事に終わったのである。
帰りの車内でピナちゃんは上機嫌であった。
ピ「太郎、今日はありがとう(*´Д`*)♪」
私「こちらこそありがとう。」
ピ「お正月にまた行きましょネ(*´Д`*)タノシミナマントー」
私「ところでピナちゃん、さっきの肩たたきチケットは何回使えるの?」
ピ「何回でもダイジョブデス(*´Д`*)」
私「なんでもおねがいをきくチケットも、何回も使えるようにしてくれない?」
ピ「駄目デス(*´Д`*)♪」
(´;ω;`)
そんな他愛も無い会話をしながら家路につき、祖父にアクセプトされた特別なクリスマスという事で、ピナ山家では正月明けまでクリスマスを延長する事になり、現在しめ飾りや門松とクリスマスツリーが同居している、不思議な空間になっているのである。
今回が今年最後のブログ更新となります。
皆様からの温かいコメントやアドバイスを頂き、時には皮かぶり!と罵られながらも、早いものでブログを始めて8ヶ月が経過しました。
このような拙いブログを読んで頂ける事も、記事更新のモチベーションとなっております。
顔の見えないお付き合いではありますが、コメント欄を通じてのやり取りのお陰で、妻だけでなく私も成長できた気がする1年でした。
あと1時間で2015年を迎えますが、来年も皆様にとって良い年となるよう祈っております。
それでは皆様、良いお年を(・`ω・)b
追伸:年越しソバができたようなので、これまでのコメントへの返信は来年いたします。すみません!