旦那を守る為に戦うフィリピン人妻ピナちゃん

  • 2014年10月9日
  • 日常
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帰宅してドアを開けるとピナちゃんの怒鳴り声が聞こえた。
普段怒らないピナちゃんが、このような声を出すのは大変珍しい。
興奮しているのか私が帰った事にも気が付かないようである。
ママと喧嘩でもしているのかと思い聞き耳を立てると、日本語で怒っているようなので相手はママではない。
日本語という事は日本人と喧嘩をしているのだろうか?

ピナちゃんの電話番号を知っている日本人は友達や公文の先生なので、何か文句を言われたとしてもピナちゃんの性格では我慢すると思うのだが、謎は深まるばかりである。
ピ「何でデスカ!文句言うが馬鹿デスヨ・゚・(ノД`;)・゚・」
ピ「バカロー! バカロー(*`Д’)!」
大層怒っているようだがピナちゃんに悪口を教えていないので、馬鹿野郎がバカローになっている。
一生懸命に泣きながら怒りを露にするピナちゃんが可愛くて、つい噴出してしまった。
ピ「Σ(゚д゚;)アイッ? 太郎カムバックデスカ?」
私「ただいま(笑)何で怒ってるの?」
ピ「これの女の人が文句を言うデス(´;ω;`)」
そう言って泣きながら電話を私に渡してきたので、電話を変わるとすでに切られていた。
おそらく私が帰ってきたので切ったのであろう。
なぜ怒っていたのか電話の相手は誰なのか聞いてみると、電話の相手はフィリピンでピナちゃんの近所に住んでいた年上のフィリピーナ「J」で、現在Jは日本人男性と結婚して大阪で暮らしているらしい。
また旦那は事業をしており金に不自由はしておらず、フィリピンの家族にいつも自慢しているようであった。
Jは旦那をヤクザだと言う事もあるらしいが、企業舎弟の可能性はあるものの自分を大きく見せるための嘘であろう。
そして怒っていた理由はフィリピーナ特有のプライドからくる見栄が原因であった。
ピナちゃんの家族が住んでいる界隈で、日本人と結婚した女性は数名いるのだが、J以外は上手く結婚生活が送れておらず、大半は離婚するかヒモ状態の旦那と国の家族を養う為に日本でも夜のお店で働いている。
だが自分だけはブランド品や車を買う事もでき、旦那は社長兼ヤクザで不自由なく暮らしている。そんな優越感があったのだろう。
そこへ昨年近所に住んでいたピナちゃんが日本人と結婚して、自分以外が幸せに暮らしているのが気に入らなかったようである。
ピナちゃんはフィリピンの家族にスカイプで、日本での暮らしがとても幸せだと話をしていた。
その話をピナちゃんの家族とJの家族が近所で顔を合わせた時に話し、Jの家族がJに「ピナは日本で幸せに暮らしているらしいよ。」と話をすると、Jはその話は嘘だと家族に言った。
ピナの旦那は社長だと言っているが、日本では若くして社長になる事はできないのでピナは騙されている。
ピナは家から出る事もできずメイドのような生活で旦那は悪い男なので、もうすぐ別れてフィリピンに帰ってくるだろう。
どうしてすぐに分かる嘘を付けるのか分からないが、このような内容の話を聞くと噂好きなフィリピン人が黙っておけるはずもなく、Jの家族は近所でその話を吹聴して、ピナちゃんの家族の耳もその噂話は入ってきた。
ピナちゃんの家族は「そんな事はない、太郎は良い奴だ」と火消しに走ったのだが、もしかすると本当かも・・?とピナちゃんに連絡を入れて発覚したのである。
こうして私が悪者にされている事に怒ったピナちゃんは、FacebookからJの電話番号を突き止めて電話をしたのである。
ピナちゃんから電話の内容を聞くと以下のような話であった。
ピ「私達の生活を知りもしないで何で嘘を言うの?旦那の文句を言うなら許さないですよ」
J「あなたは日本に来たばかりだから知らないだけ」
ピ「何を知らないの?私の旦那は最高の男性よ」
J「どうかしらね?」
ピ「旦那の文句を言ったのは取り消して、あなたの家族に説明してください。」
J「日本に来たばかりのあなたが、16年も住んでいる私に意見をするな」
ピ「日本に何年住んでいても関係ないでしょ」
J「日本語も話せないのに生意気ね」
—-ここから日本語—-
ピ「話すできるデスヨ!太郎は教えてくれるし公文も行ってるデス」
J「話ができても日本の事を知らないし、一人じゃ何もできないでしょ?」
ピ「太郎は色々教えてくれるデス。お彼岸はオハギ食べるスル。土曜日はウナギ食べるデスヨ!」
※土用の丑の日を少し間違えているが相手も突っ込んでこなかったので二人共分かってない。
J「一人で病院に行けるの?トラブルが起こったら対処できるの?」
ピ「・・・・」
J「ほら一人では何もできないでしょ。あなたは日本や日本人を分かってないの」
ピ「太郎の事は分かってるデス! 太郎は優しデスヽ(#`Д´)ノ」
J「旦那が優しいのはあなたをメイドだと思ってるからよ」
ピ「違うデスヨ!」
J「私はビジネスを手伝ってる。あなたは何をしてるの?洗濯?掃除?それってメイドの仕事でしょ?」
ピ「今はヘルプデキナイ、でもフューチャーはヘルプできるデス」
上記のような会話があり引かないピナちゃんに対し、Jは汚い言葉をぶつけ始め、それに応戦する形で冒頭のバカロー発言に至るのである。
電話を終えたピナちゃんは怒りなれていないので緊張して汗ビッショリであった。
私からするとフィリピーナが見栄をはっているだけの笑い話なのであるが、ピナちゃんはどうしても許せないらしい。
怒りの収まらないピナちゃんは再び電話をかけようとしていたが止めさせて、恐怖心か怒りか分からないがプルプルと震えるピナちゃんに、私のプライドを守る為にそのような事はしなくても大丈夫だと話をした。
大切なのは二人の人生であり他人がどう思っていようと関係はない事を説明したが、理解してくれるのかは分からない。私を守ろうとしてくれた事は嬉しいが、私に対する侮辱
にすぐ熱くなるので少し心配である。

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