【第一話】犯罪多発マンションと不気味なマンション

昨今の不動産価格高騰によりお眼鏡に適う一棟マンションが少なくなっており、数年前から中古区分マンション投資にも手を出している。

中古ビル一棟全てを所有するのではなく、中古ビルの中の1区分を所有すること。価格が安いので参入障壁は低いが、管理費・修繕費が毎月発生するので実質利回りは低くなりがちで、修繕管理を自分でコントロールできないので不動産投資初心者にはお勧めできない投資方法。ちなみに新築区分マンション投資は論外である。

 

中古区分マンション投資を始めて思ったのは、一棟物と違い入居者の属性を把握できないリスクがあること。

一棟物だとレントロールと言って、購入する時には入居者の情報を確認する事ができるのだけど、区分マンションだと所有者が異なるので周りの入居者の情報を確認することができない。

 

昨年の秋に売主がすぐに現金化したいという、4年間入居者がいない不人気の格安区分マンションを紹介されたので、そこからさらに半額の指値を入れて120万円で購入した。

事前に部屋を見る事はできなかったが、立地・築年数・広さを考えると掘り出し物である。

 

購入後に室内へ入って確認すると壁紙は剥がれ床は染みだらけ、玩具のようなキッチンに異臭を放ち変色している3点ユニット(風呂・トイレ・洗面台が一緒のタイプ) の、公園のベンチで寝たほうが快適そうな部屋であった。

5年前の私なら怯む所であるが、最近はボロ物件ばかりを見ていたので耐性も付いており、「シロアリ以外なら問題ない。」という、成長したのかバカになっているのか分からない変な境地に達しているのである。

もちろんスラム育ちのピナちゃんは「ナイスルーム(・`ω・)b」と、どんな部屋でも今まで一度も却下していない。

 

すぐに業者を手配して新しい風呂・トイレ・キッチンを設置し、壁紙・床・天井を張り替えて、必要最低限の家電と家具を購入し小洒落たデザイナーズルームへとリフォームをして、家具家電・太郎トータルライフサポート(日本で困った事があれば手助けするサービス)付きで、翌月には紹介により外国人留学生の入居が決まった。

そしてこれだけガラリと変えてもリフォーム代は100万円もかかっていない。

その秘密は施主支給である。

風呂・トイレ・壁紙等を自分で購入して内装業者に取り付けだけをしてもらう方法。材料費に価格を上乗せされないのでリフォーム代を安く抑えられる。
賃貸用物件に風呂を付けるならTOTOやINAXよりも知名度は劣るが、価格と品質のバランスはハウステックが最強である。

 

こんな感じで順調なスタートをきった元ボロ物件だったが、先日管理会社から送られてきた年間管理報告書により衝撃の事実を知る事となる。

○月・・・○○○号室で下着盗難被害発生。監視カメラにより犯人の姿を確認。警察に通報。
○月・・・○○○号室でボヤ。
○月・・・○○○号室居住者傷害事件により逮捕。
○月・・・○○○号室居住者○○○号室での下着盗難により逮捕。
○月・・・1階自動販売機が破壊される。監視カメラにより犯人の姿を確認。警察に通報。

修繕管理の報告と一緒に警察沙汰になった事件の報告がしれっと混ざっている(驚)

 

さらに読み進めて行くと、バルコニーから階下へ煙草の投げ捨てや非常階段での不審者目撃情報、管理費長期滞納者(多数)への対応を弁護士に依頼したりと、管理報告書とは思えない内容が記載されていた(笑)

なんてフリーダムな入居者が大勢いるマンションだろうか。

 

コナン君が住んでいるんじゃないか?と疑ってしまう事件発生率のマンションなので、早めに手放そうと思い入居者に他の部屋を紹介しようとしたが、私のキラリと光るセンスが仇となり、この部屋が気に入ってしまったようで「問題ナイデス」と言われてしまい、この留学生が退去するまでじっちゃんの名にかけて保有しておくことにしたのである(涙)

 

続く

 

一回で終わらせようかと思いましたが上手くまとめる事ができず、ピナちゃんが登場する前に力尽きてしまいました。数日後に新作ピナちゃん動画と合わせて更新したいと思います。

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