この記事はモテ期到来!?女子高生と太郎の続きです。
駅へ友人Kとその奥様Yちゃんを迎えに行き、スーパーで手ごろな豆まきセットと恵方巻きを購入してピナちゃんの待つ家へと向かった。
事前にピナちゃんにはK夫妻と豆まきをする事を教えていたので、豆まきという初めて聞くイベントを楽しみにしている事だろう。
ちなみにピナちゃんは日本人の友人の中でK夫妻と最も仲が良く、私がいない時でもピナちゃんを連れ出して遊んでくれたりしている。
購入した豆まきセットに付いていた鬼の面を玄関の前でそれぞれ装着し、音を立てないよう慎重に鍵を開けて我が家に潜入した。
節分の内容を知らないピナちゃんに鬼の洗礼を受けてもらう為である。
足音を消し廊下からリビングの様子を伺うと、K夫妻を迎え入れる準備なのか今日が掃除のローテーションの日なのか、デッキブラシをマイクにして歌いながらバルコニーを掃除していた。
あれほど「近所の迷惑になるからバルコニーで歌を歌ってはいけないよ」と話をしたはずが、ノリノリで歌っているのである。
ピナちゃんの姿が壁に隠れて死角になった隙にリビングへと行軍し、素早くバルコニー側の壁へと移動した。
ピ「太郎!おかえりなさい(*´Д`*)」
私達の気配に気がつきピナちゃんはヒョッコリとバルコニーから室内へ入ってきた。
しかしそこへいるのは鬼が三匹である。
Σ((゚д゚;))) イィィィィ!!!
ビックリして変な声を出すピナちゃんだったが、すぐに私達だと認識し飛びついてきた。
私にまとわりついているとYちゃんがいる事に気が付き、続いてYちゃんへまとわりつきに行っていた。
※ピナちゃんはYちゃんの事がとても好き。
(`・ω・´)クンクンクンクン
(*´Д`*)いい匂いナマントー♪
まとわりつくだけではなくYちゃんの匂いを嗅ぎはじめるピナちゃん。おそらく前世は犬である。
私「ピナちゃんカームダウン!それからバルコニーで歌を歌ってはいけないよ。」
ピ「Yちゃんと会えるの嬉しかったカラ・・(´・ω・`)ゴメンナサイネ」
フィリピーナは嬉しい事があると無意識のうちに歌ったり踊ったりする習性があるので、今後もバルコニーで歌を歌う事があるだろう。
そんな時のためにご近所付き合いはしっかりしておこうと思った。
ピナちゃんが落ち着いた所で、4人でお茶を飲み久しぶりの再開を喜びながら節分の内容を話して、紙の枡箱に豆を入れてピナちゃんへ渡し、私達3人は鬼の面を付けて準備を整えたのである。
(`・ω・´)パクパクパクパク
私「まだ食べちゃ駄目だよ!鬼は~そと~♪って言いながら、豆をこっちに投げてごらん」
ピ「太郎に投げるデスカ(´・ω・`)?」
私「そうだよ。豆を投げて鬼を追い出さないといけないからね。」
ピ「カワイソデス(´・ω・`)」(※訳:可哀想です。)
私「いや・・カルチャーだから!全然可哀想じゃないよ!どうぞ!」
ピ「・・・(´・ω・`)」
Y「じゃー私に投げてみて。」
ピ「Yちゃんに投げるデスカ(´・ω・`)・・・」
枡箱を持ち困った顔で立ち尽くすピナちゃん。
文化といえど私達に豆を投げる行為は嫌なようである。
K「大丈夫だから俺に投げてみ・・
エイ(`・Д・)ノ∴・ ビシィーッ!!
K「ちょっ!何で俺だけ投げるの?(笑)」
アエイ(`・Д・)ノ∴・ ビシィーッ!!
K「え?何で?どうなってんの?」
ピナちゃんは冗談が通じる優しいKに対しては強気なのである。
Kをバルコニーへと追い出す事に成功したピナちゃんにYちゃんが話しかけた。
Y「次は私にも投げてみて(´∀`*)鬼はそと♪って言いながらね。」
ピ「ハイ(*´Д`*)」
おには~そと (*´Д`)ノ∴・ ソロリ
Kに投げる時と強さが全然違う(笑)
私「ピナちゃん・・よくも仲間の鬼を追い出してくれたね。覚悟はいいかい?」
おには~そと (*´Д`)ノ∴・ ソロリ
私「そんな弱い投げ方じゃきかないな。フッフッフ。」
Σ(゚д゚;)アイ!?・・・
(゚Д゚≡゚Д゚)ウホウホウホ-!!!(威嚇)
(((( ;゚д゚)))アーイ!!
鬼の反撃にあい家の中を逃げ回り隙を見つけては豆を投げるのだが、私に豆ごときでダメージは与える事はできないのである。
鬼に捕えられると、くすぐられる事は分かっているので必死で逃げるのだが、ついにピナちゃんはダイニングへと追い詰められ、最後の反撃にでるかと思ったその時であった!
豆まきセットの余った鬼のお面を手に取ったピナちゃんは、お面を額に当てながら
ピ「your side(・`ω・)b」(※訳:あなたの味方です。)
寝返った(笑)
こうしてまさかの鬼側の勝利で幕を閉じた初めての豆まきであったが、「来年もお願いシマス(*´Д`*)」と楽しかったようである。
戦いの爪痕
豆まきの後は恵方巻きを皆で食べたのだが「目を閉じて食べると願い事が叶うよ」と教えてあげると、目を閉じてモグモグと食べ始めた。
あまりにも懸命に食べるピナちゃんを見て、その可愛さに思わずグフッっと吹き出してしまい、笑い声を聞いたKとYちゃんも目を開けると、恵方巻きをほおばるピナちゃんの姿が目に飛び込んできて、私と同様に吹き出したのである。
笑い上戸のピナちゃんも釣られて笑うのだが、願いが叶わなくなるので決して目を開ける事はなく、吹き出しながらも食べ続ける姿が愛おしく悶え死にそうになったのである。