ご心配をおかけしましたが心不全で入院していた祖母が、リハビリを家でも頑張ることを条件に一昨日退院することができました。
祖母が心配でフィリピンへの里帰り(亡くなった育ての母親の骨を日本へ持ち帰るため)を中止すると言い張っていたピナちゃんも、これで心置きなく旅立てるだろうと一安心である。
しかし昨夜、ピナちゃんに予定通り里帰りをするよう伝えると、祖母の食事やリハビリが心配なので帰りたくないと言い始めた。
里帰りしている間も祖母が完全復活するまで私が毎日通うし、料理も母が定期的に作りに来てくれる。
いざとなればダバオ料理の鉄人と呼び声の高い私がキッチンに立つので心配しなくてもいい。むしろ格安航空券でキャンセル不可なので遠慮なく里帰りをしてもらいたい。
今回の里帰りは育ての母の遺骨を持ち帰る重大なミッションがあるので、上記のような話をして何とか首を縦に振ってもらおうと説得するがピナちゃんは渋る。
久しぶりに友達と遊んだりしてゆっくりできるよう当初は1ヵ月くらいの滞在を考えていたが、ピナちゃんの猛反対により1週間へと短縮され、ここへ来て帰国するならさらに滞在期間を短くしたいと格安航空券なのに無理を言うのである。
以前からピナちゃんはフィリピンに帰りたがらない。
結婚して日本へ住み始めてまだ2回しか帰っていないし、帰っても滞在は数日の過密スケジュールを組み日本へ舞い戻ってくる。
フィリピーナと結婚をすると年に数回の里帰りは当然だと思っていたので、この行動は予想外であった。
帰った時にはファミリーや友人達に迎えられ楽しそうにしているので、フィリピンが嫌いなわけではない。
思い当たることと言えば、男前フィルターが装着されているピナちゃんの目に映る私は、ゴリラ界のベッカムと言っていいほどポギ(男前)なので、留守中に他の女性が寄ってくると非現実的な心配しているのだろう。
「俺に女の人が群がって浮気をすると思っているの?」とイケメンぶって聞くと「それはダイジョブ(‘A`)心配ないデス」と華麗にスルーされ、勘違い野郎のようになり辱めを受けた。
男前フィルターを紛失したのかい?
他に何か帰国を拒む理由があるのだろうか。
ピナちゃんにどうして疲れるのに過密スケジュールを組むのか聞いてみると、まさかの答えが返ってきた。
太郎は一人でご飯を作れないかもしれマセン(´・ω・`)
!?
このピリピン人はいい年をしたおっさんのご飯の心配をしているのである。
以前は一人暮らしもしていて決して美味しくはないけれど自炊はできる。そして何よりここは日本なので言葉も通じるし、外に出れば外食するのに困る事も無い。
私「大丈夫だよ!スーパーで弁当買って食べるから(笑)」
ピ「でも太郎はレンジが使えないでしょ(´・ω・`)」
それを言われるとぐうの音も出ない。
以前ブログで書いたかは覚えていないが、私は電子レンジが苦手である。
小学生の頃に電子レンジと初めて出会ったのだが、箱に物を入れると温かくなる不思議な現象に驚き、片っ端から色んな物を投入して温めていると、家族から「太郎は壊すからレンジに触るな」と理不尽なルールが設けられ、私だけレンジの使用を禁じられる迫害を受けていた。
それでも家族の目を盗んでレンジで遊んでいたところ、突然レンジの中に火花が飛び散る現象に見舞われた。大人しかったレンジに突然牙をむかれて怖くなり、それ以来レンジとは距離を置くことにした。
大人になってもレンジへ苦手意識を持っていたが、コンビニで弁当を温めてもらう度に板前のように目で見て技を盗み、スーパーで総菜を買った時に久しぶりにレンジでの温めに挑戦したところ、容器がドロドロに溶けてしまう事態となり、私はレンジと相性が悪いのだと悟り、それからは一人の時は冷たいまま食べる道を選んだ。
そのような悲しい過去を背負っている私に、このピリピン人妻は帰国の条件に“レンジを使いこなす”事を要求してきたのである(驚)
レンジには温めて良いものと悪いものがあって、もし選択を誤ると火花が出たり家電の中でもギャンブル性の高い道具で、卵を温めると時限爆弾になると聞いたこともあるし、こんな物騒な物を無理に使う必要があるのだろうか?
温めたいのなら鍋やフライパンという安全性に優れた道具もあるし、冷たい総菜も慣れれば美味しいのである。
世間ではレンジを使えて当然のような風潮もあるけれど、きっとそれはテレビやコンビニ店員が涼しい顔をして使いこなしているのが原因だろう。
だけど仕事でレンジを使うような方々は訓練を受けたプロである。
しかし中には訓練を受けてもいないのに、スーパーなんかでレンジを上手いこと使いこなす人達もいる。
人生の中で電子レンジについて学ぶ機会があったのだろうか?
それとも危険を顧みずトライ&エラーを繰り返し技を磨いたのだろうか?
ピナちゃんに至っては日本に来るまでレンジに触れたことも無かったのに使いこなしているので、才能による所も大きいのかもしれない。
人には向き不向きがあり、才能のある者は「簡単デス(‘A`)」と言うけれど、世の中にはレンジを使えるふりをしながらも、本当は使いこなせない者も大勢いるような気がするのだが、どうなの?
そう言ってレンジが使えなくても、他に得意な事があるとアピールして切り抜けようとしたけれど駄目だった。
私はレンジの使い方を叩き込まれた(汗)
まさか日本語で書かれた電子レンジの使い方を、フィリピーナのピナちゃんに教わることになろうとは……
私はやれば出来るタイプなのか、お陰様で解凍と温めができるようになった。
「心配ならこの皿を使え」とトラブルの起こらないタイプの皿も教えてもらった。光る素材のある皿はレンジで使ってはいけないようである。
これでピナちゃんも安心してフィリピンへ帰ることができるだろう。
さらに安心させようと、例えレンジを使わなくても私は生きていけると生活力のある所を見せようと思い、ピナちゃんがジューサーで絞ったオレンジのカスを捨てようとしているのを引き留め、この捨てる部分を有効利用して絶品料理を作ってみせた。
オレンジの搾りカスに砂糖を投入
続いて牛乳を投入
このまま冷凍庫で一晩冷やす。
凍ったオレンジの絞りカス。
今日の朝、冷凍庫からフローズンオレンジの搾りカスを取り出して、興味深そうにピナちゃんに見守られながらパクリと食べると……
驚きの不味さである(滝汗)
そっと蓋をして冷凍庫に戻そうとすると、鋭いピナちゃんは「美味しくないデスカ(‘A`)?」と追い打ちをかけ味見をしようとしてきた。
パクリ
(`・ω・´)フムムムム
(´・ω・`)帰ってもダイジョブカナ……
ピナちゃんは余計にフィリピンへの帰国が心配になった(涙)
ピナちゃんが日本を離れることに一番引っ掛かっていた祖母の体調も回復したので、なんとか予定通り里帰りができそうです。
ピナちゃんがフィリピンへ3泊4日の里帰りをしていた。「もう少しのんびりして日本へ戻れば?」と伝えたが、「一人はカワイソデス(´・ω・`)」と言い、頑なに短期での里帰りを希望するので、このような強行スケジュールとなってしまった。[…]