フィリピン人にギャンブルで金を巻き上げられたけど取り返した話

フィリピンのギャンブルと言えばカジノが有名だが、カジノで遊べるフィリピン人は富裕層や中間層である。

フィリピン妻ピナちゃんのファミリーは、スラムに住んでいることからも察しがつくと思うけれど、出会った当時は叔父さん一家を除けばかなりの貧困層だった。※周りにはもっと貧しい家庭もある。

 

ピナちゃんファミリーのように、貧しい暮らしをしていた人達はカジノには行かないけれど、闘鶏や麻雀やカードといった他のギャンブルを嗜んでいる方が多い。

いや、嗜むどころか、仕事もせずどっぷりとハマっている人達が多い(汗)

私がピナちゃんの実家に遊びに行った時も、昼間から近所の人達を集めて賭けトランプに連日興じていた。

 

私はピナちゃんの鉄壁のガードにより、ギャンブルには参加させてもらえず、まだ子供だったバブイ君や仲の良いデニスをおちょくりまわして遊んでいたが、元来賭け事が好きな性分なので参加したいのである。

その気持ちはフィリピンサイドも合致していた。

ファミリーの一員になったと言えど、私はルールも知らない小金を持った日本人なのだ。

 

このカモネギ野郎を逃す手はない!とママまで一緒になり、甘い言葉でピナちゃんを説得して、私を賭けトランプに参加させようとするのだけど、ピナちゃんはそれを許さなかった。

それどころかSPのように私のそばを片時も離れることなく、ファミリーからの誘惑を全てシャットアウトした(涙)

 

妻の隙をついてギャンブルに参加

隙をついてギャンブルに参加

フィリピン滞在中は何かあってはいけないので、私の傍から離れないピナちゃんだったが、ママの家電を買いに出かける日だけは、私と別行動をせざるを得なかった。

数名を連れ立って買い物に出かけるのだけど、私がいると全ての支払いを当然のように要求してくるのは良いとしても、ここぞとばかりに余計な物まで買おうとする者が多く、ピナちゃんはそれが嫌なのだ。

 

そんな事情もありピナちゃんは従兄弟のデニスに私を守るよう特命を出し、ファミリーを引き連れモールへと出かけた。

デニスも「留守の間は俺に任せろ!」と太郎には誰も寄せ付けないぜ!と言わんばかりの返事をしていたが、デニスは高田純次ばりに適当な男なのだ。

「ちょっとトランプしてるの見に行こうぜ」と提案すると、「うん。いいよ(・∀・)」とピナちゃんからの特命を全く聞いていなかった(笑)

 

賭けトランプが行われている部屋へ私が姿を現すと、「ようこそ太郎!」(訳:カモネギ野郎が来やがった!)と温かく迎えてくれた。

行われているゲームの名前は“トンイツ”

おそらくフィリピンでしか普及していないが、多くのフィリピン人に親しまれている地域密着型のゲームである。

 

初めて聞くゲームだったが、デニスに説明してもらいながらプレイしているのを後ろから眺め、ルールを理解しようと努めた。

ただ私の理解力のなさと、デニスの説明が下手過ぎるのも相まって、よく分からないのだ(汗)

かろうじてトランプの大富豪に、鳴き麻雀要素が追加された感じのゲームだと分かった。

 

後はプレイしているうちに理解も深まるだろう。

私は参加を表明し卓に着いた。

 

フィリピン人達は私をカモネギ野郎だと思っているかもしれないが、私は大富豪も麻雀も腕に覚えがある。

 

尻の毛まで引っこ抜こうとするギャンブラー
太郎
こいつらの尻の毛まで引っこ抜いてやるぜ!

 

まぁ巻き上げられたよね‥‥‥(涙)

二転三転するデニスの説明に困惑しながらも金を巻き上げられ続け、ようやくルールを把握しはじめた所で、買い物を終えたピナちゃんが帰ってきたのだ(涙)

 

荒ぶるピナちゃん

怒る妻

私がギャンブルで金を巻き上げられた事を知ったピナちゃんは怒った。

ピ「デニス!何で太郎を守らないの!」

デ「お、俺は止めたんだけど(汗)」※止めてない

 

ピナちゃんはデニスを叱り飛ばした後で、賭けトンイツの参加メンバーに「太郎にお金を返してあげて(´・ω・`)」とお願いしていたが、年下のピナちゃんの言うことを誰も聞いてはくれない。

そもそもギャンブルで負けた金を返して欲しいだなんて、ひん剥かれた私も思っていないのだ。

十分に楽しんだし、数千円程度だから気にしないでと説得したが、「せっかく日本から来てくれたのに、金を巻き上げて太郎がフィリピンを嫌いになったらどうするの?』と、皆でワイワイと夕食を食べている時もお願いしては断られていた。

 

ただ私も負けず嫌いな所があるので、何とか一矢報いたい気持ちを持っていた。

 

失った金を取り戻す

賭け腕相撲

夕食はファミリーや近所の人も交えて、20名を超える小規模な宴会のようになっていた。

日本代表のトンイツプレイヤーが無謀な挑戦をして散った噂も広がって、賭けトンイツの場にいなかった人達からも健闘を称えられた。

そして皆の酔いが回った頃、私は一矢報いるべく挑戦者を募った。

 

10ペソ(約25円)賭けて腕相撲で勝負しないか?

