この記事はフィリピーナがお金を稼ぐ方法の続きです。
ピナちゃんの親友カトリーナが来日している間、ピナちゃんに羽を伸ばしてもらおうと思い、「俺の事は気にせずカトリーナ達と遊んでおいで」と臨時のお小遣いを支給して、食事をご馳走したり自由に使うように伝えていた。
「私はワイフダカラ(´・ω・`)」と、私を気の毒に思ったのか申し訳無さそうにしていたので、「友達とご飯食べるから大丈夫だよ」と言うと、「アリガトポ(*´Д`*)」とカトリーナ達のお世話ができるのを嬉しそうにしていた。
ピナちゃんは週に二日の公文の日以外は、旦那さんと義父がまだ寝ている早朝にカトリーナとカフェで珈琲を飲んでいた。
家族から「起きた」と連絡があると一緒に朝食を食べに行く。
カトリーナ達が観光をしている昼は、来日したてのフィリピン人には難易度の高い日本のゴミ出しをする為、部屋の掃除とゴミ出しを済ませる。
その後、彼女達が宿泊している近くの物件で公文の宿題をしながら待機して、夜帰ってくると晩御飯を一緒に食べるというスケジュールを組んだ。
これでは毎日6時間近くの待機時間が発生するため、とても時間がもったいないと思ってしまう。
だがカトリーナ達が帰ってくるとすぐに駆けつけて、日本滞在の時間を無駄にさせないようにするピナちゃんの配慮である。
初日にラーメンを食べた後、しゃぶしゃぶの店を予約してあげようと思い電話を取り出すと、カトリーナの前で良い所を見せたいのか「エイ(‘A`)」(訳:私が予約シマス)と言ってきた。
普段はしないのに得意気な顔でレストランに予約の電話をするピナちゃんを見ると微笑ましかった(笑)
ピ「モシモシお世話にナリマス。ピナ山と思いマシケド(`・ω・´)」注:申しますけど、と言いたい
ピ「ハイ、ソデス。ハイ。4名デス(`・ω・´)」
ピ「予約できマシタ(`・ω・´)b」
カ「ピナ!すごい!日本語もたくさん覚えたんだね(*´Д`*)」
(//・ω・//)
照れるピナちゃんが可愛くて仕方がないのである。
その後も毎日早起きをしてカトリーナに会いに行き、お小遣いと株主優待券を駆使しながら、ピナちゃんはカトリーナ達と楽しい時間を過ごしていた…
と思っていた。
それはカトリーナ達が帰国する二日前のことである。
私が自宅で得意料理の目玉焼きを作っているとピナちゃんから電話があった。
予定ではカトリーナ達と食事を終えるとピナちゃんから連絡があり迎えに行く事になっていた。
その時は20時を過ぎたばかりで、いつもなら楽しく皆で食事をしている時間帯なので不思議に思いながら電話を取ると、驚くほど元気がないのである(涙)
私「何?元気なさそうだけど、どうしたの?」
ピ「今日はもう帰りたいデス(´・ω・`)」
私「カトリーナ達は?もうご飯食べたの?」
ピ「今日は一緒シマセン(´・ω・`)」
私「何で?晩御飯食べる約束してたんでしょ?」
ピ「ハイ、でも今日は私エラナイダッテ(´・ω・`)」訳:今日、私は必要ないと言っています
私「え?どう言う事?」
ピ「私は待ってマシタケド、みんなお弁当買ってマシタ(´;ω;`)」
((((;゚Д゚))))
話を聞くと義父が「晩御飯は日本の豚カツを食べてみたいから探してくれ」と言われたようだ。
敏腕添乗員のピナちゃんはカトリーナ達が観光をしている昼のうちに、迷子にならないようにお勧めの豚カツ店までのルートを歩いて確認して万全の準備をして帰りを待っていた。
しかし空腹が我慢できなかった義父がマンションの近くのコンビニで弁当を買うと言い出し、家族3人分の弁当を買って帰ってきて「今日は弁当があるから帰っていいよ」と、言ってきたらしい。
まさかピナちゃんの弁当を買ってないと思わなかったカトリーナは「半分ずつ食べよう」と言ってくれたが、悲しくて泣きそうになったピナちゃんは「大丈夫だから(´∀`*)」と待機している物件へと逃げ帰ったのだ。
その件だけでなく中華料理屋で食事をしていた時も、観光地で色々食べているのでそれほどお腹が空いていないのに大量に注文をした旦那さんが、最後まで食べようとしているピナちゃんに残すように言い、ピナちゃんは日本の文化は料理を残すと作ってくれた人に失礼だと説明するとふてくされたり、公文があるので昼間に部屋の掃除ができなかった時に今日は片付けてないのかと義父に言われたりと、二人から日頃のケアと部屋を借りている事への感謝の気持ちが感じられずモヤモヤしていたのだが、カトリーナに会いたい一心で我慢して付き合っていたのである。
だがその我慢も約束を反故にされた事で悲しさが上回ってしまったのが、電話越しに泣きながら話すピナちゃんから伝わってきた。
すぐにピナちゃんを迎えに行き、「明日はカトリーナと二人で食事をしたら?」と話したが、「家族旅行だし悲しんでいるのをカトリーナに知られたくない」と言い、「もう会いマセン(´;ω;`)」と言い出したのである(汗)
もうすぐ帰国するのに会わなかったら後悔するのではないか?と思い、元気を出してもらおうと、とびきりの目玉焼きとウィンナーを焼いてあげると、お腹が空いていたのかモリモリ食べていたので少し安心した。
お腹が満たされたタイミングで「明日は俺も一緒に行こうか?」と聞いてみたが、「会いマセン(´・ω・`)」と頑ななのである。
ピナちゃんは勉強が忙しいので明日は行けなくなったとカトリーナにメッセージを送ると、深夜にカトリーナからスカイプへ連絡が入った。
「旅行を楽しんでね(・∀・)」と何食わぬ顔で話しているピナちゃんだったが、カトリーナはピナちゃんの気持ちを知っていて、「アパートへ帰った時にピナの様子がおかしかったのは気が付いた。嫌な気持ちにさせてごめん。」と謝ってきた。
ピナちゃんは「あなたの家族だから悪く言いたくないけど笑顔で会えない。ごめんね(´;ω;`)」と謝り、しばらく謝り合いが続いた後で、次はカトリーナが一人で日本へ遊びに来ると言い、二人は心にしこりを残さずカトリーナ来日は幕を降ろしたのである。
帰国の日、心変わりをしているかもしれないので「空港まで送って行く?」と聞いたが、「エカナイ(‘A`)!!」と未だに旦那と義父にはご立腹の様子である。
温厚なピナちゃんをここまで怒らせるとは只者ではないフィリピーノである事は明々白々で、ピナちゃんが部屋へ入らなかった二日間の間に、物件がとんでもない惨状になっているのではないかと心配になったが、後日確認に行くとカトリーナの仕業なのか皿も洗ってあり布団もたたまれていてキレイな状態だったので胸を撫で下ろした。