回らない寿司とフィリピーナ

ピナちゃんはトロとサーモンの寿司が好きである。
特にトロを注文して待っている間は、傍から見ていても嬉しそうなのが見て取れるほど、頬は緩みホクホクした顔になっている。

初めて回転寿司を食べに行った時は生の魚に抵抗があったのか、カラアゲばかり食べていたが、いつの間にか炙りサーモンが食べられるようになり、勢いに乗ったピナちゃんはトロにも挑戦すると、あまりの美味しさにトロばかり食べようとするので、トロ規制(個数制限)をかけたほどだ。

しかしピナちゃんは回転寿司にしか行った事がない。
博識なピナちゃんは皿の回っていない寿司屋は料金が高額な事を知っていて、寿司屋と叙々苑への入店は頑なに拒否するのである(涙)

 

私はいつか皿の回っていない寿司屋に一緒に行きたいと思い機会を伺っていた所、食べログを見ていると安くて美味いと評判の寿司屋を発見した。

ピナちゃんを寿司屋へ誘うには相応の理由が求められるが、マイホームへ引っ越しをしたばかりと言う事もあり、引っ越し祝いを口実に寿司屋へ行って、いつもとは違う雰囲気で寿司を食べてもらおうと思っていた。

 

先日、周辺地域に異常はないか治安維持パトロールを行った。

本当は近所の和菓子屋の新規開拓をしながら目的の寿司屋への誘導を行った。

私「引っ越しのパーティーがしたいから、今日は外食しようか。」

ピ「オォイ(*´Д`*)」訳:いいよ。

私「じゃぁ、この店にしようかな。」※さり気なく寿司屋へ

ピ「オォイ(*´Д`*)」訳:いいよ。

Σ(゚д゚;)アイッ!? ダミッ!!

一度は快諾したものの、その店が寿司屋だと気が付いた途端に腰を落として入店に抵抗してきた。

pina02

私「ピナちゃん、ここは安い寿司屋だから大丈夫だよ(汗)」

ピ「それは嘘デス。お寿司はすごく高いダッテ。ジェシカが言ってマシタ(゚д゚;)」

私「安いお寿司屋さんもあるから大丈夫だよ(笑)」

ピ「スシローに行きマショ(゚д゚;)オイシイヨ」

私「たまには違うお寿司屋さんに行こうよ」

ピ「じゃぁランチ!! ランチにシマショ(゚д゚;)プリーズ」

寿司屋は避けられないと察した賢いピナちゃんは、ディナーではなく安くなるランチタイムを狙って行く妥協案を出してきた。

別にすきやばし次郎のような高級店に行くわけでもないので怖気づく事はないのだが、寿司屋デビューをするには気楽にランチで食べるのが良いかもしれないと思い、ピナちゃん案を採用したのである。

 

その日の夜、まだエアコンが無く蒸し暑い部屋で私は中々寝付けないでいた。

隣で横になっているピナちゃんも眠れないようで、枕替わりにしている私の腕の位置を調整したり、起き上がって水を飲んだりしていた。

私「暑くて眠れないの?」

ピ「明日お寿司屋さんに行きマスデショ・・・」

私「心配なの?」

ピ「ワクワクして眠れマセン(*´Д`*)オォーイ」

そんなに楽しみなのかい(笑)

 

つづく

フィリピーナの心を掴む

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