 

完全に自分の土俵で勝負する算段である(笑)

酔いも回り気が大きくなったピノイ達から、広く浅く金を回収しようと企んでいたけれど、当てが外れた。

酔っ払いながらも無駄に発達した私の筋肉を見て冷静に判断したのか、ピノイ達は誘いに乗ってこなかったのだ(涙)

 

しかし女性陣から「やってやれ!やってやれ!」と援護があり、一人の力自慢のピノイが名乗りを上げた。

ピナちゃんは「負けたらどうするの!」と心配して止めようとしていたが、筋肉だけが取り柄の私は負ける気がしない。

「大丈夫だから(汗)」となだめて、ピノイとの勝負が始まろうとした、その時!

 

周囲のフィリピン人達は、私とピノイのどちらが勝つかで賭け始めた(笑)

アウェイだからか、体格の違う両者の人気は拮抗している。

 

尻の毛まで引っこ抜こうとするギャンブラー
太郎
これは舐められたもんやで!

 

日の丸を背負いフィリピンへやってきて、ギャンブルで負け、腕相撲まで負けるわけにはいかない。

開始の合図と共に秒殺‥‥‥はしなかった。

次の挑戦者を募るため、演技派俳優の私は頭に力を入れて顔を真っ赤にして、「ンンッ(‘A`)!!」とか力んだ声を出したりして、互角の戦いをしているようにみせかけ、何とか勝てました感を出したのだ(策士)

 

酒×腕相撲×フィリピン人はとても盛り上がる。

賭けに勝った者、負けた者、傍観していた者、みな盛り上がり、「次の挑戦者は誰だ!」と大騒ぎとなった(笑)

 

ピ「オォーイ(*´Д`*)」※賭けてた。

さっきまで止めていたピナちゃんも、フィリピーナの血が騒いでいるのか楽しそうである。

 

最強の挑戦者が現れる

ファミリー最強の男

ついに10ペソを手にして一矢報いた私は、この調子で演技をしながら着々と回収する予定だったが、次の挑戦者はピナちゃんファミリー最強の力自慢であった。

 

あかん!このピノイに勝ってしまうと賭けが成立しなくなっちゃう(汗)

少しは空気を読んで!!

 

仕方がないので10ペソは失うけれど、このピノイには負けて、次の挑戦者を募ろうと思っていると、すでに賭けが成立しなかった。

先ほどの戦いで互角の勝負を繰り広げたため、誰も私がファミリー最強の男に勝てるとは思わなかったのだ。

誰も私に賭けてくれない中、同情した叔父さんが私に賭けようとしたが叔母さんに止められた(笑)

ピナちゃんですら私に賭けてくれない(涙)

 

しかしこれは掛け金を総取りするチャンスである。

チンタラとピノイを相手にするよりも、ここで勝負をかけた方が得策だと判断し、ピナちゃんに「全額俺に賭けて」と指示をだした。

 

ピ「アヨコ(´・ω・`)」訳:嫌デス。

えぇ‥‥‥

 

「俺が払うから頼むよ!全部払うから!」と懇願して賭けが成立する見通しが立つと、私の意図に気が付いたのか大穴狙いのギャンブラーなのか数名が私に鞍替えし、足りない分をピナちゃんが賭けることで賭けが成立したのである。

 

勝負はあっけないものだった。

ファミリー最強の男と言えど、幼いころから拳王軍に入隊しようとしていた私には力及ばず、私は一気に大金(千数百円)を手に入れた。※トンイツの負け分には全然足りてない(汗)

 

この金を種銭にして、再び賭けトンイツに挑もうとしていると‥‥‥

ピ「アコも賭けました(`・ω・´)」訳:私も賭けました。

私「‥‥‥」

ピ「アコも賭けました(´・ω・`)」

私「‥‥‥」

ピナちゃんにごっそりと持っていかれた(涙)

 

そしてこの腕相撲をして以来、私はピナちゃんファミリーからゴリラ呼ばわりされるようになった。

突然こんなに昔の話を記事にしたのは、トンイツが日本に上陸したからである。

つづく

 

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