フィリピン人に頼まれて大学の課題を手伝ったら怒られた

フィリピン人妻ピナちゃんの従兄弟に、バブイ君という頭の良い青年がいる。

 

ピナちゃんファミリーの時期大黒柱として期待される頭の良い太った青年。

日頃は女性に興味がなさそうなふりをしているが、商店建築(雑誌)と一緒にエロ本を送ってあげた所、内緒にしてくれと言いながら喜び私を呼ぶ名称もBossに変わった。

10年越しの恋が実らず、現在は手あたり次第周囲の女性にアピールしている。

 

バブイ君は現在大学生で学生生活を謳歌しているのだが、近頃「僕はフィリピンを変える!」と大きな事を言い始めて、以前にもまして勉強をするようになったのかと思っていたら、周囲の女性へアピールするために見栄を張っているだけだと、ピナちゃんから教えられた(笑)

しかしそうは言ってもバブイ君はとても勤勉な青年で、私の教えが悪かったのか女性の尻を追いかけまわすようになったものの、毎晩遅くまで頑張って勉強をしているので、本当にフィリピンを変えるかもしれないと密かに期待している。

 

そんな未来のフィリピンを変える男バブイ君から、先日相談があった。

大学の課題で、災害が起こり避難生活をする時に必要な物を紹介するプレゼンテーション動画を撮影して発表するらしく、私にアドバイスを求めてきたのだ。

 

高卒の私が大学の課題を手伝う日がくるとは夢にも思わなかったが、災害の多い日本ならではの知識を頼りにしているのだろう。

私はバブイ君の頼みを快諾し、「出来る限り力になるから何でも聞いてくれ」と伝えた。

 

バ「ボス!どんな風に撮影したら格好良く見えると思う?

え?相談ってそこ?

 

もっとほら災害時には水が必要になるとか、手巻き充電できるラジオがあると助かるとか、そんな話ではないのかと確認すると、「必要な物は全て調べたし揃えてるんだ」とテーブルの上に並べられた薬やフラッシュライトなどを見せてくれた。

 

バ「これをどうやって見せたら格好良いかな?」

私「‥‥‥」

バ「好きな子も見てるから本当にアドバイスちょうだい(切実)」

私「いや、そんなこと言われても‥‥‥ちょっと紹介してみなよ」

 

まずはバブイ君のイメージを確認するため実演してもらおうとすると、すでに仮撮りしたものがあると言うので動画を見せてもらった。

動画が再生されると、幽遊白書(アニメ)のオープニング映像が流れたと思ったら画面が切り替わり、バブイ君が「Hey guys!」とか言って、後ろに料理を作っている母親が写り込んでいるのに、気取った様子で唐突に災害キットを紹介し始めるのである(涙)

 

バ「どお?」

私「うーん‥‥‥何か腹が立つなー」

バ「何で(|| ゚Д゚)」

 

何でと言われれば、幽遊白書のコピーライト問題は論外として、あの気取った感じが鼻につくのだろう。

特に薬の箱をきちんと持たずに人差し指と中指で挟んで、何食わぬ顔で災害時の薬の必要性を説くシーンなんかは、隣にいたら頭を小突いてしまいそうだ。

 

バブイ君はだいたい周りもこんな感じで撮影していると言う。

その言葉を聞いてバブイ君のプレゼン映像を見て感じた既視感の正体に気が付いた。

 

これはジョブズ!!

バブイ君は、アップルの設立者スティーブ・ジョブズが新作を発表する時に、気取った感じで製品を紹介する動きを意識しているのだ。

確かにフィリピンでプレゼンテーションをするとなると、このやり方が主流なのかもしれない。

 

しかし周りと似たような事をしては、バブイ君のプレゼンが埋もれてしまう。

そもそも今回バブイ君が紹介する物は、アップル製品のように確率されたブランドではなく災害キットである。

この何処にでもある物を、いかに必要で価値のある物だと視聴者に思ってもらえるかが、このプレゼンの鍵を握る。

 

私「注目されたいなら周りと同じことをしては駄目だ!もっと尖らせるんだ!」

バ「どうやって!?」

 

私には秘策があった。

見ているとついつい受話器に手が伸びてしまう、日本を代表する通販企業。

そう、ジャパネットたかたである。

 

俺が周りの女性を夢中にさせる、最強のプレゼン方法をレクチャーしてやる。

そう意気込み、ジャパネット魂をバブイ君に叩き込んだ。

 

ジャパネットバブイが誕生

プレゼンテーション

まず手始めに、ジャパネットの基本となる”甲高い声”の必要性をバブイ君に伝えた。

普通のトーンのプレゼンテーションが続く中、突如甲高い声が流れれば聴衆の注意を引けるだろう。

 

私「バブイ君!高い声で紹介してみて」

バ「OKボス!もし災害が起こっても私だけは大丈夫って思ってない?」(甲高い声)

私「もっとー!!」

バ「もし災害が起こっても」(甲高い声)

私「もっとー!!もっとー!」

バ「も、もし災害が起こって」(凄く甲高い声)

(笑)

 

バブイ君は元々抑揚のある話し方をするので、甲高い声さえ出すようにすれば、ジャパネット魂は9割方バブイ君に宿ったと言ってもいい。

後は小手先のテクニックである。

 

災害後に降りかかる可能性のある問題をいくつか説明し、その事態になるとどう困るのか不安を煽り、不安を解消するためには〇〇が必要だと、通販のテンプレのようなストーリーを作った。

ここまではバブイ君も先ほどの動画で実践していた。

 

ここからはジャパネットを見習い、災害キット一品につき一つの用途を紹介するのではなく、これ一つで様々な場面で役に立つとお買い得感を出していく。

例えばタオルがあると、体を拭くだけではなく、怪我をした時に止血ができたり、汚れた水をろ過することができる等、一つアイテムを掘り下げて紹介するスタイルだ。

 

ジャパネットにヒントをもらったバブイ君は、「この紹介の仕方はいいね!」とプレゼンテーションを成功させる糸口をつかんだようだった。

ここで終わっておけば何も問題はなかった(汗)

 

「他にインパクトを与えるような方法ってないかな?」と聞かれたので、「タオルがあれば顔に巻いて強盗もできるね」と、ついブラックジョークを言ってしまったのだ。

バブイ君は「イケル(‘A`)!」と思ったのだろう、課題である大切なプレゼンテーションの最後を、強盗ジョークで締めたのである(滝汗)

 

太郎
何でイケルって思ったんや(涙)

 

これによって学生からは笑いが取れたようだが、教授にはこっぴどく怒られたと報告してきたので、「何やってんだよ(笑)」と笑っていたけれど‥‥‥

後日、優等生のバブイ君が太郎のせいで怒られたと、バブイ君の母親がピナちゃんに密告し、私はピナちゃんから怒られた(涙)

 

「ボス!やったよ!」と、バブイ君は喜んでいたのに、そこは母親に伝えてはいなかった。無念である。

 

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