久しぶりに面白そうな売り物件が出てきた。
現大家から一切やる気が感じられない放置プレイ状態の築38年で角地に建つ一棟マンションである。
構造は重量鉄骨で2DKが6戸の3階建て小規模物件なのだが、その内4戸が空きとなっており、古くからの地主がマンションを建てて大家になったパターンで、アパート経営をビジネスとして考えておらず不人気振りを遺憾なく発揮してくれている。
この物件は条件が悪すぎて銀行の融資も難しく、不動産業者も手を出しにくい事が予測されるので、強気の指値を入れて満室時の利回り20%以上を狙ってみようと、ここ数日密かに企んでいたのである。
昨今の物件価格の高騰により、まともな物件に出会う事すら難しくなってきたので、実は9月頃からこれまでのポリシーを曲げて物件を探しては、フィリピン人妻のピナちゃんと一緒に現地の視察を行っていた。
しかし床が朽ち果てたどう考えても再生不可能な物件であっても、長いスラム街暮らしの影響なのか審査基準の緩いピナちゃんはGOサインを出すので「いけるのか?」と、不動産屋と売主に誤解を与えてしまい、多方面に迷惑をかけるため最近は一人で視察に出かけていたのである。
今回の物件は購入基準に達すると判断した為、物件付近の生活環境を調査するべく付近に車を停めて一日中過ごすという行為を何日か続けた。
傍から見れば何日も同じ場所に留まっている変質者かストーカーのように見えるが、心配性の私は予想外の騒音であったり治安の悪さが後に露呈して問題になるのを避けたいのである。
本音は購入前に知って値引き材料にしたいのである(///・ω・///)
そのような物件調査を深夜まで行っていたので、ここ数日は帰宅が遅くなっていた。
私の帰りを心待ちにしているピナちゃんには悪い事をしたが、いつもより遅く帰る私を待ち侘びた反動なのか、帰宅するとピナちゃんは喜びの余り、いつもの数倍ハイテンションで迎えてくれるのだ。
バルコニーからの偵察とエレベーターの稼動音で私の帰りを事前に察知するピナちゃんは、エレベーターの扉が開くとすでに待ち構えており飛びついてくる。
ピナちゃんをぶら下げたまま私は玄関の扉を開けて家の中へと入って扉を閉めると、ピナちゃんは私の背後へと素早く周り込む。
そして愛情表現だろうか?発情したオス犬のように「オイオイオイ(‘A`)」と言いながら、カクカク腰を振ってくるのである(涙)
この動き・声・表情が私のツボに入ってしまい、連日吹き出しそうになって大変なのだ。
しかし一度でも笑ってしまうと、味をしめたピナちゃんは今後もレパートリーに加える事が濃厚なので、ひたすら耐えていたのだが昨日ついに負けてしまった。
ピ「オイオイオイ(‘A`)オカエリー」カクカク
私「ピナちゃん毎日何してるの(笑)」
ピ「オイオイオイオイ(‘A`)ハッピーナマントー」カクカク
私「お願い!分かったからやめて(笑)」
何とか耐えていた私であったが次の瞬間!!
ピ「オイオイオイ(‘A`)……ウーッ(‘A`)!!」
射精した(゚д゚;)!?
ピ「ウーッ(‘A`)!! ウーッ(‘A`)!!」
このままでは笑わないと思ったのか一捻り加えてきたのである。
これにより限界を超え吹き出してしまい、腹筋が崩壊し笑い転げている私に追い討ちをかけるように「ウーッ(‘A`)!!」っと連呼してきて大変酷い目にあったが、次回の物件調査には連れて行ってあげると約束して許してもらった。
遅く帰ってこのような事態になるのであれば、最初から物件調査にピナちゃんを連れて行けば良かったと心の底から思った日だった。