本日は土用の丑の日である。
ピナちゃんに日本では「土用の丑の日」にウナギを食べる習慣があると教えたが、「土曜の牛の日」と勘違いしているピナちゃんは、まさか今日が鰻を食べる日だとは思っておらず、突然舞い込んできた朗報に大喜びしていた。
ピナちゃんとウナギの出会いは、何処かの牛丼屋のTVコマーシャルだった。
ご飯の上に乗ったウナギに心を奪われたピナちゃんは、ウナ丼を食べてみたいと言ってきた。
私はピナちゃんの鰻デビューに相応しい店を食べログで探す事にした。
ポチーン!
口コミを見て評価の良い店を探していると、「八ツ目や にしむら」という鰻屋さんを見つけた。
東京の目黒ある昭和35年創業の老舗鰻屋さんらしい。
翌日の昼、私達は目黒不動前駅に降り立っていた。
なんだか昭和の臭いを感じる町である。
前日、駅から鰻屋までの道のりを頭に叩き込んでいたが、特技は迷子の私は駅を出た時点で道を忘れていた。
良い歳をして迷子である。
頼みのiPhoneも、道中に興奮気味のピナちゃんが写真を撮りまくっていたのと、前日の充電不足がたたりローバッテリーとなっている。
ピナちゃんが得意気な顔でiPadを取り出すが、ここは家ではない。
wifiがない為、役に立たないのだ。
前日に地図を見た時は、駅から北西の位置に鰻屋があった。
太陽の位置を確認し、何となく北西方向へ向かってみる。
人に聞けよ!と思われるだろうが、人見知りの私が人に物を尋ねるのは最終手段なのである。
まだ初夏とはいえ、その日は日差しも強く、汗が出てくる。
しばらく歩いたが鰻屋の気配がしてこない。
もう人に聞くしかないのか・・と、覚悟を決めたその時
いい匂いがするデス(`・ω・´)
!!
私には全く感じる事の出来なかった匂いに、ピナちゃんが反応したのである。
ピナちゃんの鼻は、生乾きの臭いは分からないが、食べ物を買って帰るとすぐに気が付く。
食べ物に関してはハイスペックな嗅覚を持っているのだ。
だが、ここは様々な食べ物の匂いがする街中である。
それ以前にピナちゃんは鰻の匂いを知らない。
私「ピナちゃん、ウナギの匂い知らないでしょ(笑)」
ピ「これはウナギのスメルデス(`・ω・´)グッドスメル!」
俄かに信じがたいが、どうせ迷子である。ピナちゃんの思うがままに進んでみた。
Σ(゚д゚;)
なんという嗅覚・・・奇跡である。
たどり着いたのは良いが老舗の人気店だけあり、お昼時は長蛇の列が出来ていた。
列に並んでまで食事をするのは嫌いなのだが、ここまで来て引き返せない。
私達は1時間近く並んだ(‘д` ;)
その後、席へ案内されメニュー表を差し出された。
(((( ;゚д゚)))タカイデス・・
※他の鰻屋よりリーズナブルなお店だそうです。
鰻の値段に驚き、二人で一つの鰻重をシェアしようと言い出したが、炎天下の中1時間も待って半分だけでは私のお腹が可愛そうである。
ピナちゃんに鰻は高い食べ物で、滅多に食べないから今日は好きなだけ食べようと説得して、何とか二人文の注文ができた(汗)
人生初の鰻を食べたピナちゃんは、大興奮であった。
あまりの喜びぶりに隣の席で食べていた家族連れのマダムが、「うなぎ好きなんですね(´∀`)ここも美味しいけど○○へ行ってごらんなさい、彼女も喜ぶから」と、他の鰻の銘店を教えてくれたが、失念してしまった。
それ以来、鰻を食べていなかったのだが再び鰻と再開をはたしたピナちゃん。
とても楽しみにしているのだろう、「まだ帰らないデスカ?」とEメールが今日は30分間隔で送られてきた。
今日は火曜日ですけど鰻食べるデスカ(´∀`*)?
土曜日は牛を食べるデスカ(*´Д`*)?
土用の丑の日の意味を理解していないようだが、嬉しそうで何よりである。