この記事はフィリピン人妻が嘘をついた理由の続きです。
原因不明の腹痛に襲われ吐き気をうったえるピナちゃんを見て、慌ててバケツを取りに行った。
吐けば少しは楽になるかもしれない。周辺への被害を最小限に抑えるためバケツを顔の近くへ運び、何だったらベッドから顔をずらしてスッポリと覆うように構えた。
しかし吐かないのである。
頑なに吐くまいとしているようにも見える。
「ピナちゃん!吐いていいぞ!」と声をかけるも、「まだダイジョブ(´;ω;`)」と何が大丈夫なのか分からないけれど耐えるのだ。
再度、窓を開けて裸で昼寝をしたり、落ちている物を食べたり、何かお腹が痛くなるような心当たりはないか聞いてみたが、ピナちゃんは「ないデス(´;ω;`)」と否定する。
いよいよノロウイルス疑惑が確信に迫りつつあり、一度病院で診察してもらおうと「悪い病気だといけないから今から病院へ行くよ」と告げた。
だがピナちゃんは「アヨコー(´;ω;`)※訳:嫌です。」と虫の鳴くような声で拒否をした。
しかし、病院へは行かないと言う言葉を受け流され、保険証や上着を用意する私の姿を見て『コリは抱えて連れて行かれマスネ(‘A`)』と察したのだろう。
ピナちゃんは真実を打ち明けた。
ほ、本当は食べすぎマシター(´;ω;`)オオン
え?
事の顛末はこうだ‥‥‥
前日、フィリピン人の一大イベントクリスマスを迎えて、ピナちゃんは絶好調であった。
サンタの衣装に身を包み、朝っぱらから電飾を灯し、お昼寝を返上して一日中歌って踊って纏わりついてと、クリスマスを満喫していたのである。
クリスマスを満喫してやるぜの精神。それは料理にも現れていた。
食費とは別にクリスマス料理費用が支給されるピナ山家の制度を利用して、ピナちゃんは料理に腕を振るった。
ピ「おかわりもありマスヨ(*´Д`*)」
圧倒的!圧倒的ではないか!
数時間前に肉を焼いて腹一杯食べたのを忘れたのかい?
しかし、それは想定の範囲内で、食べきれなかった料理は翌日に食べれば、燃え尽きて休息を必要とするピリピン人も助かるだろう。
「残った料理は明日食べよう」
そう言って、食後にワインを一口飲んで目をシパシパさせているピナちゃんをベッドへ連れていき、余った料理にラップをして冷蔵庫に入れたのだが、翌日、私達の計画を狂わせる出来事が起きてしまった。
ふるさと納税で頼んだ白身魚のキング”ノドグロ”が届いてしまったのだ。
年内の配送は無いと踏んでいたのに神のいたずらか、それとも「お役所仕事とは言わせねーぜ」と自治体が本気を出したのか、私の留守中にノドグロが届いたのである。
食通のピナちゃんは、料理屋でノドグロを食べたことがある。
あまりの美味しさに料理名を覚えようとメニュー表をめくり、そこに記載されていたノドグロの値段に驚き、それっきり注文しなくなったのだけど(涙)
ノドグロの味を知るピリピン人は、送られてきたノドグロを前にして悩んだ。
『晩ごはんで食べたいデスネ(‘A`)‥‥‥』
しかし冷蔵庫には昨日食べきれなかった料理がたくさんあるし、頼みの私も祖父母の特命を受けて外出している。
『アコが本気を出すときがキマシタカ(‘A`)』
久しぶりに対面したノドグロを前に冷静な判断ができなくなったピナちゃんは、冷蔵庫の料理を全て平らげて夕食にノドグロを食べる。そんな無謀な計画を実行に移した。
そして腹が痛くなったのだ(涙)
ピ「恥ずかしデス(´;ω;`)」
私を呼び戻したことか、ノドグロを食べようと計画したことか、腹が痛くなったことか、どのポイントが恥ずかしかったのかピナ心は不明だけど、とにかく恥ずかしかったみたいで、腹痛の理由を中々言い出せなかったようだ。
翌日、完全復活したピナちゃんは、いつも通り元気に動き回り念願のノドグロを食べた。
ピリピン人は今日も元気です。
ピナちゃんはトロとサーモンの寿司が好きである。特にトロを注文して待っている間は、傍から見ていても嬉しそうなのが見て取れるほど、頬は緩みホクホクした顔になっている。初めて回転寿司を食べに行った時は生の魚に抵抗があったのか、カラアゲ[…]