しばらくの間、鈍感な私はピナちゃんの手荒れに気が付くことはなかったが、ある日ピナちゃんの手を見ると、あかぎれを起こして僅かながら出血していることに気が付いた。
私「どうしたのこれ?」
ピ「お皿洗うと痛くなりマス(´・ω・`)」
手が荒れたことのない当時の私には冬の乾燥と手荒れがリンクしなくて、「お湯を使うといいのではないか」と的外れな解決策を試してしまい、手荒れが改善されることはなかった。
お湯を使って様子を見ても治らない手荒れに「こりゃ水を使うと治らねーな!」と、ようやく手荒れの核心に迫り、なるべく水を使わないように洗い物係を買って出た。
しかし男の家事も当たり前となった平成の世に戦後のような価値観を持つピナちゃんは、私が皿を洗うのを「それはワイフの仕事デス(`・ω・´)ダミ!!」と嫌がり、無理に手伝うと皿の入ったカゴを持って逃げるのである(涙)
困った私は母に電話でピナちゃんの手荒れについて話し、何か良い解決策はないだろうか?と尋ねると、”洗い物をする時に手袋を使う”という有益な情報と、”手袋は折り返すと水が腕にかからない”という匠の技を教えてもらった。
何て便利なアイテムがあるのだろうかとドラッグストアへ走り、厚手の手袋を何点か購入してピナちゃんにプレゼントした。
ピ「アエイ(・∀・)」訳:痛くないです。
私「良かったね!」
ピ「ごめんなさいね。手が不細工にナリマシタ(´・ω・`)」
私「不細工じゃないよ。頑張ってる手みたいだから素敵だと思うよ(・`ω・)b」
(‘A`)!? ポイー!!※手袋を取ってる
ピ「太郎は不細工な手が好きデスカ(*´Д`*)?エッエッエッ」
私「いや、手袋はして。また痛くなっちゃうから(汗)」
こうして手袋を使いこなすようになったピナちゃんは、冬場の皿洗いも平気になった。そして手を褒められたのが嬉しかったのか、友人と遊んでいる時に「太郎は不細工な手が素敵ダッテ(*´Д`*)」と誇らしげに自慢をしたらしく、手荒れを心配した友人がハンドクリームをくれた(涙)
皿洗いはさせてもらえないので手にハンドクリームを塗ってあげると、「スイートナマントー(*´Д`*)」とご機嫌な様子のピナちゃんから、私はハンドクリーム係へ任命され、毎年冬になるとピナちゃんは寝る前にハンドクリームを無言でちらつかせて塗ってほしそうな顔をするのである。