入国管理局で配偶者ビザの延長申請

入国管理局、略して入管。又の名をイミグレーションへ、ピナちゃんの配偶者ビザの延長申請に行ってきました。

私達日本人が入管でお世話になるのは、海外旅行先での出入国審査の時くらいのものでしょう。日本国内にありながら、日頃行く機会のない日本の入管は実に様々な人生模様が彩られているのである。
 

入管では出入国審査の他に、外国人の在留審査・不法滞在を行っている外国人の強制送還・難民の認定などの業務を行っており、私達のように「ビザを延長したい」という単純な理由だけではなく、逼迫した状況の方々も見られ壁一枚隔てた外の平穏な空気とは少し違う緊張感が漂う場所なのである。

私も過去にアジアだけではなく、たまには他の地域へ行ってみようとアメリカへ向かったのだが、中学1年生の英会話能力すら持ち合わせていなかった私には、笑顔や日本語で切り抜ける事のできるアジアのイミグレーションと違い、テロの影響もあってか審査の厳しくなったアメリカのイミグレーションの壁は高く「英語の話せない怪しい日本人が来たぞ・・」と別室へ連行された事がある。

アジアのノリで泊まるホテルなんて現地に着いてから考えようとしていた私に、執拗に何処へ滞在するのか聞いてきた入管の係員に「セントラルパーク!ハッハッハッ!」とアメリカンジョークを掃き違えた不法滞在宣言が駄目だったのか、現地で安い服を買うのでポケットの中は航空チケット・財布・煙草・パスポート、手荷物は携帯用ウォシュレットだけ!という軽装が駄目だったのかは今となっては分からない。

別室に連行された私は周りにいる悲壮感漂う人々の中で「どうなってしまうのだろうか?」と不安を感じた。状況を理解してはいなかったが、他の連行された外国人達が困った顔をしてうな垂れていたので、私も同様に困惑した表情で「オオゥ」と係員にアピールしたり、時々係員に呼ばれて話をするのだが英語が理解できない私は神妙な顔をして「私は悪い人ではありませんよ」と表情で訴えかけるのであるが、通用しないのである。
その後1時間近く経過してから、ついに日本語を話せる係員が来てくれたお陰で事なきを得たのである。

本日も当時の私と同様に不安そうな外国人が数名いたが、涙ながらに話をしているので会話が耳に入ってくるのだ。その女性が提出する書類は旦那さんが用意しなければいけない書類があるが、旦那は遠くへ行っており帰ってこないと言う。

これが親しい者の話であれば「それは大変だね」となるのが、何とかして違法であっても日本に留まろうと考える人達もいる入管であるため、少しでも疑わしければ厳しく追求を受けるのだ。

ピナちゃんも入国した時に入管で嫌味な質問や疑われるような経験をした為に、未だに入管は苦手で緊張気味である。
日本人である私も一緒で必要書類なども把握して揃えているので何の心配もいらないのだが、今回の配偶者ビザの延長申請も「ダイジョブデスカネ(´・ω・`)?」と心配そうであった。

2名の問題のありそうな外国人が悲痛な訴えを行うなか、私達は書類を提出して不備が無いか係員がチェックするのを待っていると、数分後にチェックを終えた係員が名前を呼んだ。

係「ピ・・ピナ・・チクリン様」

ピ「ハイッ( ・Д・)!!」

元気よく返事をしたピナちゃんであったが、今呼ばれたのは似たような名前の別のフィリピーナである。入管の係員であっても外国人の名前は難しいので、自信を持って呼べなかった事も影響しているだろう。

私「ピナちゃん違うよ。違う人だよ。(小声)」

ピ「Σ(゚д゚;)!?」

本当に名前を呼ばれた女性も、あまりにも自信たっぷりに返事をしたピナちゃんのせいで、「私だよね・・?違うの・・?」と困惑の表情を浮かべてこちらを見ている。

ピ「ゴメンナサイ・・間違えました(///・ω・///)」

その発言にそれまで緊張した雰囲気だった入管に笑いが起こり、その後に名前を呼ばれるまで顔を真っ赤にして待っているピナちゃんであった(笑)。
帰りの車内で「ハイッ!」と真似をすると、恥ずかしさに悶えるピナちゃんがまた可愛いのである。

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