この記事はフィリピン人と日本人の涙の違いの続きです。
ジェニーの旦那さんは事業で成功を収められている方で、港区のコンシェルジュ付きのタワーマンションに住んでいて、ジェニーは私の知るフィリピン人の中で最もセレブピーナと呼ぶに相応しい女性である。
そのジェニーが引っ越し祝いを持って遊びに来ると聞いていたので、二人で近所をパトロールしたり料理を作ったりするのだろうと思い、私は一階の駐車場の奥にある元倉庫を改装したオフィスで仕事をしていたのだが、昼過ぎに駐車場から物凄い泣き声が聞こえてきた(驚)
一体何事なんだ!?
入居者の女性がトラブルにでも巻き込まれたのかと思い慌ててドアを開けて様子を見ると、そこにはピナちゃんと号泣しているジェニーがいた(驚)
私「ど、どうしたの・・・?」
ピ「旦那さんと喧嘩したダッテ(´・ω・`)」
私「近所迷惑だから中に入ろうか(汗)」
二人をオフィスへ招き入れると、ウオーン。・゚・(ノД`)と泣きながらも、旦那さんにセリフを教わったのか「ヒ・・引っ越し・・オエ・・オオ・・おめでとうございマス(´;ω;`)オオーン」と、えずきながらも律儀に引っ越し祝いの品を渡そうとしてくるジェニーが面白くて、思わず吹き出しそうになったがグッと堪えて涙の理由を聞いた。
二人の話によると、昨夜夫婦喧嘩をしてしまったジェニーは、旦那さんに謝ろうと思って先ほど電話をした所、中々電話に出ないし繋がったと思ったら謝る前に「仕事中だから」と電話を切られてしまい、まだ怒っていて他の女性の所へ行っているのかもしれないと、勝手に妄想を膨らませて泣いているのである。
「仕事中だから」の発言は無かった事にされている(笑)
だけど私の知る旦那さんはジェニーを溺愛していて、結婚当時の日本と日本人を誤解してワガママ放題だったジェニーを、嫌な顔もせず包み込む懐の深さを持っている。
その優しさはジェニーにだけ向けられるのではなくて、私達に対しても年上で地位も名声もある方なのに威張ることもなく優しく接してくれる紳士な男性で、今回のように引っ越し祝いを用意してくれたり気遣いもできる素敵な方なのだ。
そんな旦那さんが少々喧嘩をしたくらいで浮気をするとは思えないし、忙しくされている方なのでそもそも平日の昼間は仕事をしていると考えるのが自然だろう。
単に会議中とか電話が出きない状況だったのではないかと思い、「仕事中は電話ができない時もあるから気にするなよ」と慰めたが、一向に泣き止む気配はなかった。
そもそも何で喧嘩をしたのか聞くと、”どちらがゴミを捨てるか”という実にくだらない理由で、「そんなもん手の空いてる方が捨てろ」としかアドバイスのしようがない。
その時ピナちゃんも初めて喧嘩の理由を聞いたのか、「旦那さんは仕事を頑張ってるんだから、ゴミはジェニーが捨てないと駄目デス(`・ω・´)」と容赦なく追い打ちをかけてしまい、「私のミステイクデシタ(ノω・、) ウオーン」と、余計にうるさい事になってしまった(汗)
その時私は不動産屋に電話で確認したい事があったのだけど、電話越しに女性が号泣する声を聞かれてしまっては誤解を招いてしまうし、パソコン画面を見ながらでないと確認ができない事なので、私が外へ出るわけにもいかず10分だけでもこの泣き叫ぶフィリピーナを追い出したかった。
そこで空気の読めるフィリピーナであるピナちゃんに、少しだけジェニーを連れ出してもらおうと「二人でアイスでも食べてリフレッシュしなよ」と、ジェニーに見えないように電話を指さして、電話がしたいアピールを試みながらアイス代300円を手渡した。
私((頼むぞ!))コクリ
ピ「アエイ(`・ω・´)」コクリ
私達も長年連れ添った夫婦のように、言葉すら必要としないレベルでコミュニケーションが取れるようになったかと喜んでいたが、それは私の早とちりでピナちゃんは一人で外出しようとしていた。
私「ピ、ピナちゃん!!一緒に行ったらどうかな?」
ピ「でもジェニー泣いてるカラ(´・ω・`)」
全く伝わってねぇ(涙)
結局300円を取られただけで状況が変わる事はなく、追い出し作戦は失敗してしまったが、どうしても電話をしたかった私は、次なる作戦を決行する事にしたのである。
つづく・・・