金持ちプレイも可能な寿司屋を満喫

この記事は回らない寿司とフィリピーナの続きです。

寿司屋に行こうと決めた翌朝、目を覚ますと買ったばかりの余所行きの服に身を包んだピナちゃんが、人生初の回らない寿司屋へ出陣するのが楽しみなのか、ベッドの横にあるドレッサーで一生懸命に化粧をしていた。

私が起きた事に気が付くとコップに水を用意してくれたので一気に飲み干して、パンツを履いてバルコニーへ出て一服していると、ピナちゃんが再び水を持ってきた。

起きたばかりでまだ回転していない頭でも分かる。
このフィリピーナは私が寿司を食べすぎないように水でお腹を膨らませようとしているのだと。

 

差し出された二杯目の水を受け取ると飲まずに、サボテンと貰い物のよく分からない草?に水を上げてコップを返した。

すると今度は珈琲を持ってきたのでバルコニーにある椅子に腰かけて飲んでいると、減ったそばから飲み切ってもいないのに注ぎ足してきた。

やはりこのフィリピーナはお腹をタプタプにさせる作戦を実行中である(確信)

 

思惑に気が付いた私は、それはもうチビチビと珈琲の味を噛みしめるように味わい、ピナちゃんに珈琲を注ぎ足す隙を与えない鉄壁のディフェンスを見せて出発時間を向かえた。

私「よし!ピナちゃん行こうか!!」

ハイッ(*´Д`*)

 

道中、スシッスシ♪スシッスシ(*´Д`*)ウーイ♪と言う謎の歌を口ずさんでいる事からも浮かれているのが分かる。

ちなみに普段は尻をプリプリと振りながら、このメロディーにモモッモモ♪モモッモモ(*´Д`*)という歌詞を乗せているが、桃の事なのか尻の事なのか、そもそもオリジナルの歌なのかは未だに謎である。

 

寿司屋へはほぼ開店と同時に到着したが、安くて美味しいと評判の人気店だけあってすでに席は7割がた埋まっていた。

カウンターとテーブルのどちらが良いか聞かれたので、寿司職人に憧れていたピナちゃんの為にも職人の技が間近で見れる見えるカウンター席を選び並んで腰かけた。

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寿司屋へ入る前は若干緊張気味であったピナちゃんも、カウンターに立てかけてあるメニューを見ると、ランチメニューはどれも1,000円以下だったので安心した表情になった。

店内の壁には寿司やサイドメニューの単品の値段が張り出されていて、それも良心的なお手頃価格で、高級寿司屋で見られる「時価」という値段くらい横着せずに毎日書けよと思う表記もなく、気の小さい心配性の私も安心できる。

一番安いランチメニューは600円台で回転寿司で食べるよりも明らかに安く、これで美味しければ「えっ?回らない寿司屋?それなら週一で行ってるよ(ドヤ顔)」といった金持ちプレイも可能である。

 

さっそく注文しようとピナちゃんにどのコースにするか聞いたが、すでにピナちゃんは寿司職人の手捌きに夢中で、家で実践しようとしているのかカウンターの下ではニギニギとエア寿司を握っていた。

私「ピナちゃん、ピナちゃん、どれが食べたいの?」

ピ「フフフ、一番安いので(*´ェ`*)フフフフ」

楽しみなのは分かるけど笑い声が漏れてるよ(笑)

 

悩んだ挙句、二人とも一番安いランチメニューを注文し、遂に回っていない寿司が運ばれてきた。

ピ「食べチャウ(*´ェ`*)?」

私「そりゃ食べるよ(笑)」

パクッ!! フムムムム(`・ω・´)

アウー(ノД`)美味しいナマントー

違いの分かるフィリピーナであるピナちゃんはこの店の味が気に入ったようで、一貫食べてはお茶を飲み、恍惚の表情を浮かべて本格的な寿司屋での体験を満喫していた。

 

だが私の判定は厳しい。

寿司屋初挑戦のピナちゃんと違い、MatsuhisaやNobuのようなワールドワイドな寿司屋をはじめ、社長のおこぼれに与かり他人の金で都内の高級寿司の味を知る男。

自分の作った料理にはめっぽう甘く、人の料理は重箱の隅をつつくかの如くミシュランの審査員よりも厳しいと判定を下すタイプのジャッジ太郎である。

ふざけた価格で寿司を出しやがって俺の舌は誤魔化せねぇぞ!と食べてみると。

 

あっ、美味い。パクパクいけちゃう。

回転寿司でも高い満足感を得る事ができる味覚の持ち主なので、回らない寿司屋の時点でこのような結果になるのは分かり切っていたが評判通りの名店であった。

 

私達はこの名店で充実した時間を過ごしていたが、一つだけ気がかりな事があった。

それは寿司を味わいすぎてピナちゃんの食べるペースが驚くほど遅いのである(涙)

 

間もなくお昼時を迎えて忙しくなる寿司屋で、あまりチンタラ食べていてはお店の方にご迷惑をおかけするので、「もう少し早く食べて」と言いたい所だが、あまりにも美味しそうに満足気な表情で食べているので言い出せず、仕方がないのでピナちゃんが遅い分、私が売り上げに貢献しようと先ほど注文したランチメニューのお替りと、単品でイクラ、中トロ、大トロを追加オーダーした。

それを見たピナちゃんは「こいつ回転寿司と混同してんじゃねぇのか?」という表情で、これ以上追加注文されたら不味いと思ったのか食べるペースが少し早くなった(笑)

 

そんなピナちゃんに追加で頼んだ中トロを差し出すと

ピ「本当にイイノカイ(‘A`)?」

私「いいよ食べなよ(笑)」

パクッ・・・・

ハ、ハウー.+:。(´ω`*)゚.+:。

どうやったらそんなに美味しそうに食べられるのかと思うほど幸せそうな顔で中トロを頬張り、「お寿司屋さんに連れてきてくれて、アリガトウゴザイマスポ(*´∇`*)」とお礼を言われたが、「そんな幸せそうな表情を見せてくれて、こちらこそありがとうございますぽ」と言いたくなるのである。

 

つづく

フィリピーナの心を掴む

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