妖怪を利用して仲良くなる作戦

先週からピナちゃんは公文へ国語を習いに行っている。
以前コメント欄で小学生の間で妖怪ウォッチがブームとなっている事を教えてもらい、ピナちゃんがクラスメートの小学生達と馴染めるように、空いた時間を見つけては日本の妖怪について教えていたのである。 
 


私が小学生の頃にはゲゲゲの鬼太郎ブームが巻き起こった事もあり、妖怪についてある程度の知識を持っていたのが幸いであった。幼き日の私は西洋妖怪のボスであるバックベアードに恐怖したものである。

約1週間の短期特訓ではあったが、鬼太郎、目玉のおやじ、ねずみ男・・・ピナちゃんは日本の妖怪について詳しくなっていった。
あとはクラスメートとの距離を詰めるための『きっかけ作り』だけである。

私は妖怪の物真似を教える事にした。
誰もが知っている有名なフレーズで、小学生の心をワシ掴みにする作戦である。

候補となったのは、目玉のおやじの「おいっ!鬼太郎」とイッタンモメンの「鬼太郎しゃ~ん」の2つであった。個人的にはイッタンモメンの薩摩弁を押したい所ではあるが、やはり知名度で言えば目玉のおやじに軍配が上がるだろう。

今回の目的は小学生との距離を縮める事なのでより知名度の高い、目玉のおやじの「おいっ!鬼太郎」のセリフをマスターする事にした。

こうしてピナちゃんの物真似特訓は始まった。

特訓内容は私が発声した後、ピナちゃんが繰り返し発声する反復練習を行った。
フレーズの鍵を握るのは、おいっ!鬼太郎の『ろ』の発音である。

ピナちゃんは『ろ』がRの発音となるので、「キタルォウ」となり片言感が半端ではないのだ。
しかし毎晩風呂場で行われる特訓のかいもあり次第にLの発音を覚え、本番である公文の日を迎えた。

発音は完璧なのだが、唯一の心配は物真似が全く似ていない事であった。
現状ではフィリピン人が裏声で「おいっ!鬼太郎」と言っているだけである。

これは教える私が似ていないので、真似をするピナちゃんが目玉のおやじに似てくるはずはない。
おっさんが甲高い声で「おいっ!鬼太郎」と物真似をしているのが、ピナちゃんの中での目玉のおやじなのである。
誰を責める分けにもいかない。仕方がなかったのだ。

幼いとはいえ日本の少年達である。空気を読んで仲間に入れてくれるのではないだろうか?
そんな思いを胸に公文からの帰りを待っていた。

ピ「ただいまー」

私「物真似はどうだった?うけた?」

ピ「誰も知らなかたデス(´・ω・`)ナニソレダッテ」

ピ「デモ先生は知ってマシタ。妖怪watch違うだって(´・ω・`)」

鬼太郎を知らない世代があるなんて・・ジェネレーションギャップである。
妖怪ブームではなかったのかと、先ほど妖怪ウォッチの公式サイトを見てきたが、そこには腹巻をした可愛い猫がいた。

昨今の妖怪は私の思い描く妖怪ではなかった。かろうじて古典妖怪は私の知る妖怪ではあるのだが、幼い頃に妖怪に対して抱いた、未知の存在への恐怖心などは現代の妖怪には皆無であった。
なんと言うかこの妖怪達であれば対峙しても倒せそうなのである。

しかし妖怪ウォッチを知らないピナちゃんに子供達が妖怪を教えてくれた事で、結果的に話をするようになり仲良くなる事ができたので、まぁ良かったのではないかと思っている。
ただ、いまだに妖怪ウォッチがゲームなのかアニメなのか分かってはいない。

 

フィリピーナの心を掴む

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