そんなサプライズは無くていい!と思った誕生日会

日頃からピナちゃんと仲良くしてくれているエリカとハンスと言うフィリピン人の夫婦がいる。

エリカはピナちゃんと時々一緒に料理を作ったりして、ハンスはピナ山ヒルズの近くに来る度に、なぜかケンタッキーフライドチキンを買ってきてくれる。(不思議)

二人には本日誕生日の娘がいて、私達夫婦も友人のフィリピン人や娘の友達が参加する誕生日パーティーに招かれていた。

 

今朝、夫のハンスが「酒を飲んだら運転ができないから迎えにいってやる」と私達を迎えにきてくれた。

「飲まないから大丈夫」と言ったけれど、ハンスは私の事を少し誤解していて過剰なまでに気を使ってくるのである。

 

ハンスは柔道の黒帯をとてつもなく価値があるものだと誤認していて、私が有段者だと知ると「ブラックベルトを持ってるのか!?」と敬ってくれるようになった(笑)

柔術の黒帯ならともかく実際は柔道の黒帯なんて中学生でも持っているし、私の友人だけでも吐いて捨てるほど有段者はいるので特段珍しい物ではないのだけど、柔道事情を知らないフィリピン人のハンスは、ブラックベルトの噂が先行して過大な妄想を膨らませているのである。

事あるごとに「太郎はブラックベルトだからな!」と黒帯万能説を唱え、一緒に遊べば「投げてくれ!」とお願いしてくるので、服が破れないようにそっと投げると嬉しそうにしている。

そんな理由から「ブラックベルトの太郎に酒を我慢させるわけにはいかない」と迎えにきてくれたのだけど、この気遣いのお陰で大変な一日となった。

 

まず驚いたのは朝っぱらから迎えにきたし子供は春休みだと言っていたので、誕生日会は12時頃に開催されるものだと思っていると中途半端な16時からだった。

車内で「何でこんなに早い時間に来たんだよ」と聞くと、これからドン・キホーテで買い物をして豪華な飾りつけを行いたいようなのである。

「そんな物は事前に買っとけや!」と言うと「さすがブラックベルトだな!」と言われ、敬うというよりもネタにしているなと気が付いた。

 

ドン・キホーテで買い込んだ物を確認すると大量の風船が用意されていて、風船を膨らませる空気入れはあるのか聞くと「無い」と言われた…

この量を人力で( ゚Д゚)!?

 

ハンスの家に着くとエリカ(奥様)と叔母さんが料理を作っていてピナちゃんも一緒に作る事になり、ハンスは忙しそうに飾りつけを始めたので、まさかとは思ったけれど私は風船係に任命されたようである(涙)

酸欠になりながら風船を膨らませ続けたが、そろそろ頭の血管が切れて倒れるのではないかと心配になったので、ハンスに飾りつけ係と交代するよう申し出た。

しかし軟弱なハンスはベーリング海の船乗りに匹敵する風船係の過酷な仕事内容に早々に音を上げてしまい、仕方が無いので私も手伝い二人で成し遂げたのだが、やり切った達成感からかもう帰りたかった。

 

休憩も兼ねてつまみ食いでもしようとキッチンを覗くと、どこからかき集めたのかと思うほどの鍋と大量の料理が用意されており、想像していたよりも盛大なパーティーが開かれるのだと知り、参加人数を聞くと「30人くらいは来ると思う」と聞いて、「職場から遠い郊外の戸建てを借りた理由はこれか!」とフィリピン人のパーティーへの情熱を思い出したが、さすがにキャパオーバーである。

しかも参加者の内訳を確認すると、娘の友人は2名で残りは全てフィリピン人だった。(太郎込み)

お友達が困惑しちゃう(涙)

 

もう少し国籍のバランスを考えられなかったのだろうか…

日本にいながらフィリピン留学体験をするお友達はどう思うのだろう。

友達の誕生日を祝いにきたと思ったら、タガログ語が飛び交うフィリピン人の群れに放り込まれるのである。

私にできる事は「フィリピン人みたいな顔をしてるけど私も日本人だからね!」と、この空間の日本人成分を増やしてあげる事くらいだけど、フィリピン人にゴリラが添加された所で安心感からは程遠い。

 

そんな事を考えていると誕生日会の時間は刻々と迫り、エリカは娘二人を風呂に入たりドレスを着せて身支度を整え始め、私達は作った料理をテーブルに並べたり飾りつけの仕上げに取り掛かり、会場(自宅)はさらに慌ただしくなった。

全ての準備を終えて一息ついていると、会開催時刻の10分前に罠にかかった2名の小学生の女の子がやってきた。

そして私がこれまで経験したことのないカオスな誕生日会は幕を開けた。

 

誕生日会が開始される16時…

フィリピン人が誰も来ない(涙)

しかも主役の娘もなぜかいない(血涙)

なんなのこのサプライズ?苦行なの?

友達が来ているのに姿が見えないの娘をエリカが慌てて探すと、夜に仕事のある叔母さんが誕生日プレゼントを買ってあげるため外へ連れ出していた。さっきまで一緒に一生懸命準備をしていたのに…

 

襖を外して二部屋繋げて広くしたリビングに、所狭しと並べられている30名分の料理。
大量の料理を目の前にするのは私、ピナちゃん、ハンス、エリカ、お友達2名の僅か6名。

これは宮殿である。貴族の食事である。

 

そしてお気づきだろうか?

フィリピン人達が一人も来なかったことに加えて叔母さんが娘二人を連れ出したことで、下馬評では圧倒的に不利だと予想されていた日本軍が、フィリピン軍に対して3:3と肩を並べていることに!

 

でもそんな事は関係ない。

お友達二人にとって多少戦況は改善されたとしても、肝心の主役がいないのである。

この可愛らしい子供達になぜそのような試練を与えるのか。

そんなサプライズはいらない。

いたたまれなくなって娘に用意していたプレゼントのポーチを、来てくれたお友達にあげたよね。

 

お友達二人は居心地が悪そうだったけれど、30分が経過した頃からポツポツと同じ年ごろの子供を連れたフィリピン人がやってくると子供達は通じるものがあるのだろう、すぐに打ち解けて仲良く遊び始めた。

結局2時間くらいいたのだろうか、主役に会うことなくお友達は帰っていった。

その間にフィリピン人達は入れ替わり立ち替わりやってきては、食事をつまんで酒を飲み談笑して帰るのである。

開催時刻とはいったい何だろうか?と疑問に思うけれど、これがフィリピンタイムと呼ばれるものなのだろう(汗)

「遅れてもええんやで!」の精神で遅れた方も遅れられた方も気にしない、時間におおらかなフィリピン人だからこそ許される時間のことである。

 

その後、娘も帰ってきて誕生日会もピークに達して、部屋がフィリピン人で溢れかえってきたので、元来人見知りな私はそろそろお暇しようと、ハンスは友人達と話し込んでいたのでエリカに挨拶をして家を出た。

大通りまで出てタクシーを拾って帰ろうとピナちゃんと歩いていると、後ろから車でハンスがやってきて送って帰ると言うのである。

さすがにエリカが大変だろうと断ると、「太郎はブラックベルトだから!」と私達を送り届けてくれた。

フィリピン人のパーティーはサプライズの連続である(汗)

 

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